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サンデー健康応援講座


食道がん治療


外科医師 北原 正博(きたはら まさひろ)


食道とは喉の奥から胃の入り口までをつなぐ長さ約25cmの管で、口から胃までの食物の通り道です。 食道癌はその食道にできる悪性腫瘍になります。喫煙・飲酒と食道癌の発生には密接な関係があり、 喫煙(1日20本)で約3.9倍、飲酒(1日2合)で約4.5倍のリスク、両者で約50倍のリスクといわれています。 また、少量の飲酒でも顔面紅潮、動悸、嘔気をきたすフラッシャーと呼ばれるかたは、 アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドの分解酵素の遺伝子活性が変異欠損していて、飲酒量が多い場合は発がんの高リスクとされています。


食道がんと喫煙・飲酒


食道癌の治療方針は部位、進行度、全身状態により決定され、内視鏡治療や外科治療、抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせて治療を行います。 粘膜内の癌(早期がん)であれば低侵襲に内視鏡でがんを含めた粘膜を切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が適応になります。 進行癌では外科手術や化学放射線療法が適応になります。 食道癌の標準的な手術方法は頸部、胸部、腹部を切開し切除する開胸開腹手術となり体への侵襲の高い治療方法となります。 そこで侵襲を低減する内視鏡外科手術(胸腔鏡下、腹腔鏡下手術)が近年食道切除術にも用いられており、保険収載もされその比率は年々上昇しております。 内視鏡外科手術はその侵襲低減効果ばかりでなく拡大視効果により繊細で精度の高い手術が可能となります。




がんと栄養

当院では胸腔鏡下手術を進行癌も含めて適応としております。 一方、直接臓器を触れず時間を要し、進行癌ではより難易度が高いため経験や知識が豊富な専門施設で行われるべき治療法になります。 食道癌の術前術後は栄養管理やリハビリをはじめ多職種との協力による周術期管理が必要になります。 当院は日本食道学会から認定を受けた食道外科専門医準認定施設であり、食道外科専門医が在籍し診療にあたっております。 食道癌は進行しやすい病気で難易度の高い手術が必要です。食道癌の疑いがあったら、すぐに専門病院への受診をお勧めします。








受付時間 8時30分~11時30分
休診日 土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始(12/29~1/3)

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