令和4年度 大阪南医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 430 286 72 137 240 579 1074 2438 1914 404
大阪南部の基幹病院として、急性期医療を担っています。重点医療としてリウマチ・膠原病・アレルギー、循環器疾患、がん疾患、骨・運動器疾患および成育医療の診療機能を充実/強化させています。こういった疾患に多い年齢構成となっております。どの年代の方にも丁寧な説明ができる環境整備をしており、その窓口として患者支援センターを設置して看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー、事務を配置しています。また、家族や身近な方々と「人生の最終段階を話し合えるような考え方や環境の在り方」を院内で勉強会を重ねておりより良い提案できるように努めております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器・アレルギー内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 47 2.0 2.03 0 65.3
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 24 21.88 18.57 12.5 78.7  
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16 12.44 13.68 0 78.9  
呼吸器・アレルギー内科は、主に肺の良性疾患(喘息・COPD・間質性肺炎・呼吸不全・睡眠時無呼吸症候群)とアレルギー疾患の診療を担当しています。いずれの診療においても、患者さんと共に治療方針を決定しています。
慢性呼吸器疾患の患者さんは、病気が完治しないことも多いですが、在宅で患者さんの望む生活が継続できるように、多職種チーム医療による包括的な呼吸器診療を重視しています。今後は更に、在宅診療チームとの病診連携を進めていきたいと思います。
呼吸器疾患は、高齢者が多いこの地域特性や免疫疾患の合併として発症することもあり難渋で長期化することもあります。そのため地域施設と連携を密にして協力し合える関係を大切にしています。

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腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 59 2.00 3.05 0 74.7  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 23 14.26 13.49 22 77.7  
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 11 10.82 8.6 0 77.8  
腫瘍内科は、2022年4⽉より呼吸器内科から独⽴しました。
現在、⽇本臨床腫瘍学会認定研修施設(連携施設)として認定されています。当院は地域がん診療拠点病院でありその中の腫瘍内科として各科と連携して横断的に薬物療法の診療⽀援をしたいと考えております。
具体的には、肺がん・原発不明がんや希少がん(神経内分泌がん・⾁腫など)を中⼼とした腫瘍の診断・治療(薬物療法・放射線療法)や症状緩和を⾏っています。またそのほかの臓器を原発とする悪性疾患(消化器・泌尿器・婦⼈科腫瘍など)の薬物治療や副作⽤マネジメントも他科と共同し診療しています。
⼊院中・外来中とも、がんと診断された時から、当院緩和ケアチームとともに状況に応じたサポートを⾏える体制を整えております。緩和ケア主体の治療となったときは当院の緩和ケア病棟や在宅医療専⾨医と連携し、ご本⼈の希望に沿って安⼼して過ごせるようにしています。


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消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 543 2.07 2.64 0 71.5
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 65 12.78 8.94 4.6 74.1  
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 42 2.07 2.98 0 75.0  
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 30 11.7 10.34 0 79.0  
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 28 8.79 7.76 0 76.6
大阪府南東部の南河内地区の中核病院として消化器病の専門的医療を行っています。診療および治療ガイドラインを基準として、十分なインフォームド・コンセント(説明と同意)を実施した上で安心、安全で高度な専門治療を行い、早期診断および早期の専門治療に努めています。消化管出血・閉塞性黄疸などの消化器急性期医療にも積極的に取り組み、必要に応じ外科、放射線科と連携し迅速に対応しています。
当センターは、地域がん診療拠点病院に指定されており、当科に関連する消化器癌に対して最適な医療を提供できるよう心がけています。また緩和ケアチームとも連携し生命予後の延長だけでなく、生活の質の向上を目指し対応しております。また、将来的な治療につながる臨床試験(国立病院機構関連、大阪大学関連を含め)へも積極的に参加しています。さらに、大阪大学医学部、兵庫医科大学のクリニカルクラークシップの学生実習教育も担当しています。
当院は、日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化管学会、日本胆道学会の認定施設となっています。

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リウマチ・膠原病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 55 10.33 14.67 1.82 71.1  
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし 25 8.72 15.73 0 75.1  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 23 12.17 13.61 4.35 73.5  
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 14 15.29 13.5 0 69.9  
内科系医師9名、外科系医師4名より構成されます。
関節リウマチに関しては、内科系医師と外科系医師と担当看護師が緊密に連携をとり、協力して診療に当たる「トータル・ケア・マネジメント」を行っています。
内科系、外科系ともに多くの医師がリウマチ学会専門医の資格を有しており、リウマチ学会より教育施設として指定されています。また、リウマチ財団認定のリウマチケア看護師の資格を持つ看護師も多数在籍しています。
膠原病、血管炎、不明熱などの診療に関しては、内科系医師が診療に当たります。

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小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 373 1.04 2.09 0 8.1
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし 191 1.06 2.57 0 9.1  
100250xx99x10x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等21あり 定義副傷病なし 26 1.00 3.16 0 7.5  
小児科は、新生児期から思春期にかけて、病気だけでなく、成長発達についての幅広い分野に対応する場であります。 当センター小児科は、南河内における総合病院として、地域医療の中核を担い、時には大学病院や専門病院といった、高度医療機関への橋渡しも行います。
一般外来では、感染症などの急性期疾患の診断治療のほかに、低身長、夜尿症、腎疾患といった慢性疾患や、心身症の治療にも力を入れております。専門外来として、アレルギー外来、心臓外来も開設しております。
新生児室では、赤ちゃんのスキンケアや健診を、退院後は1ヶ月健診を行います。それ以降も、予防接種や後期健診といった、乳幼児期にかけての切れ目のない医療と、育児サポートを目指しております。
子供たち、ご家族に寄り添い、子供たちの健やかな未来のため、少しでも力になれたらと思い日々診療しております。

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外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 116 4.45 4.59 0 74.7
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 53 16.89 15.4 2 75.1
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 52 6.98 6.93 2 64.8
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 29 2.48 2.64 0 75.3
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 27 22.81 18.05 7 78.9
南河内医療圏にお住まいのすべての消化器外科患者様のニーズに応える”ことを目標としています。食道癌、胃癌、大腸癌、肝・胆・膵の癌、胆石症など消化器外科疾患を中心に、ヘルニア、痔疾患なども含めた広い領域で先進の外科治療を行っています。
がん(癌)治療は外科治療、内視鏡治療、化学療法、放射線治療、緩和ケア医療など多岐にわたりますが、それぞれの進歩が著しく、各科が個別に対応するだけでは治療方針の決定に際して不十分なことも多くあります。 わが国では、国民が全国どこでも質の高いがん医療を受けることができることを目標に、全国の2次医療圏ごとに「がん診療連携拠点病院」を指定しています。
当科の最大の特徴は根治性を確保したうえで積極的に食道癌、胃癌、大腸癌の患者様に対して、低侵襲手術である腹腔鏡下手術を行っていることです。この体にやさしい手術は、手術後の回復が早く、痛みも少ないため、高齢者の方にも手術後の合併症などを起こさない点などでいい方法であることが示されています。腹腔鏡下手術は通常の開腹手術に比べ特有の技術と経験が必要ですが、当科では現在、5名の日本内視鏡外科学会技術認定医が中心となり、腹腔鏡手術に精通したスタッフとともに手術を行っています。悪性疾患に対する腹腔鏡下手術は2003年に開始して以来、大腸癌手術数は2021年5月までに1300例をこえ、胃癌手術も450例以上に施行し、良好な成績を得ております。また、鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術も増え2020年には65例の方に施行しました。さらに、2020年6月より4K腹腔鏡を新規に導入し、さらに精緻で安全な手術が可能になりました。肝癌に対しても、適応を配慮しながら腹腔鏡下に肝部分切除術やマイクロ波凝固術も行っています。

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整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 147 21.36 20.14 4.1 69.6
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 93 21.7 22.44 3.2 76.1  
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 83 30.33 26.42 38.6 81.3
070470xx01xxxx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 42 26.10 22.73 2.4 68.7
070470xx02xxxx 関節リウマチ 筋肉内異物摘出術等 37 28.11 19.49 2.7 65.7  
整形外科は人体を支える骨・関節、これらを動かす神経・筋肉・腱にいたる運動器の病気やけがを幅広く扱う診療科です。

当科は12名のスタッフとレジデントで構成され、日本整形外科学会の専門医およびその関連学会の専門医・認定医・指導医が多数在籍し、大阪府南部・和歌山県北東部・奈良県中西部の基幹病院として、運動器疾患全般と体幹・四肢の骨折に対する診療を行っています。

当科には頚椎・胸椎・腰椎の変性疾患および脊柱変形を対象とする脊椎外科、肩・肘・手関節、手を対象とする上肢の外科、股関節や膝関節疾患に対する人工関節手術に加え、足関節疾患や外反母趾などを対象とする下肢の外科がありエビデンスにもとづいた高度医療を目指しています。 また、関節リウマチに対しては、内科医による診断・薬物治療と整形外科医による外科的治療を統合して行える体制になっています。 骨折患者も積極的に受け入れ、早期の機能回復に努めています。

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脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 13.25 10.14 8.3 81.4  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 8.52 8.54 8.0 73.7
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 14.14 15.97 7.1 71.2
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11 9.36 11.85 9.1 74.4  
当センター脳神経外科では、脳神経外科学会指導医、脳卒中学会専門医、日本脊髄外科学会認定医の資格を有する医師が診療を行っています。科学的根拠に基づいた安心で良質な最新医療 を患者様にご提供できるように、日々研鑽を積んでおります。さらに、患者様ひとりひとりの年齢、人生観、家庭環境や社会的立場などを考慮して、患者様、ご家族の方と十分にご相談したうえで最良の治療方針をご提示できることをお約束いたします。

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心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 12 17.42 10.62 0 79.0
心臓血管外科手術は体に負担の大きい「大手術」のイメージがありますが、最近ではより高い手術後のQuality of lifeの向上を目指した心拍動下冠動脈バイパス術やステントグラフト内挿術といった低侵襲手術が登場し、その手術成績も向上し安定して参りました。また僧帽弁疾患に対する右小開胸下低侵襲心臓手術も含め、更なる手術の低侵襲化を目指しています。

また循環器内科との密接な連携や、救命救急センターと連携し、軽傷の症例から重症疾患症例までの対応が可能です。

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産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 定義副傷病なし 51 21.18 4.19 0 65.8
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等27あり 定義副傷病なし 51 2.29 4.08 0 67.6
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 50 2.66 4.27 0 59.4
産婦人科は産科(妊娠、分娩、産褥)と婦人科(良性疾患、悪性疾患、不妊症)の診療に従事しています。

2020年の分娩件数は269件、帝王切開は59件(21.9%)でした。
当センターでは母乳育児を推進しており、「おっぱい教室」「赤ちゃん教育」「安産教室」「和風陣痛室」「立ち会い分娩」「分娩直後からの母児同室」「カンガルー抱っこ(STS)」などをすすめています。
当センターでは前回帝王切開術を受けられている妊婦様に対しては、母児双方のリスクを考慮して反復帝王切開術の方針としています。今後とも、この地域の周産期センターとしての役割を果たしていきたいと、医師、助産師、看護師の全員が強く思っています。

赤ちゃんに優しい病院(BFH=Baby Friendly Hospital)に認定されました
平成22年8月、当センターはWHO・ユニセフより「赤ちゃんにやさしい病院(BFH:Baby Friendly Hospital)」に認定されました。全国で66番目、大阪府では4番目でした。
WHO(世界保健機関)・ユニセフ(国際連合児童基金)は、1989年3月、「母乳育児の保護、促進、そして支援」するために、産科施設は特別な役割を持っているという共同声明を発表しました。世界のすべての国のすべての産科施設に対して「母乳育児成功のための10カ条」を守ることを呼びかけ「母乳育児を成功させるための10カ条」を長期にわたって尊守し、実践する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院」として認定しています。

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放射線科・IVRセンター
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 49 2.00 2.66 0 74.9
放射線科では主に、放射線を使用した機器を用いて画像検査、診断IVR(画像を見ながらの検査、治療)放射線治療を行っています。

放射線科・IVRセンターでは検査装置、技術を院内のみではなく、近隣の先生方にも広く活用していただけるように、地域医療連携室との協力体制をとっております。

各診療科、地域の施設の医師からの依頼により、一般X線撮影室、X線透視室、CT、MRI、核医学などの各装置で病状に対して最適な方法で検査を実施し、その画像や必要に応じて各種画像処理・解析おこなった画像情報を詳細に観察し、結果をレポートして依頼医に提供しています。検査、診断などの診療行為を担当しています。緊急検査にも対応し、即日の検査、診断が可能です。また、必要に応じて夜間、休日などにも対応しています。放射線診断専門医が在籍し、質の高い医療に貢献できる体制を整えています。

IVR(画像下の治療・検査)
IVRセンターを中心に主に血管造影装置を用いた画像下での治療に力をいれています。

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脳血管内科/神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 32 17.09 16.01 21.9 76.6  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 8.47 7.33 15.6 63.3  
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 15.88 18.58 4.2 73.9  
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 22.38 19.58 61.9 74.6  
脳血管内科は脳血管障害に軸足を置きながら、神経救急(意識障害・頭痛・めまいなど)、神経疾患(パーキンソン病・ギランバレー症候群など)幅広い守備範囲で診療を行っています。脳卒中は急性疾患のため早期の診断と治療開始が肝心であり、脳神経外科と協力し「脳卒中センター」として24時間体制で急性期脳卒中の受け入れに取り組んでいます。特に、超急性期脳梗塞の治療として、tPA静注療法や血栓回収治療に積極的に取り組んでいます。その他の血管内治療(頸動脈ステント留置術、脳動脈瘤コイル塞栓術など)も当科で施行しております。
また、神経内科領域では、パーキンソン病の教育入院、薬物調整入院、CIDPに対する免疫グロブリン大量療法なども行っております。筋委縮性側索硬化症(ALS)、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)をはじめとした難病の在宅医療への導入の目的入院も行っております

入院診療は、脳血管内科、脳神経外科の先生方のご協力を得て、実施してきました。平成29年度の延べ入院患者数(大部分新規入院患者です)は95名で、平成30年度は123名、令和元年度は若干減少し92名(内訳はパーキンソン病29名、筋萎縮性側索硬化症11名、脊髄小脳変性症4名、多系統萎縮症・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症などのパーキンソン症候群11名、アルツハイマー病やレビー小体型認知症などの認知性疾患3名、CIDP4名、GBS3名、その他重症筋無力症2名、筋ジストロフィーなどの筋疾患などと多彩)で、上記の扱う疾患をほぼ網羅しておりました。退院後は大部分の患者様が自宅で療養されておられます。  

平成30年11月に、当院が、国の難病対策事業の一つのである難病支援のための府域に12ある難病拠点病院の一つに認定されました。実施主体が大阪府ですが、図1.に示します介護と医療の連携事業が開始され、かかりつけ医の皆さんと、当院の医師、看護師さん、福祉及び保健関連の皆さんで、在宅訪問による医療支援を実施しております。

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泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 97 6.38 6.85 1 74.9
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 70 2.44 2.45 0 72.0
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 52 6.44 5.29 1.9 64.0
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 29 13.59 13.61 6.9 77.6  
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 5.09 7.59 0 72.1
泌尿器科の扱う臓器は、腎臓、尿管、膀胱、前立腺および尿道といった尿の通り道だけでなく副腎や男性生殖器(陰茎や精巣)などです。扱う疾患は、悪性腫瘍(がん、肉腫)、先天奇形、外傷、炎症および尿路結石症などのほか、男性では前立腺肥大症、女性では骨盤臓器脱を代表とする排尿に関連したものなどです。

当泌尿器科はこれらの疾患すべてを対象として、院内各科や近隣医療機関と密に連携して、患者様のQOLを重視した医療を提供できるよう日々努力しています。また、疾患中心の診療に偏らないよう、患者家族を含めた全人的診療に努めています。

レーザーによる治療を早くから導入しております。特に腎臓結石や尿管結石には、ビデオスコープ細径軟性尿管鏡とレーザーを用いて大きな尿路結石や体外衝撃波で砕石困難な硬い尿路結石でも安全に砕石・抽石が可能となりました。
効率よく確実に砕石し、問題となるサイズの結石は手術中に回収しています。
採石困難な腎珊瑚状結石には、経尿道的砕石術と経皮的砕石術を同時に行い、1回の手術で砕石可能になっています

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循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 85 21.11 17.54 11.8 85.3
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 58 5.29 4.65 0 70.7
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 10.57 9.89 5.9 82.4  
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 48 4.02 4.26 2.1 72.0
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 45 3.33 3.04 0 74.4
大阪南部の急性期循環器病の中心施設として河内長野市のみならず富田林市、羽曳野市、大阪狭山市、遠くは堺、橋本市から多くの紹介があり南河内地域の一大心臓センターとして心臓血管外科と共に、24時間体制でチーム医療を実践しております。24時間いつでも紹介を受け入れることができるように、救急担当医および循環器当直医がハートコールのPHSを持ち、救急隊や近隣地域医療の先生方の要請に対応しております。また学会活動に関しては日本循環器学会、心臓病学会、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)をはじめ積極的に演題発表を行っています。

Biplane冠動脈専用アンギオ装置(Philips社製 Allura Xper FD10/10)
64列マルチスライスCT (Toshiba, Aquilion) 冠動脈CT
Dual head gamma camera (Discovery NM830) 心筋シンチ
心エコー装置 Philips 3台, Aloka 1台, Toshiba 1台, GE(ポータブルVivid iq 1, Vivid I 2)3台の計8台で検査技師、医師が検査を担当しています。Multiplane 経食道心エコーも搭載しており、左房内血栓、弁膜症、感染性心内膜炎心臓内腫瘍の診断に際しては積極的に経食道心エコー検査を実施し手術適応も含めた幅広い視野で診断に当たっています

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腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 25 9.4 13.82 4.0 71.0  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 15 18.93 21.11 40.0 83.9  
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 14 12.79 11.77 14.3 68.4  
大阪南部の腎透析医療の拠点のひとつとして、日夜診療に励んでいます。
対象疾患は、慢性糸球体腎炎や、糖尿病・高血圧に基づく腎障害のほか、当院が免疫異常の基幹病院であるため、リウマチ・アレルギー疾患に合併した腎障害が多いのも特徴といえます。
初期の腎臓病から透析患者様まで腎臓病に関して幅広く対応させていただいております。

タンパク尿や血尿など検尿異常を認める患者様には、積極的に腎生検を行い、腎臓病の早期診断・早期治療に努めています。IgA腎症に対する扁桃腺摘出術+ステロイドパルス療法も積極的に行っております。腎生検はクリニカルパスを導入し、ふつう1週間の入院で行っています。
初期の腎臓病から透析患者様まで腎臓病に関して幅広く対応させていただいております。

すでに腎臓の働きが低下している方では、食事療法、レニン・アンジオテンシン系抑制薬を中心とした降圧療法、尿毒素吸着療法などを駆使して、透析を要する状態をできるかぎり回避するよう図っています。低タンパク食による治療も栄養士と相談のうえ実践できるようお手伝いさせていただきます。そのためには患者様の協力も必要で2週間ほどの入院で、病気に対する意識を高めてもらうこともあります。

残念ながら透析療法が必要になった患者様には、ご本人のライフスタイルや意向をふまえて、血液透析、腹膜透析のいずれかを選択し、円滑に維持透析を始めてもらうようにしています。腎臓移植を希望される患者様は他施設へ紹介させていただきます。

当科で外来維持透析も行っておりますが、患者様の希望により、ご希望の他の透析施設へも紹介をさせていただきます。手術が必要になったり、消化器や循環器疾患に罹患したりで入院された透析患者様には、他科との緊密な連携のもと、きめのこまかい診療を行っています。
また、持続血液透析濾過や、敗血症、肝不全、潰瘍性大腸炎、悪性関節リウマチなどに対する血液浄化法も常時施行可能な状態にしています。

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乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 27 10.0 9.9 3.7 64.8
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 24 5.7 5.7 0 66.6
乳腺外科は、現在常勤医2名と非常勤医1名(乳腺専門医2名・女性医師1名)の合計3名で診療を行っております。女性医師の診察を希望される方は予約が必要となります(月曜日午後のみ)。当科では主として、乳がんを中心とした診断・治療を行っておりますが、乳がんに限らず乳房に関する様々な疾患の診断および治療にも取り組んでいます。

当科では、受診された方に、先ずは視触診・マンモグラフィ・超音波検査を行います。そして、必要に応じて細胞診や組織生検を行い、迅速かつ正確な診断とわかりやすい説明を心がけています。また治療の面では、乳がん患者様に対する外科治療として、根治性と整容性の両立を目指した手術を行っており、形成外科担当医(非常勤医)とも連携しながら自家組織またはインプラントを用いた乳房再建も行っています。一方、乳がん治療は手術療法のみではありません。当科では最新のEBM(根拠ある治療)を積極的に取り入れ、抗がん剤やホルモン剤、抗HER2療法を中心とした分子標的治療などの治療も一貫して行っています。さらに放射線科とも協力しながら、放射線治療も行っています。

乳がんの罹患率は年々増加し、現在日本人女性の11人に1人が乳がんになるとされています。また、乳がんの治療は、手術や薬物治療、放射線治療など多岐にわたり、特にその専門性が要求される疾患です。従いまして当科では、他科医師、看護師、薬剤師などとの連携を重視したチーム医療を進めています。セカンドオピニオンとしても気軽にご相談ください。また、一部の乳がんが遺伝に関わることが知られています。遺伝性乳癌卵巣癌症候群を疑う乳がん患者様に対して、遺伝カウンセリングや遺伝子検査にも対応できるようにしております。さらに、遺伝子変異が認められる乳がん患者様に対しては、産婦人科や泌尿器科とも連携を取りながら、卵巣癌や前立腺癌のスクリーニングも行ってまいります。

当科では、患者様の根治を目指すだけではなく、生活の質を維持向上させることにも主眼を置き、それぞれの患者様の病状や生活環境に合わせて治療方法を選択できるように努めています。その一方で、より最新かつ最善の治療が提供できるよう「臨床試験」や「治験」も推進しています。

乳房に何か症状がある方、乳がん検診で精密検査が必要と判定された方、他院の検査で乳がんが疑われる方など、乳房に関することは何でも当科にご相談ください。

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初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 34 17 21 22 14 36 1 6,8
大腸癌 17 40 26 50 41 25 1 8
乳癌 32 18 2 3 1 15 1 8
肺癌 7 3 12 63 62 46 1 8
肝癌 13 7 11 6 5 46 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌・大腸癌に見られるようにステージが進行している場合が多く、切除治療ができず化学療法などで対応しています。初めて見つかった時にすでにステージⅢですと、再発率も高くなる傾向があります。癌治療の化学療法は外来でも多数行っていますが、地域の高齢化に伴い副作用防止管理のために入院で行うこともあります。特に進行が進んでいる場合は、心のケアも入院でおこなうことがあります。また診断目的とした入院も多くあり入院中には進行がはっきり確定できていなくても外来で改めて悪性の熟む進行についてご説明をさせていただいています。また、当センターでは、河内長野市と連携して癌検診の目的と効果を「がん教育」として案内しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 9 7.4 60.2
中等症 34 16.0 80.3
重症 2 12.0 84.5
超重症 0 0 0
不明 0 0 0
市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症する肺の急性炎症です。細菌、ウイルス、真菌など、様々な病原体が市中肺炎の原因となります。我々は内科全体が中心となって、軽症~重症のさまざまな市中肺炎に対して病態に応じた治療を行っています。身体機能の低下した患者さんは、肺炎が安定した後は地域の連携病院に転院していただいて、リハビリを行っていただくことがあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 194 22.1 77.3 28.3
その他 36 24.4 75.4 3.5
脳神経外科、脳血管内科が協力して脳卒中センター体制をとり、365日24時間いつでも院内に常勤する専門医が脳卒中診療にあたっています。脳梗塞に対しては超急性期の血栓溶解療法(tPA療法)、血管内手術治療(カテーテルによる血栓回収療法)を積極的に行っています。また頚部の高度頸動脈狭窄病変にたいしては頸動脈内膜血栓切除術や血管内治療によるステント留置術をおこないます
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 97 1.1 2.2 0 74.2
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 73 2.8 4.7 2.7 64.8
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 63 4.2 12.5 1.6 74.8
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 30 0.3 1.2 0 75.2
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 22 0.8 7.2 0 69.9  
当科の最大の特徴は根治性を確保したうえで積極的に食道癌、胃癌、大腸癌の患者様に対して、低侵襲手術である腹腔鏡下手術を行っていることです。この体にやさしい手術は、手術後の回復が早く、痛みも少ないため、高齢者の方にも手術後の合併症などを起こさない点などでいい方法であることが示されています。腹腔鏡下手術は通常の開腹手術に比べ特有の技術と経験が必要ですが、当科では現在、5名の日本内視鏡外科学会技術認定医が中心となり、腹腔鏡手術に精通したスタッフとともに手術を行っています。悪性疾患に対する腹腔鏡下手術は2003年に開始して以来、大腸癌手術数は2021年5月までに1300例をこえ、胃癌手術も450例以上に施行し、良好な成績を得ております。また、鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術も増え2020年には65例の方に施行しました。

さらに、2020年6月より4K腹腔鏡を新規に導入し、さらに精緻で安全な手術が可能になりました。肝癌に対しても、適応を配慮しながら腹腔鏡下に肝部分切除術やマイクロ波凝固術も行っています。

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整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 269 1.5 20.5 3.7 71.7
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 56 1.6 24.7 33.9 80.9
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 39 3.1 28.1 38.5 82.1
K110-2 第一足指外反症矯正手術 37 1.1 22.2 2.7 67.4
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 37 1.9 12.4 2.7 72.3
当科は12名のスタッフとレジデントで構成され、日本整形外科学会の専門医およびその関連学会の専門医・認定医・指導医が多数在籍し、大阪府南部・和歌山県北東部・奈良県中西部の基幹病院として、運動器疾患全般と体幹・四肢の骨折に対する診療を行っています。

頚椎・胸椎・腰椎の変性疾患および脊柱変形を対象とする脊椎外科
肩・肘・手関節、手を対象とする上肢の外科
股関節や膝関節疾患に対する人工関節手術に加え、足関節疾患や外反母趾などを対象とする下肢の外科
がありエビデンスにもとづいた高度医療を目指しています。

また、関節リウマチに対しては、内科医による診断・薬物治療と整形外科医による外科的治療を統合して行える体制になっています。
骨折患者も積極的に受け入れ、早期の機能回復に努めています。

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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 95 1.2 4.0 1.1 74.7
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 54 1.6 4.5 1.9 64.1
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 24 1.3 2.8 0 72.0
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 19 2.1 12.0 10.5 72.0  
K7981 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 12 1.0 4.2 8.3 71.7  
泌尿器科で主に扱う臓器
腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道、副腎、陰茎、精巣

主な診療内容・取扱い疾患
泌尿器科の分野でも新しい治療方法が多く開発され、ひとつの疾患でも複数の選択肢があることは珍しくありません。近年、注目されている治療法(検査法)のなかで、当科で行っているものをいくつかご紹介します。

尿路結石に対する治療
レーザーによる治療を早くから導入しております。特に腎臓結石や尿管結石には、ビデオスコープ細径軟性尿管鏡とレーザーを用いて大きな尿路結石や体外衝撃波で砕石困難な硬い尿路結石でも安全に砕石・抽石が可能となりました。
効率よく確実に砕石し、問題となるサイズの結石は手術中に回収しています。
採石困難な腎珊瑚状結石には、経尿道的砕石術と経皮的砕石術を同時に行い、1回の手術で砕石可能になっています

腹腔鏡手術
腎癌に対する腎摘除術や腎部分切除術、腎盂・尿管癌に対する腎尿管全摘除術や副腎腫瘍に対する副腎摘除術を積極的に行っております。従来の開腹手術に比べてキズの痛みが軽く、回復が早いのが特徴です。

骨盤臓器脱・尿失禁に対するメッシュを用いた手術
膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤などを総称して骨盤臓器脱と呼びます。経膣メッシュ手術も腹腔鏡下メッシュ手術も保険適応となっております。産婦人科と連携を取りながら、保存的治療、メッシュ手術、従来からの経膣手術などニーズと病状に合った治療を行っております。

間質性膀胱炎に対する膀胱水圧拡張術
難病指定されている間質性膀胱炎の治療には、食生活の改良、内服治療、薬剤の膀胱内注入療法、膀胱水圧拡張術などがあります。
当科では、膀胱水圧拡張術の施設認定を得ており、積極的に行っております。

前立腺生検
PSAが高値など前立腺がんの疑いがある場合、前立腺の組織の一部を針で採取し顕微鏡で調べる検査(生検)を行うことが一般的です。当科では、1泊入院で行っています。麻酔は腰椎麻酔(下半身麻酔)の後、エコーで確認しながら肛門と陰嚢の間(会陰)より針で組織を採ります(12箇所~)。検査時間は10-15分です。結果は1-2週後になります。

その他、内視鏡や腹腔鏡の手術だけでなく、従来の開腹手術も改良が進んでいます。キズは小さく、出血量は少なく、合併症も少なくなりました。回復が早く入院期間も短かくなっています。

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産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 27 1.0 4.0 0 47.8
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 27 1.0 4.0 0 44.3
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 18 0.9 7.0 0 35.7
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 16 1.0 9.6 0 68.2
K867 子宮頸部(腟部)切除術 15 1.0 1.1 0 50.9
産婦人科は産科(妊娠、分娩、産褥)と婦人科(良性疾患、悪性疾患、不妊症)の診療に従事しています。

産科
2020年の分娩件数は269件、帝王切開は59件(21.9%)でした。
当センターでは母乳育児を推進しており、「おっぱい教室」「赤ちゃん教育」「安産教室」「和風陣痛室」「立ち会い分娩」「分娩直後からの母児同室」「カンガルー抱っこ(STS)」などをすすめています。
当センターでは前回帝王切開術を受けられている妊婦様に対しては、母児双方のリスクを考慮して反復帝王切開術の方針としています。今後とも、この地域の周産期センターとしての役割を果たしていきたいと、医師、助産師、看護師の全員が強く思っています。

婦人科
女性のトータルライフサポートを目指しつつ地域がん診療連携拠点病院の役割を果たし、婦人科悪性腫瘍、良性腫瘍(子宮筋腫、子宮内膜症など)、女性ホルモン異常、更年期、子宮脱など多岐にわたる女性特有の疾患に対応をしております。手術は開腹、腹腔鏡、膣式のいずれも対応可能であり、個々の患者様にとって最善の治療をご提供出来るよう努めております。

当院ではLSC(腹腔鏡下仙骨膣固定術)を積極的に行なっています!
LSC(腹腔鏡下仙骨膣固定術)は骨盤臓器脱によって下垂した膣を、腹腔鏡下にメッシュを用いて仙骨へ固定する方法です。平成28年度の診療報酬改訂より保険収載され、当院でも現在は保険診療で手術を行っています。
特徴としては腹腔鏡を用いることで低侵襲(身体に負担が少ない)で、術後再発率が低く治癒率が高い手術であり、メッシュを入れることによって起こる合併症のリスクも他の術式に比べて低く、患者様の満足度が高い手術と言われています。

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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 47 0.6 11.2 12.8 79.5
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 16 8.1 48.1 18.8 72.1
超急性期脳卒中治療
脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血といった突然に発症する脳卒中は、発症後できるだけ早く専門病院を受診し治療を開始することが大切です。当院では2012年4月より脳卒中センターを開設し、脳血管内科医と協力して、患者様ひとりひとりに応じた最適な治療計画を立案し、必要に応じて脳血管内手術、脳神経外科手術が迅速に施行可能な体制を整えています。さらに看護師、薬剤師、放射線科、理学療法士、作業療法士、言語嚥下療法士、そして医療ソーシャルワーカー等の各種専門スタッフが力を合わせ、集学的な脳卒中チーム医療を推進しています。

脳梗塞
脳梗塞に対して、発症4.5時間以内の超急性期には血栓溶解療法(tPA療法)を積極的に行い、さらにtPA療法適応外症例や無効例に対しては血管内治療(カテーテルによる脳血管内の血栓回収)も行っています。また、それ以降に病院にこられた患者様にも、適切な病態評価の後に最良な医療をご提供することが可能です。亜急性期、慢性期には抗血小板剤療法、抗凝固療法などの内服薬治療に加えて、脳循環動態を評価したうえで頭蓋外-頭蓋内血管バイパス術をお勧めすることがあります。また頚部の高度な頚動脈狭窄病変に対しては頚動脈内膜剥離術(写真)や血管内治療によるステント留置術を行います。

くも膜下出血
くも膜下出血の大半の原因は脳の血管にできたコブ(脳動脈瘤)の破裂が原因です。我々は破裂した脳動脈瘤には原則的に脳動脈瘤頚部クリッピング術を行っています。これは開頭を行い、手術用顕微鏡下に脳と脳の隙間を丁寧に剥離し、破裂した脳動脈瘤に到達し、その瘤の頸部(動脈瘤と正常の血管の境界)に金属製のクリップをかけ再破裂を予防する方法です。

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乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 25 1.0 4.0 0 66.3
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 16 1.0 6.0 0 67.1
当科では、受診された方に、先ずは視触診・マンモグラフィ・超音波検査を行います。そして、必要に応じて細胞診や組織生検を行い、迅速かつ正確な診断とわかりやすい説明を心がけています。また治療の面では、乳がん患者様に対する外科治療として、根治性と整容性の両立を目指した手術を行っており、形成外科担当医(非常勤医)とも連携しながら自家組織またはインプラントを用いた乳房再建も行っています。一方、乳がん治療は手術療法のみではありません。当科では最新のEBM(根拠ある治療)を積極的に取り入れ、抗がん剤やホルモン剤、抗HER2療法を中心とした分子標的治療などの治療も一貫して行っています。さらに放射線科とも協力しながら、放射線治療も行っています。

乳がんの罹患率は年々増加し、現在日本人女性の11人に1人が乳がんになるとされています。また、乳がんの治療は、手術や薬物治療、放射線治療など多岐にわたり、特にその専門性が要求される疾患です。従いまして当科では、他科医師、看護師、薬剤師などとの連携を重視したチーム医療を進めています。セカンドオピニオンとしても気軽にご相談ください。また、一部の乳がんが遺伝に関わることが知られています。遺伝性乳癌卵巣癌症候群を疑う乳がん患者様に対して、遺伝カウンセリングや遺伝子検査にも対応できるようにしております。

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消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 528 0.1 1.0 0 71.5
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 68 4.6 14.7 5.9 79.1  
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 35 1.0 3.7 0 72.3
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 28 1.0 6.8 0 76.6  
K6152 血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術) 27 1.6 8.9 0 80.0  
消化管疾患
消化管領域では、特殊光観察(NBI)や拡大観察、色素内視鏡等を併用した上部消化管内視鏡検査、大腸内視鏡検査を行い、癌や悪性腫瘍の早期発見に努めています。VPPという内視鏡契約システムを採用することにより新規の機器が使用でき、充実した内視鏡診療が効率良く行えるようになっています。
早期胃癌に対する粘膜下層剥離術(ESD)や大腸腫瘍に対する粘膜切除術(EMR)・粘膜下層剥離術(ESD)はもちろん、食道、幽門十二指腸や大腸狭窄へのステント留置などの緩和内視鏡治療にも積極的に対応しています。 また小腸病変に対するカプセル内視鏡やシングルバルーン内視鏡も導入しています。

肝疾患
C型慢性肝炎に対してはインターフェロンフリー治療(DAA製剤)を中心とした治療を行い、B型慢性肝炎に対しては核酸アナログを用いた治療を行なっています。
肝細胞癌のハイリスク症例については定期的に超音波検査、造影CT/MRIを駆使して癌の早期発見につとめています。肝細胞癌の治療は病期および肝予備能により治療法を選択しています。肝切除術が望ましい症例では外科に紹介させていただき、当科ではラジオ波焼灼術(RFA)・肝動脈化学塞栓術(TACE)を中心に治療を行っています。進行肝細胞癌に対しては分子標的治療薬(レンバチニブ、ソラフェニブ等)や免疫チェックポイント阻害剤(アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用)などの薬物療法も積極的に行っています。

胆膵疾患
胆道・膵臓疾患に対しては、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)・EUS-FNAを積極的に行い、胆管・膵臓癌などの診断、閉塞性黄疸に対するドレナージ、ステント留置、総胆管結石の内視鏡的除去を行っています。

炎症性腸疾患
当センターでは潰瘍性大腸炎の方が約300人、クローン病の方が約40人通院されております。従来からの5-ASA製剤、ステロイド製剤、免疫調整薬に加え、病状に応じ最新の生物学的製剤(抗体製剤)も併用し、適切な治療を行えるよう心がけています。

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放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 40.0 0 1.0 0 74.3
IVRセンターを中心に主に血管造影装置を用いた画像下での治療に力をいれています。


放射線治療
院内の呼吸器腫瘍内科や婦人科、乳腺外科、泌尿器科、外科、消化器科、脳神経外科等と連携して幅広い疾患を治療しています。近隣の医療機関の患者様に対する放射線治療も実施しています。症例によっては強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)を駆使した高精度な放射線治療を積極的に取り入れています。頭頚部、体幹部の定位放射線治療(SRT)にも対応しています。また、骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に対するRa223内用療法(ゾーフィゴ)等の放射線内用療法についても実施しています。

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循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 48 0.9 3.6 0 71.3
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 31 3.6 8.9 3.2 72.1  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 31 2.8 6.6 9.7 73.3  
K597-2 ペースメーカー交換術 24 1.6 9.3 8.3 83.1
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 21 3.9 9.0 9.5 81.8
24時間体制で、急性冠症候群、急性心筋梗塞に対して、緊急カテーテル検査、再灌流療法が実施できるような体制をとっています。
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞など慢性虚血性心疾患に関しては、外来にて、非侵襲的に64列MD-CTを用いて冠動脈の形態を診断し、トレッドミル運動負荷心電図や運動/薬剤負荷心筋シンチグラムを用いて、心筋虚血、心筋バイアビリティの有無を診断することにより、必要な症例に対してのみ、入院の上、カテーテル検査を行い、最適な治療を目指しています。中等度狭窄に対してはFFR(冠血流予備量比)を測定し、血行再建の必要性を検討しています。
カテーテル的血行再建術か冠動脈バイパス術かどちらが望ましいかを心臓血管外科とともに検討し、決定しています。

https://osakaminami.hosp.go.jp/section/108/index.html
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.0
異なる 3 0.0
180010 敗血症 同一 26 0.3
異なる 9 0.1
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 0 0
180040 手術・処置等の合併症 同一 34 0.5
異なる 2 0.0
当院では感染症に対する事前の対策だけでなく、入院中や術後発生に対して早期に察知できるようにシステム化しています。
これにより発生した場合の迅速な対応を関係チームで行うことが実現可能になっています。そのため発生頻度が極小に抑えることができ、患者のみならず地域で診療をおこなう開業医の先生方から厚い信頼を得ています。