サンデー健康応援講座
緩和ケアって何?
緩和ケア 認定看護師 木島 政代(きじま まさよ)
がんは、日本人の死因で最も多い病気です。現在、2人に1人ががんと診断され、3人に1人ががんで亡くなっています。 このように身近な病気になった、がん。あなたの大切な方も、がんで悩んでいるかもしれません。 がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。
緩和ケアとは、がん患者さんの苦痛を取りのぞき、患者さんとご家族にとって、自分らしい生活を送れるようにするためのケアです。
緩和ケアを受けると、こんなメリットがあります。
がん治療中に経験する苦痛を伴う症状(吐き気、嘔吐、痛み、倦怠感など)が緩和され、がん治療に取り組む力がわいてきます。
患者さんやご家族の不安や心配事など、心のつらさをやわらげるために緩和ケアのスタッフがお手伝いをします。
がんと診断されたことによる社会的差別(就職・解雇問題など)への対応について、スタッフが一緒に考えます。
緩和ケアは、がんと共生することを可能にします。
以下に主な緩和ケアの内容を紹介します。
1、痛みなどのつらい症状を取り除くケア
① 痛みを取り除く
② 痛み以外の様々な症状を取り除く
2、日常生活を取り戻すケア
① 食事を楽しむケア
② 苦痛や不快感を最低限にするための排泄のケア
③ 夜にぐっすり眠れるようにするケア
④ 好きな姿勢をとったり、自然な体位や寝返りをうつケア
⑤ からだをきれいに保つケア
⑥ 患者さんにとって心地よい環境を提供するケア
3、こころのふれあいを大切にし、元気になるケア
4、ご家族へのケア
5、ご自宅でも、緩和ケアを受けられるようにするなどがあります。
今回は、緩和ケアにも活用できる小さなリラクゼーションとして、
5分程度で気軽に行えるハンドケアマッサージを参加者の皆さんで実践させていただきました。
手の温もりを感じ、気持ちを穏やかにすることで、副交感神経を刺激し、リラックスした状態へ導きます。
そのようなことが、痛み、症状緩和につながっていくので、是非手の温もりを感じながら、日常生活を過ごしていただきたいと願っています。