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国立病院機構 東京病院

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外来診療予約センター

Tel.042-491-2181

放射線治療とは?

 放射線には、細胞の増殖を止める効果や、死滅させる効果があり、手術や抗癌剤治療と並んで
がん治療の三本柱のひとつとなっています。
放射線を病巣部分に集中させることによって、周囲の正常組織に大きな影響を与えることなく、
がんを抑え込むことが出来ます。
放射線治療は単独で実施する場合や、手術や抗癌剤治療と併用して実施する場合もあります。

Elekta社製リニアックSynergy

Elekta社製リニアックSynergy 2016年9月より稼働

当院における放射線治療

 一般的には1日1回を週5回、病状に応じて2~7週間照射を行います。毎日少しずつ行うのが原則ですが、
病気の種類や症状によって1回の線量を増やして短期間で終了にする場合や、1日で午前午後の2回に分けて
照射する場合もあります。
特殊治療として、体幹部定位放射線治療(肺)・脳定位放射線治療・強度変調放射線治療(IMRT)も行っています。

放射線治療の大まかな流れ

放射線治療を行うまでの流れ

放射線治療の注意点

治療開始前に治療計画用のCT撮影を行います。
治療部位によっては固定具の作製を行います。
治療は原則仰向けで行います。
目印として皮膚にマジックペンで印をつけます。消さないようにお願いします。
放射線治療の初日は10~20分程度かかります。
2日目以降は5~10分で終了します。
治療期間中に週1回位置確認のため初回と同じくらいの時間がかかります。
放射線治療はなるべく休まず、予定回数を最後まで受けていただくことが大切です。
治療中は十分に休養と、バランスの取れた食事をとり体調を保つことも重要です。
照射方法、照射部位によって開始日が異なります。

放射線治療の副作用

 照射範囲内が日焼けのように赤くなることや黒く変色することもあります。
時にはただれることもありますが、時間経過により徐々に回復します。
体毛がある部位では脱毛します。粘膜(口、咽頭・喉頭、食道、腸など)に照射する場合には、炎症により
飲食に支障をきたす場合があります。下腹部では下痢や頻尿、排尿痛が現れることがあります。

症状が出た場合には、放射線治療医師に御相談下さい。

画像誘導放射線治療(IGRT)

 高精度放射線治療では、小さながん腫瘍に放射線を当てる場合、正常組織にがん腫瘍が隣接していることがあるため、放射線を当てる位置決めが重要です。そのための補助技術として行うのがIGRT (画像誘導放射線治療)です。
当院の放射線治療装置(リニアック)には、IGRTを行うための位置合わせ専用装置XVI(X-ray Volume Imaging)を搭載しています。必要時には、位置決めCTと治療直前CTの画像を重ねて位置ズレを補正して治療を行います。

画像誘導放射線治療(IGRT)

▲ 画像誘導放射線治療(IGRT)例  大きなズレで分かり易く表示しています。

体幹部定位放射線治療

 体幹部の限局した小さな腫瘍に対して、局所制御の向上と周辺臓器への有害事象の低減を目的に、多方向から照射を行います。定位放射線治療が通常分割(25回程度)照射と区別される最大の特徴は、寡分割(4〜5回程度)照射で大線量を投与することであり、高い治療効果が期待されます。

体幹部定位放射線治療

強度変調放射線治療(IMRT)

放射線を用いたがん治療では、最大の抗腫瘍効果が得られる線量を腫瘍に投与することを理想とし、照射する方向や回数を多くするなどの工夫により対応します。しかし、投与線量の増加は、同時に放射線による合併症のリスクをも高くします。
とくに、腫瘍が正常組織を取り囲むように位置している場合、正常組織を避けて腫瘍に十分量の照射をすることがなかなか難しく、通常の照射方法では理想的な線量を投与できませんでした。
通常の照射方法では、各ビーム内の強度が均一であるために照射野内の線量も基本的に均一となってしまうからです。
強度変調とは放射線を出す範囲・出力を照射する形や出力を変化させることにより、放射線強度を変化させることを指します。放射線治療計画装置(専用のワークステーション)で最適化計算を行い、腫瘍には高い放射線量を与え、隣接する正常組織には放射線量を低く抑えることを可能にした治療方法です。

下図は、前立腺への放射線治療の例です。
隣接する臓器(直腸)には放射線を制限し(黄色の矢印部分)、直腸出血・潰瘍などのリスクを低減しながら、腫瘍(前立腺)(緑色の矢印部分)には抗腫瘍効果となる線量を集中して照射することが可能となっています

強度変調放射線治療(IMRT)

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