サンデー健康応援講座
脳卒中の危険信号とその予防
脳卒中リハビリテーション 認定看護師 原田 高志(はらだ たかし)
もしあなたの大切な人が目の前で脳卒中になったとします。それも、明らかな急変ではなく「しゃべりにくい」「右手がしびれる」くらいの判断に迷う症状だとします。あなたはどう対応しますか?
当センターの救急外来に運ばれてきた脳卒中患者さんやその家族の話を聞くと「家族が帰ってくるまで待っていました」「一晩様子を見ていました」そう考える方が多いようです。しかし、それは間違っています。現代の脳卒中治療では、一分一秒でも早く病院に来ることで受けられる治療があるんです。障害を減らすことができる可能性があるんです。
脳卒中患者さんが病院に早く到着できた共通点は3つ!!
①救急車を呼んでいる(決して自分で運転してはいけません)
②かかりつけ医を介さない(脳卒中に関してだけは直接来てください)
③脳梗塞の血栓を溶かす血栓溶解療法があることを知っている(発症から4.5時間以内しか使えません)
の3つです。
実際のときは、急変で混乱することが予想されますので、今この場で3回繰り返し声に出して覚えてください。脳卒中を予防することはもちろん大切です。血糖値、高血圧、脂質異常、喫煙、肥満、脱水、寒暖の差、服薬管理など、改善すればするほど予防効果があることが、すでに多くのデータで裏付けが取れています。
脳卒中予防と発症時の迅速な対応。これからもあなたや大切な人が健康で楽しい日々を送るために正しい選択をお願いします。