スタッフ
| 氏名・職名 | 認定資格・学会役員 | 主な専門分野 |
|---|---|---|
| 菊地 誠志 院長 |
日本神経学会専門医・指導医・代議員 日本内科学会認定医 Movement Disorder Society, Japan:役員 日本神経免疫学会:評議員・編集委員・新規治療治験検討委員会委員 日本神経治療学会:評議員 |
パーキンソン病などの 神経変性疾患,免疫性神経疾患 |
| 新野 正明 臨床研究部長 |
日本神経学会専門医、指導医 日本内科学会認定医 日本頭痛学会専門医 日本神経免疫学会:評議員 |
多発性硬化症 |
| 土井 静樹 医長 |
日本神経学会専門医・指導医・代議員 日本内科学会認定医 日本神経免疫学会:評議員 日本難病医療ネットワーク研究会:世話人 北海道難病医療ネットワーク連絡協議会会長 |
多発ニューロパチー 重症筋無力症、 筋萎縮性側索硬化症 |
| 藤木 直人 医長 |
日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会認定医 日本頭痛学会専門医・幹事 |
頭痛、神経変性疾患 |
| 南 尚哉 医長 |
日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会認定医 |
重症筋無力症、神経変性疾患 |
| 田代 淳 医師 |
日本神経学会専門医 日本内科学会認定医 |
パーキンソン病などの神経変性疾患 |
| 網野 格 非常勤医師 |
診療内容
神経内科で扱う疾患には様々な疾患が含まれますが、当院では特に、頭痛、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症などの神経難病、重症筋無力症、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーなどの免疫性神経疾患の専門診療に力を入れています。(それぞれの専門分野を担当する医師はスタッフプロフィールをご覧ください。)当院には、MRI・CT・SPECTなどの画像診断機器および、脳波、神経伝導検査、針筋電図などの電気生理学的検査機器を備えており、これらの検査機器を駆使し的確な診断、評価に努めています。
診療のご案内
以下のような症状がございましたらお気軽に当科にご相談ください。
- ・頭や首が痛い
- ・体や手足のしびれ、痛み、感覚障害(神経痛、しびれ、感覚脱失)
- ・まぶたが下がる、まぶたやほほがぴくつく、ものがだぶって見える
- ・うまく歩けない、転びやすい
- ・体がかたい、動作が鈍くなってきた
- ・体や手足に力が入りにくい、箸を持ちにくい、階段が上りづらい
- ・筋肉がやせてきた、筋肉がぴくつく
- ・手足や頸がふるえる、勝手に動く
- ・めまい、めまい感、ふらふらする、まっすぐ歩けない
- ・物忘れがひどい
- ・話しにくい、言葉が不明瞭、ろれつがまわらない
- ・飲み込みづらい、水が鼻へ逆流する
- ・意識障害(意識がなくなる)
- ・けいれん
神経内科で扱う疾患
- 1.脳の病気
- 脳血管障害、髄膜炎、脳炎、パーキンソン病、パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、神経ベーチェット症候群、ハンチントン舞踏病、頭痛、アルツハイマー病をはじめとする認知症、てんかん、不随意運動(振戦、チックなど)、脳腫瘍、脳膿瘍、頭部外傷、慢性硬膜下血腫、脳性麻痺
- 2.脊髄の病気
- 脊髄炎、頚部脊髄症、頚部脊椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊髄空洞症、筋萎縮性側索硬化症、スモン、家族性痙性対麻痺、HAM、亜急性脊髄連合変性症、脊髄外傷、脊髄腫瘍、脊髄血管障害
- 3.末梢神経の病気
- 多発神経炎、単神経炎、多発性単神経炎、絞扼性神経炎、顔面神経麻痺、三叉神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛、ギラン・バレー症候群、CIDP、ライム病、顔面攣縮、中毒性ニューロパチー(砒素、薬物)、代謝性ニューロパチー(糖尿病、尿毒症)、栄養障害ニューロパチー(アルコール、脚気、ペラグラ)、癌性ニューロパチー、シャルコー・マリー・トウース病
- 4.筋肉の病気
- 筋ジストロフィー、多発筋炎、重症筋無力症、ミトコンドリア・ミオパチー、遠位型ミオパチー、代謝性ミオパチー、内分泌障害によるミオパチー、先天性ミオパチー、先天性筋強直症、周期性四肢麻痺
頭痛
頭痛で病院を受診される方の多くは、脳腫瘍やくも膜下出血などの脳の病気を心配されていますが、実際には頭痛を訴える方で脳に異常がみつかる方はごくわずかです。逆に慢性的に頭痛があるのに一度も病院を受診されたことがない方も珍しくありません。大半の方が誤解されていますが、CTやMRIで脳に異常がみつからなくても頭痛は立派な病気です。このような頭痛は一次性頭痛と呼ばれており、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つが代表的です。
ここ10年間の間に頭痛の治療は格段の進歩を遂げており、かつてくすりがなく、我慢するしかなかった痛みから解放されることが可能となってきています。
頭痛の治療法は原因によって異なるので、市販のくすりを飲み続けているだけでは痛みが治まらないばかりか、逆に厄介な状況を作り出してしまう可能性もあります。まず神経内科を受診して正しい診断とそれに応じた適切な治療を受けることがなにより大切です。
パーキンソン病
- 疾患の概要(パーキンソン病はどんな病気ですか)
- 神経内科で扱う疾患は様々ですが、疾患の性質によっていくつかのグループに分けることが出来ます。そのなかでパーキンソン病が分類されるのが、「神経変性疾患」と呼ばれるグループです。神経系は、脳や脊髄といった部位での分類のほかに、あるまとまった働きをする系統で分類することが出来ます。たとえば、運動系(錐体路系、錐体外路系)、感覚系、小脳系、自律神経系などですが、「神経変性疾患」はこのような系統が選択的に障害される疾患といえます。この分類に従うと、パーキンソン病は主に錐体外路系が障害される神経変性疾患ということになります。
- 疫学(どのくらい患者さんがいますか)
- パーキンソン病は神経変性疾患の中では、認知症を起こすアルツハイマー病についで2番目に多い疾患です。現在、日本でも人口10万人に約100〜150人の患者さんがいるといわれており、社会の高齢化に伴って増加してきています。そして、介護保険制度の要介護・要支援全体の6.6%、要介護1の場合8.1%と、パーキンソン病患者が相当の割合を占めるようになっています(平成13年度厚生労働省「国民生活基礎調査」より)。
著名人では、アメリカの映画俳優のマイケル・J・フォックスや元ボクシング選手のモハメド・アリがパーキンソン病であることを公表しています。また、北海道では、作家の三浦綾子さんがパーキンソン病を患っていたことをご存じの方も多いのではないでしょうか。 - 疾患の特徴(どんな症状がありますか)
- 前述の通り、パーキンソン病は主に運動に関与する神経系の中でも錐体外路系という運動の調節をする系統が障害される疾患です。したがって、代表的な症状としては、動作が鈍くなる(寡動、動作緩慢)、筋肉が固くなる(固縮、強剛)、手や足が震える(振戦)、姿勢が悪くなりバランスがとれなくなる(姿勢反射障害)などの症状がみられ、これらをパーキンソン病の「四徴」と呼びます。さらに、固縮や振戦には左右差のあることが多く、振戦は4Hz程度で安静時に出現するなどの特徴があります。表情が乏しくなる、声が小さくなる、字が小さくなってしまう、歩くときに歩幅が狭くなってしまうなどの症状も特徴的にみられます。
パーキンソン病はいわゆる緩徐進行性の疾患ですので、これらの症状は、徐々に出現し少しずつ目立つようになってきます。逆に急激に発症する場合には他の疾患を考慮しなくてはなりません。
また最近、パーキンソン病にはこれら体の動きに関する症状(運動症状)のほかに、嗅覚障害、不安、うつ、幻覚、妄想、認知症、睡眠障害、衝動制御障害などのいわゆる非運動症状も伴いうることが注目されるようになってきました。 - 病理学的特徴(脳のどこに問題があるのですか)
- パーキンソン病は錐体外路系が障害される疾患ですが、その病変の主体を具体的な脳の部位でいうと、「中脳黒質のドパミン神経系」の障害ということになります。中脳は脳のほぼ中心にある脳幹という部位の一部ですが、「黒質」にはドパミン神経細胞があり、解剖してみると肉眼的には黒っぽく見えます。パーキンソン病患者さんの脳では、そのドパミン神経細胞が減っており、白っぽく見えるのが特徴です。
また、従来はこの中脳黒質のドパミン神経細胞のみが障害されると考えられていましたが、最近の病理学的検討により、中脳以外の部位のセロトニン系、アセチルコリン系などほかの系統の神経細胞も障害されることがわかってきています。このことは、症状として非運動症状もみられる背景として重視されるようになってきました。 - 診断(どのように診断されるのですか)
- パーキンソン病の診断への第一歩は、上記のような特徴的な症状に気付くことから始まります。自分で気付く場合もありますが、周りの人に指摘される場合も多いようです。また、パーキンソン病には、「この数値が上がっていればパーキンソン病です」というような特異的な検査項目はありません。基本的には血液検査は正常、通常の脳MRIも正常です。さらに、パーキンソン病とよく似た症状を呈する疾患も多く、それぞれ対処法が異なります。
したがって、パーキンソン病の診断には、症状の経過と特徴から見当をつけて、神経内科医が行う神経学的診察を受ける必要があります。そのうえで、脳MRI、脳血流SPECT、心筋シンチグラフィーなどの補助検査を行うと、ほかの疾患との区別に役に立ちます。 - 治療(どのような治療がありますか)
- パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞が障害される疾患であることは前述の通りですが、パーキンソン病の脳ではドパミンという神経伝達物質が減少していることがわかっています。したがって、現在の薬物治療の基本は、ドパミンそのものを補う(レボドパ製剤)、あるいはドパミンと同じ働きをする物質(ドパミン受容体刺激薬)でドパミンの働きを補うことで、症状を改善することが出来ます。ここで注意しなくてはならないのは、これらはあくまで減少したドパミンの働きを補う治療であって、病気を根本的に治す治療ではないということですが、現在では治療薬の選択肢も多くなり、症状にあわせて適切に治療を行えば症状をコントロールすることは可能になってきています。
また、最近ではいわゆるエビデンスに基づく標準化された診療が求められていますが、パーキンソン病に関しては、日本神経学会・日本神経治療学会による治療ガイドラインが作成され、日常診療に役立てられています。
パーキンソン病は患者さんによって症状や重症度がまちまちです。また、薬に対する反応や副作用の出やすさなども、患者さんによって大きく異なっています。さらに、長期にわたって治療薬を継続しなくてはなりません。したがって、患者さんの状態に応じて、長期的視野に立った治療をすることが求められますので、神経内科専門医によるきめ細やかな調整が望ましいと考えられます。 - 当科の特色(どのような診療を行っていますか)
- 当科には6名の日本神経学会神経内科専門医が在籍しており、それぞれパーキンソン病の診療には十分な経験を積んでいるのはもちろんですが、中でも菊地(当院副院長)は、2002年および2008年の日本神経学会・日本神経治療学会パーキンソン病治療ガイドライン作製委員会の委員として、本邦におけるパーキンソン病診療に関する指導的立場にあります。また、菊地は政策医療ネットワーク/パーキンソン病の精神症状(認知症・うつ・幻覚)の実態調査とQOL向上への提言(独立行政法人国立病院機構)メンバー、パーキンソン病関連疾患であるジストニアの疫学・診断・治療法に関する総合的研究班(厚生労働省)研究協力者でもあり、パーキンソン病および関連疾患の領域に精通しています。このような利点を生かして、当科では最新の情報に基づいた診療が可能であるばかりでなく、新規治療薬の治験にも積極的に取り組んでおります。
上述のような症状からパーキンソン病ではないかと思われた方、かかりつけの先生からパーキンソン病かもしれないといわれた方は是非一度当科を受診されることをおすすめいたします。また、すでにパーキンソン病の診断を受けて治療をされている方のセカンドオピニオン目的の受診も歓迎いたしますので、その際には現在診察を受けられている先生にご相談いただいた上で、受診していただきたいと考えております。 - パーキンソン病専門外来
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毎週火曜日の午後に菊地副院長による「パーキンソン病専門外来」(平成23年4月~)を実施しています。
詳細はこちら
神経難病
『神経』というのは日常よく耳にする言葉ですが,神経系を解剖学的に定義すると『脳と脊髄からなり情報の統合や指令発信を行っている“中枢神経”とそこに源を発して全身の隅々まで網目状に行き渡って身体の各部署に情報を送ったり受け取ったりしてその伝達に当たる“末梢神経”からできている器官』ということができます。
ですから神経系の異常により,中枢神経への情報が届かなくなったり身体の各部署に指令がうまく伝わらなくなるため,その結果,半身が動かなくなったり言葉がしゃべられなくなったりなど,日常生活動作(ADL)に支障をきたす障害が生まれ,社会生活へのハンディキャップを生じます。つぎに『難病』という日本で生まれた言葉は『原因不明の病気で根治療法がなく,経過が長く進行性の疾患』と定義されています。
筋萎縮性側索硬化症や多系統委縮症・脊髄小脳萎縮症などの神経変性疾患や多発性硬化症・重症筋無力症などの免疫性神経疾患はこの『神経難病』の代表的疾患で,全身の運動機能が徐々に侵されてADL機能障害は高度に至るため,患者さん自身や家族の精神的・経済的負担は大きくなり,種々の援助が必要になります。
当院は前身である国立札幌南病院の時より難病に関する特殊疾患管理病棟の認定を受け,長期療養を必要とする神経難病患者さんの診療と入院・在宅療養支援に当たっており,当院に入院し在宅に戻られる患者さんは全道から訪院されておりました。
また平成15年度からは国の施策として開始された『重症難病患者入院施設確保事業』における北海道難病医療ネットワーク拠点病院として難病医療専門員の配置を受けて診療を拡げています。北海道医療センターへの移転に伴い病院の機能が拡充され,今後さらに神経難病患者の診療と療養支援に向けてスタッフ一同取り組んでいく所存です。
重症筋無力症(Myasthenia Gravis:MG)
- Q.重症筋無力症とはどんな病気ですか?
- A.重症筋無力症は神経筋接合部に異常がある自己免疫性疾患です。神経筋接合部は末梢神経の末端で筋肉との連絡部分です。そこでは神経終末からアセチルコリンという物質が放出され、筋肉側の受容体(レセプター)に結合することで脳からの指令が到達します。このアセチルコリン受容体に対して自己のリンパ球が攻撃的に抗体を産生し神経終末と筋肉との連絡を妨げることが原因と考えられています。
- Q.重症筋無力症ではどのような症状が出ますか?
- A.まぶたが下がる、物が二つに見えるといった眼症状が多くの患者さんで見られます。症状が眼症状に限定された眼筋型と、首や手足に力が入らないなど眼症状以外の症状がみられる全身型に分けられます。全身型にはさらに声が鼻に抜けてうまく話せない、噛みづらい、飲み込みづらいなどの球症状や息苦しいといった呼吸症状を呈する場合もあります。この病気の大きな特徴は1日のうちでも症状の程度が変わり、朝より夕方の方が症状が悪化したり、疲労すると悪化し、休養を取ると回復することがしばしばみられます。
- Q.重症筋無力症の診断はどのようにして行いますか?
- A.検査として血液検査(抗アセチルコリンレセプター抗体)、テンシロンテスト、筋電図(反復刺激試験)を行います。血清抗アセチルコリンレセプター抗体は疾患特異性が高く、検出されれば診断が確定します。テンシロンテストは超速効性の抗コリンエステラーゼ剤を静脈注射することにより症状の改善を見る検査です。典型例では驚くほど症状が改善します。問診および診察所見と上記の検査所見のほか、他の神経・筋疾患を除外することで総合的に診断します。重症筋無力症では胸腺に腫瘍・肥大などの異常も多くみられるため、胸部CT検査も必須です。
- Q.重症筋無力症の治療にはどのようなものがありますか?
- A.内服治療としては、抗コリンエステラーゼ剤、副腎皮質ホルモン剤、免疫抑制剤があり、外科的治療としては胸腺摘出術が行われています。抗コリンエステラーゼ剤(メスチノン、マイテラーゼ、ウブレチドなど)は対症療法ですが、眼筋型/全身型を問わず、通常最初に行われる治療法です。胸腺摘出術は、胸腺腫を合併している眼筋型の場合や全身型重症筋無力症の場合(胸腺腫のあるなしに関わらず)に行いますが、発症から早期に行った方がその後の経過が良好であることが明らかにされています。副腎皮質ホルモン剤や、免疫抑制剤は症状の重症度に合わせて用いられています。また、急速に症状が悪化した場合などには血液浄化療法が行われます。これらの治療法が確立されるに伴い、重症筋無力症患者さんの予後は飛躍的に改善しました。以前は致死的疾患で『重症』でしたが、現在では治療法の組み合わせで日常生活に不自由しない方も大勢いる疾患となりました。疾患名として『重症』とついていますが、決して全員が重症ということではありません。 大事なことは早期に診断され、適切な治療を受けることです。
多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)
多発性硬化症(以下MS)は脳や脊髄に脱髄という病態が起こることによって様々な症状がでてくる病気で、女性の割合がやや多い(男性の二倍程度)と言われています。
欧米では有病率が高く多くの人に知られている病気ですが、日本人の有病率は約10万人あたり10人前後とそれほど高いわけではありません(日本では約1万人の患者さんがいるとされています)。そのため、なじみが薄いかもしれませんが、高緯度地域において有病率が高いとされ、日本においても高緯度にある北海道は比較的有病率が高いとされています(1)。さらに、その有病率は近年上昇していることが確認されています(1)。
MSは遺伝的な病気ではありませんが、遺伝的な要素と環境的な要素がともに影響して発症する、免疫が関係する病気ではないかと言われています(2)。遺伝的な要素としては、たとえばヒト白血球型抗原(HLA)の関与が言われており(3)、環境因子としてはビタミンD(4)、ウイルス感染、大気汚染など様々な可能性が指摘されていますが、まだ確定したものはありません。MSはその障害される部位により、手足のしびれ、ふらつき、目の見えづらさ、排尿障害など様々な症状が出現します。そのため、どれがMSの症状か判断しにくいことがありますので、気になる症状が出現した際には気軽に主治医に相談できる環境が大事です。
治療法に関してですがMSの臨床型としては多くが再発寛解型であるため、再発予防薬の開発に力が入れられており、現在、日本では二種類のインターフェロンβ製剤(自己注射薬)が使用可能です。その他、現在欧米を中心に様々な治療薬が検討されており(5)、日本でもいくつか治験が行われています。当院では患者さんの生活環境や状況を把握した上で現在のMSのスタンダードな治療法を提供するとともに、治験を含めた最新の情報提供を行います。また、当院ではMS並びに関連疾患の診断や治療に関してのセカンドオピニオン目的のご相談にものりますので、お気軽にお問い合わせください。
<参考文献>
(1)Houzen H, Niino M, Hata D, Nakano F, Kikuchi S, Fukazawa T, Sasaki H. Increasing prevalence and incidence of multiple sclerosis in northern Japan. Mult Scler, 2008; 14: 887-892.
(2)新野正明,佐々木秀直:多発性硬化症の免疫学・免疫遺伝学,多発性硬化症の診断と治療,新興医学出版社 2008年刊 25-29.
(3)Niino M, Kikuchi S, Fukazawa T, Sasaki H. Recent advances in genetic analysis of multiple sclerosis: genetic associations and therapeutic implications. Expert Rev Neurother. 2007; 7: 1175-1188.
(4)Niino M. Vitamin D and its immunoregulatory role in multiple sclerosis. Drugs Today, 2010; 46: 279-290.
(5)Niino M, Sasaki H. An update on the treatment options for multiple sclerosis. Expert Rev Clin Immunol, 2010; 6: 77-88.
活動内容
2010年度
- 著書
- 1. 菊地誠志.衝動制御障害.パーキンソン病 臨床の諸問題2,山本光利編著,中外医学社,東京,2010;139-161.
- 2. 菊地誠志 , 田代 淳.非麦角系ドパミンアゴニスト.パーキンソン病 臨床の諸問題2,山本光利編著,中外医学社,東京,2010;304-319.
- 3. 菊地誠志 , 新野正明(研究協力者).多発性硬化症治療ガイドライン2010.日本神経学会多発性硬化症治療ガイドライン作成委員会.医学書院,東京,2010.
- 4. 菊地誠志(作成委員).パーキンソン病治療ガイドライン2011.日本神経学会パーキンソン病治療ガイドライン作成委員会.医学書院,東京,2011.
- 5. 菊地誠志 , 田代 淳.パーキンソン病の鑑別診断.水野美邦,近藤智善編集 よくわかるパーキンソン病のすべて改訂第2版.東京;永井書店;2011(in press).
- 6. 南 尚哉.自律神経作用薬.治療薬ハンドブック2010 薬剤選択と処方のポイント.高久史麿監修,じほう,東京,2010;153-155.
- 7. 南 尚哉.自律神経作用薬.治療薬ハンドブック2011 薬剤選択と処方のポイント.高久史麿監修,じほう,東京,2011;156-158.
- 総説
- 1. Niino M, Sasaki H. An update on the treatment options for multiple sclerosis. Expert Rev Clin Immunol, 2010; 6: 77-88.
- 2. Niino M. Vitamin D and its immunoregulatory role in multiple sclerosis. Drugs Today, 2010; 46: 279-290.
- 3. Hirotani M, Niino M, Sasaki H. The role of B cells in multiple sclerosis: Implications for B-cell-targeted therapy. Curr Med Chem, 2010; 17: 3215-3222.
- 4. Niino M, Kikuchi S. Pharmacogenomics of multiple sclerosis: Current status and potential applications. Curr Pharmacogenomics Person Med, 2010; 8: 273-279.
- 5. Niino M. Is vitamin D relevant in reducing risk of multiple sclerosis? Clinical Laboratory International, 2010; 34: 20-22.
- 6. Niino M. Vitamin D metabolites and multiple sclerosis. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 2011; 82: 121.
- 7. Niino M, Kikuchi S. Osteopontin and multiple sclerosis: an update. Clin Exp Neuroimmunol, in press.
- 8. 土井静樹.神経難病(上).ベストナース,2011;3:56-58.
- 9. 南 尚哉,有馬祐子.看護・介護提供型住宅は神経難病・肢体不自由患者の療養先となりうるか.難病と在宅ケア,2010; 16: 11-14.
- 10. 南 尚哉.重症筋無力症診療の実際.札医通信,2010.
- 11. 田代 淳,菊地誠志.「No」の立場から.PDに伴う抑うつに対して抗うつ薬を使うべきか? 誌上ディベート.Frontiers in Parkinson Disease,2010;3:209-212.
- 12. 田代 淳,菊地誠志.パーキンソン病のnon-motor症状について.パーキンソン病Q&A.Frontiers in Parkinson Disease,2010;3:184-188.
- 13. 田代 淳,菊地誠志.進行期の諸問題:運動合併症とその対策.パーキンソン病ー変貌する疾患概念と治療戦略.カレントテラピー,2010;28:807-812.
- 14. 新野正明.血中ビタミンD濃度は小児期発症多発性硬化症(MS)もしくはclinically isolated syndrome(CIS)における再発頻度に影響を与える.Medical Briefs in Brain & Nerve, in press
- 原著
- 1. Hirotani M, Niino M, Fukazawa T, Kikuchi S, Yabe I, Hamada S, Tajima Y, Sasaki H. Decreased IL-10 production mediated by Toll-like receptor 9 in B cells in multiple sclerosis. J Neuroimmunol, 2010; 221: 95-100.
- 2. Kikuchi H, Mifune N, Niino M, Ohbu S, Kira J, Kohriyama T, Ota K, Tanaka M, Ochi H, Nakane S, Maezawa M, Kikuchi S. Impact and characteristics of quality of life in Japanese patients with multiple sclerosis. Qual Life Res, 2011; 20: 119-131.
- 3. Minami N, Fujiki N, Doi S, Shima K, Niino M, Kikuchi S, Sasaki H Five-year follow-up with low-dose tacrolimus in patients with myasthenia gravis. J Neurol Sci, 2010; 300: 59-62.
- 症例報告
- 1. Sakushima K, Terae S, Tsuji-Akimoto S, Niino M, Yabe I, Sasaki H. Idiopathic hypoglossal nerve laceration detected by high-resolution three-dimensional constructive interference in steady state magnetic resonance imaging. J Neuroimaging. in press.
- 2. 高橋育子,相馬広幸,佐久嶋研,秋本幸子,新野正明,矢部一郎,佐々木秀直.頚椎症性脊髄症術後に診断された脊髄サルコイドーシスの1例.神経治療学,2010;27:209-213.
- Editorial Board
- 1. Kikuchi S. Clinical & Experimental Neuroimmunology (ISSN: 1759-1961; Wiley-Blackwell).
- 2. Niino M. Immunology and Immunogenetics Insights (ISSN: 1178-6345; La Press).
- 3. Niino M. Multiple Sclerosis International (ISSN: 2090-2654; Hindawi Publishing Corporation).
- 講演
- 1. 菊地誠志.最近のパーキンソン病治療の動向から -パーキンソン病治療ガイドライン2009をふまえて-.第15回北九州脳疾患治療研究会.北九州,2010年6月25日.
- 2. 菊地誠志.ドパミンアゴニストの再評価-最近のパーキンソン病治療の動向を踏まえて-.第28回日本神治療学会総会イブニングセミナー.横浜,2010年7月15日.
- 3. 菊地誠志.最近のパーキンソン病治療の動向-パーキンソン病治療ガイドライン改訂をふまえて-.小松,2010年11月19日.
- 4. 菊地誠志.パーキンソン病治療薬とプラセボ効果.パーキンソン病シンポジウム高松-パーキンソン病研修会.高松,2011年1月16日.
- 5. 菊地誠志.パーキンソン病の精神医学的側面-パーキンソン病患者の精神世界.平成22年度良質な医師を育てる研修 神経・筋 診療能力パワーアップセミナー.仙台,2011年1月29日.
- 6. 菊地誠志.最近のパーキンソン病治療の動向-パーキンソン病治療ガイドライン改訂をふまえて-.第20回北関東パーキンソン病研究会.東京,2011年2月19日.
- 7. 菊地誠志.最近のパーキンソン病治療の動向-パーキンソン病治療ガイドライン改訂をふまえて-.第12回神奈川セレギリン研究会.横浜,2011年3月2日.
- 8. 土井静樹.難病疾患と吸痰の理解.難病支援ネット北海道’札幌市委託事業あんしんヘルパーQ研修会.札幌,2010年7月16日.
- 9. 土井静樹.神経難病拠点病院の取り組みと連携.連携北海道難病医療ネットワーク連絡協議会医療講演会.札幌,2010年7月31日.
- 10. 土井静樹.難病疾患の基礎知識.苫小牧保健所医療講演会.苫小牧,2010年11月10日.
- 11. 土井静樹.筋萎縮性側索硬化症の最近の話題.苫小牧保健所医療講演会.苫小牧,2010年12月8日.
- 12. 土井静樹.神経難病の知識と理解.紋別保健所医療講演会.紋別,2010年12月15日.
- 13. 南 尚哉.難病疾患と吸痰の理解.難病支援ネット北海道’札幌市委託事業あんしんヘルパーQ研修会.札幌,2010年10月.
- 14. 田代 淳.パーキンソン病におけるうつの理解・意義・診療.パーキンソン病治療の問題点とマネジメント.パーキンソン病研修会.高松,2011年1月16日.
- 15. 新野正明.多発性硬化症についてもっと知ろう!-最新情報も含めて-.MS友の会2010年度総会記念医療講演.札幌,2010年4月18日
- 16. 新野正明.MSにおけるQOL研究-FAMSとEQ-5Dを中心に-.多発性硬化症免疫吸着療法研究会(JIMS study).東京,2010年6月11日
- 17. 新野正明.MSのあらまし.多発性硬化症医療講演会.札幌,2010年9月25日
- 18. 新野正明.MSにおける高次脳機能障害.第5回NCNP多発性硬化症カンファレンス.国立精神・神経医療研究センター,東京,2010年11月15日
- 19. 新野正明.An update on the vitamin D story and the treatment options for MS.第5回川棚神経科学の会.国立病院機構長崎川棚医療センター,長崎,2010年11月20日.
- 20. 新野正明.多発性硬化症.平成22年度良質な医師を育てる研修 神経・筋 診療能力パワーアップセミナー.仙台,2011年1月29日.
- 学会発表(シンポジウム含む)(筆頭演者のみ)
- 1. Tashiro J. Anxiety, panic and depression. Motor or non-motor features in PD. 5th International Expert Meeting on the Treatment of Parkinson’s disease, Tokyo, Japan, November 2010.
- 2. 南尚哉,菊地誠志,藤木直人,土井静樹,佐々木秀直,渡邉幹夫.重症筋無力症には甲状腺癌の合併が多い?第51回日本神経学会総会,東京,2010年5月.
- 3. 田代 淳.パーキンソン病の精神症状(うつ).教育講演2.第4回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス.京都,2010年10月.
- 4. 新野正明,廣谷真,宮崎雄生,佐々木秀直.多発性硬化症におけるB細胞subsetの検討.第51回日本神経学会総会.東京,2010年5月.
- 5. 新野正明,深澤俊行,南尚哉,田代淳,藤木直人,土井静樹,菊地誠志.広範な延髄のみの病変を呈した抗AQP-4抗体陽性症例.第88回日本神経学会北海道地方会,札幌,2011年3月.
- 座談会・インタビュー
- 1. 村田美穂,菊地誠志,永井将弘,永山 寛,前田哲也.「L-dopaの理想的な用量設定とは?」Therapeutic Research.2010年5月20日発行,vol.31,no.5.
- 2. 水野美邦,菊地誠志,山本光利,澤田秀幸.「パーキンソン病治療 up-to-date
- 3. Medical Tribune 2010年6月24日発行,vol.43,no.25.
- 4. 菊地誠志,服部信孝.「ドパミンアゴニストの再評価」Frontiers in Parkinson Disease 2011年1月10日発行,vol.4,no.1.
- 5. Daniel Weintraub,菊地誠志.「精神神経学的側面からみたパーキンソン病」PD Today (in press) vol.34
- 共同研究
- 菊地誠志
- 1. パーキンソン病に合併する精神症状に対する塩酸ドネペジルの有用性:多施設プラセボ対照二重盲検試験.NHOネットワーク研究(主任研究者:澤田秀幸)
- 2. パーキンソン病の精神症状-認知症,うつ,幻覚-の実態調査とQOL向上への提言.NHOネットワーク研究(主任研究者:長谷川一子)
- 土井静樹
- 1. 筋萎縮性側索硬化症の認知機能障害に関する研究.NHOネットワーク研究(主任研究者:溝口功一)
- 新野正明
- 1. 医療・介護を要する在宅患者の転倒に関する他施設共同前向き研究.NHO EBM推進のための大規模臨床研究(研究責任者:饗場郁子)
- 班研究
- 菊地誠志
- 1. 難治性疾患克服研究事業 免疫性神経疾患に関する調査研究班 班員
- 2. 難治性疾患克服研究事業 重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究班 班員
- 3. 精神・神経疾患研究委託費受託研究費 ジストニアの疫学,診断,治療法に関する総合的研究班 研究協力者
- 藤木直人
- 1. 難治性疾患克服研究事業 免疫性神経疾患に関する調査研究班 班員
- 南尚哉
- 1. 難治性疾患克服研究事業 特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究班 研究分担者
- 検診活動他
- 南尚哉
- 1. 藤木直人.頭痛 重大な病気のサインも.北海道新聞.2011年3月9日.
- 2. 南 尚哉.在宅神経難病患者検診及び相談会.網走.2010年10月.










































