臨床検査科このページを印刷する - 臨床検査科

2024年4月1日掲載

 

臨床検査科部長 髙木 正之

臨床検査科部長 髙木 正之

 聖マリアンナ医大病理学特任教授で、2020年4月より当院に出向しました。「生命を大切にし、社会から信頼され、よろこばれる、高度で適切な医療を提供する」という病院の理念の実践に貢献したいと願っています。
 臨床検査部は常勤医師1名と臨床検査技師20名(非常勤2名)により日常業務から、夜間・休日は当直体制で緊急検査に対応しています。生化学・血液・免疫・一般・輸血・細菌・病理・生理検査の主要な検査を実施し、特殊検査などは外部委託しています。外来患者さまの採血は主に臨床検査技師を中心として、看護師、医療事務と共に運営しています。
 各種認定資格取得状況は、細胞検査士2名、認定病理技師1名、緊急臨床検査士1名、2級臨床検査士4名、超音波検査士(消化器)2名、(循環器)1名、 (体表臓器)1名、(血管)1名、臨床神経生理学会専門技師(筋電図、神経生理分野)2名、臨床神経生理学会専門技師(脳波分野)1名、認定臨床微生物検査技師1名、感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)1名、の有資格者が専門性を発揮し、質が高く、正確、迅速な検査結果の提供に努めています。(2024年4月現在)

検体検査

    患者さまから採血した血液から、血清中の生化学的な検査、各種の感染症などの免疫血清検査、血球成分の検査、凝固因子の検査及び輸血検査(交差適合試験、血液型、不規則性抗体検査)輸血用血液の払い出しを行っています。他に尿、便、胸水、腹水、髄液、その他の穿刺液を用いて各種検査を行っています。
 2011年10月より稼働した電子カルテシステムにより、迅速な検査データを提供できるようになりました。検体が検査室に到着後、一時間以内に結果報告できるように日々努力しています。
 

検査項目基準値一覧

採血室

    採血室は診療棟2階に設置してあり、主に外来患者さまの採血、採尿、採便の受付を行っています。
 安心・安全・間違いのない採血のため、患者さまにフルネームで名乗って頂き、細心の注意を払って実施させていただいております。
 また、出血時間という出血が何分で止まるかの検査も実施しています。耳朶(耳たぶ)を少し切って調べます。凝固異常、血小板の機能異常を調べます。

採血室

採血

臨床検査科フロアガイド



生化学検査

    肝機能(AST、ALTなど)腎機能(UK、クレアチニン)糖代謝機能(グルコース、ヘモグロビンA1cなど)などの検査のほか、ヘリコバクターピロリ菌の検査として尿素呼気試験、血液中の酸素、二酸化炭素の量を調べる血液ガス分析を行っています。
 また、各種感染症(HBV、HCV、HIV、TP)の抗原や抗体、甲状腺ホルモン(TSH、FreeT3、FreeT4)、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、AFP、PSA)、心肺機能を調べるBNPや高感度トロポニンも測定しています。
 1日に250~300件程度の検査を行い、その8割は至急検査です。

生化学

生化学

生化学


血液検査

    血球算定、凝固検査、赤血球沈降速度等を測定しています。
 血液成分(赤血球、白血球、血小板等)を全自動血液分析装置で貧血や血液の異常について分析します。必要があれば血液をスライドガラスに塗り染色し顕微鏡で観察して貧血、白血病、感染症などを調べます。
 凝固検査は肝臓で作られる凝固因子という物質が血管内で機能しているかを検査し、異常があると出血が止まらなかったり、血管内で血栓が発生することもあります。心筋梗塞、脳梗塞を予防する薬が適正量であるかの確認で用いられています。
 赤血球沈降速度は炎症性疾患、自己免疫疾患等の免疫異常の簡便な検査です。

血液

血液


尿一般検査

    尿中の蛋白・糖・潜血などをテストテープで検査し、顕微鏡で尿中の白血球・赤血球・円柱等を観察し、腎臓、膀胱等の状態を調べます。また大腸がんの早期発見のために便中の潜血反応も実施しています。
 胸水、腹水、髄液、その他の穿刺液も検査しています。
 

尿一般

尿一般


輸血検査

    輸血関連検査は、ABO、Rh、血液型、不規則抗体スクリーニング、直接抗グロブリン試験、交差適合試験など基本的検査を中心に血液型亜型同定、不規則抗体同定、赤血球解離試験などより詳細な精密検査も実施しています。その他の検体検査同様、迅速な結果報告に対応しています。
 当院は地方循環器病センターに指定されていることもあり、輸血療法を行う機会も多く適正な輸血が実施できるよう支援しています。血液型検査につきましては、ひとりの患者さまに2回以上実施させて頂いており、血液型間違いによる医療事故を起こさないためにも、ご理解をお願いいたします。
 

輸血

輸血


細菌検査

    発熱や腫れなど細菌感染症が疑われる患者さまの材料(喀痰、尿、糞便、膿等)から感染症の原因となる細菌がいるかどうか、顕微鏡で観察したり、寒天培地で培養して検査します。病原菌に有効な抗菌薬を選択する為に薬剤感受性試験を行っています。インフルエンザウイルス、デング熱やノロウイルスなど、通年流行るウイルスの抗原検出の為に簡易キットを用いた迅速検査を実施しています。
 また、感染対策室と協力し、病院内の感染管理に役立つ情報をいち早く提供することも細菌検査室の役割の一つです。
 

細菌

細菌


生理検査

    患者さま自身を対象とし、各種臓器の機能や形状を精密機器を使って測定する検査です。
 心電図検査(ホルター心電図、マスター心電図、トレッドミルによる負荷心肺機能検査等を含む)、脈波図検査(ABI、指尖脈波検査)、呼吸機能検査、脳波検査、聴力検査(標準純音検査、語音検査、チンパノメトリー等)、平衡機能検査、筋電図検査、神経伝達速度検査、心エコー、腹部エコーをはじめとする各種超音波検査などがあります。
 生理検査室は2階 患者図書室『いずみ』の向かい、緑の丸い看板が目印です。
 

生理

生理


輸血部

 輸血責任医師の下に血液療法委員会での検討事項を実施するとともに、輸血に関連する血液型検査などのほか、血液製剤の事務的管理も含めて一括管理を行い、集中的に輸血に関する全ての業務を実施・支援しています。
 輸血部には専従の臨床検査技師が在籍し、夜間休日なども含め24時間体制で臨床検査技師が担当しています。
 また当院は貯血式や希釈式・回収式等の自己血輸液も実施しており保管管理も行っています。

医師紹介

                        
氏名 役職 専門医・指導医 出身大学
髙木 正之 臨床検査科部長 病理専門医・指導医 聖マリアンナ医科大学