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病院のご案内

倫理審査委員会

倫理審査委員会 平成30年1月10日(水)

申請者 企画課 岩崎 佳介
課 題

DPC・JANISデータを用いた抗菌薬使用状況と耐性菌発現状況の関連性評価

課題の概要

本研究では、「厚生労働省院内感染サーベイランス事業検査部門データ(以下、JANIS検査部門データ)」と「DPCデータ」を医療施設・診療月毎に突合して、以下の解析を実施します。
●「抗菌薬の使用状況」と「耐性菌の発現状況」を施設別・月別に集計し、その相関関係から、抗菌薬の適正使用が耐性菌の防止にどの程度貢献できるかを統計学的に検証します。
●施設別の抗菌薬の使用状況を定量化・可視化し、施設間比較を実施可能なベンチマーク分析結果をフィードバックすることで、フィードバック後に抗菌薬の使用状況が進むかどうかを検証します。
本研究が順調に成果を挙げることができた場合には、抗菌薬の適正使用に問題意識をもっておられる感染対策担当者様にとっては、「(1)抗菌薬の適正使用により耐性菌を防止できる」「(2)自施設の抗菌薬の使用状況が他施設に比べて改善の余地がある。」の2つのエビデンスを得ることができると考えられます。これらエビデンスは、診療部門と抗菌薬の適正使用について検討する際に提示可能な資料として活用できると期待されます。

判定 承認 本審査は、迅速審査にて承認された。

申請者 外科 中村 亮太
課 題

肺がん手術症例に対する術前サルコペニアの意義

課題の概要

高齢化社会を迎え、肺がん手術症例の平均年齢も当院でも70歳を超えてきた。高齢者を対象とする場合、術後合併症の増加や術後のADL低下が懸念される。術前に、”元気度”を把握することは重要な因子と考える。近年、サルコペニアとよばれる病態が注目されている。サルコペニアとは骨格筋量の減少・筋肉の質の低下であり、高齢者のADL低下と関連している。主に消化器癌で、このサルコペニアを術後合併症や予後因子として注目されはじめてきているものの、肺がん領域では後進している。また、骨格筋量の低下をCTで評価する方法が考案され、臨床応用できる可能性がある。そこで、今回肺がん手術症例のうち、術前診断で撮影されたCTの結果を用い、骨格筋量の低下と予後について後ろ向きに比較検討し、サルコペニア診断の有用性について検討する。

判定 承認 本審査は、迅速審査にて承認された。

申請者 看護部 小沼 一江
課 題

集合研修 OJTの連携を図るための教育担当看護師長の役割と課題
 ~病棟看護師長の集合研修に対する意識・実践調査の考察~

課題の概要

同一機構に所属する関東地方の病院は、自施設の看護部の教育の役割を担う教育担当看護師長を配置している。教育担当看護師長には、看護職員能力プログラムに基づき、系統的な教育の企画と運営を行い支援することと、集合研修を企画し機会教育と統合できる教育を企画運営する役割がある。集合研修で必要なことは、実践につなげていくためのOJTとの連携である。集合研修をOJTにつなげていくためには、各部署の看護師長の研修への意識やスタッフへのかかわり方が影響すると考えられる。今回、これらのことを調査することにより、病棟看護師長との連携、教育担当看護師長としての役割行動の示唆を得ることができる。

判定 承認 本審査は、迅速審査にて承認された。

申請者 救急科 土谷 飛鳥
課 題

日本外傷データバンクへの外傷患者登録と登録データを用いた臨床研究

課題の概要

外傷は子供や若年層の死因の第 1 位、2 位を占め、社会的損失の大きい健康問題です。外傷の診療の質を評価し、向上させることは外傷による死亡率を低下させるために重要です。本研 究では、外傷診療にかかわるデータを全国の医療施設(主に救命救急センター)から収集し、 各医療施設の診療の質評価や、診療行為の効果を評価するための分析を行います。施設ごとのデータを全国データと比較することにより、各施設の診療の現状を評価することが可能になり、 診療の質向上に寄与することができます。さらに、集積されたデータを分析することにより、診療行為の効果や診断の精度を評価し、外傷診療システム全体の向上に寄与することが期待できます。添付資料の主管校の研究計画書と同様に行います。

判定 承認 本審査は、迅速審査にて承認された。

申請者 6階東病棟看護師 安藤 ルミ
課 題

口腔粘膜障害予防のための有効なアイスボールの検討~クライオセラピー時の不快症状の緩和を目指して~

課題の概要

口腔粘膜障害による炎症や疼痛は、食事や会話に支障を来たし闘病意欲の低下やQOLの低下につながり治療の妨げになることが考えられる。当院血液内科では、口腔粘膜障害を生じやすい薬剤であるエトポシドやメソトレキセートを使用して治療を行う場合がある。当病棟では粘膜炎を予防するためにアイスボールによる冷却刺激によって口腔粘膜の末梢血管が収縮し、薬剤が口腔内に分布し作用することを防ぐことができるクライオセラピーを投与開始から投与終了2時間後まで実施している。クライオセラピーを長時間行うことで、無味、冷感など患者への心身のストレスを与えていると考えられる。
今回、味が無味であるという点に焦点を置き、アイスボールの味を変化させることによって治療によるストレスのひとつを取り除くことができるのではないかと考えた。そこで、味が無味のアイスボールを甘味成分・柑橘類の香料や味が含まれる飲料水でアイスボールを作成することで、クライオセラピーでのストレス緩和につながるかを検証していきたい。

判定 承認 本審査は、迅速審査にて承認された。

申請者 7階西病棟看護師 中嶋 杏奈
課 題

口腔ケア介助を要する患者への病棟看護師の認識

課題の概要

水戸医療センター7階西病棟(以下、当病棟とする)は神経疾患患者が多く入院する病棟である。これら患者は、神経疾患による運動機能低下や意識障害、嚥下機能低下を有するため経管栄養や中心静脈カテーテルを使用することが多い。また、患者は筋力低下が著名でADL低下があり、病棟看護師は口腔ケアを介助することが多い。保田ら1)は、病棟看護師による口腔ケアへの介入についての研究の中で、実施前のアンケート結果より、看護師それぞれがケアの重要性を認識しながらも、「他の業務が優先され、結局、実施しないで終わってしまう事がある」と述べている。当病棟でも口腔ケアについて、各勤務帯での実施を心がけているものの実際は看護師個人の判断に委ねられているため、確実な実施に至っていない現状がある。そのため、患者の口腔ケアに対する認識の違いによって、その程度に差が生じているのではないかと考えた。
 今回、看護師による重症度、医療・看護必要度の高い患者への口腔ケアの優先順位や業務に対する認識についての現状を明らかにし、問題点を検討することで、見直しを図り実践に結び付けられる方法を考えていく。また、当病棟にあった口腔ケアの方法、回数、代替えを学ぶことで患者の口腔内の保清に繋がるのではないかと考えた。

判定 承認 本審査は、迅速審査にて承認された。

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