京都医療センター

内分泌・代謝内科

副甲状腺の病気について

副甲状腺とは?

読んで字の如く、副甲状腺は甲状腺の傍にある小さな臓器です。具体的には甲状腺の裏側、蝶の羽を広げたような甲状腺の羽の四隅に、合計4個ある、それぞれ米粒くらいの小さなものです。とても小さいのですが、ここから全身に向けて、主に骨を溶かし出したりして血液中のカルシウム濃度を上げるホルモンである副甲状腺ホルモン(英語でparathyroid hormone: PTH)を出します。

副甲状腺機能亢進症、続発性副甲状腺機能亢進症

副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態であり、過剰な副甲状腺ホルモンによりカルシウム−骨に異常を来します。自律的に(勝手にコントロールされないで)副甲状腺ホルモンが過剰産生される原発性と、低カルシウム血症などが原因で起こる続発性があります。
原発性副甲状腺機能亢進症の原因は副甲状腺の良性腫瘍(副甲状腺腺腫)のことが多く、高カルシウム血症、骨の異常や、尿路結石が起こります。続発性は慢性腎臓病によるものが多いです。
原発性副甲状腺機能亢進症の治療は、原因が良性腫瘍なら手術でそれを摘出すれば治癒します。当院では、耳鼻科医師が手術をおこないます。ただ、程度の軽いものになりますと、手術をしないで様子をみたりするケースもあります。続発性副甲状腺機能亢進症に対しては、副甲状腺ホルモンの分泌調節に重要なリンのコントロールをはじめとする内科的な治療がおこなわれます。