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倫理審査委員会

倫理審査委員会 平成25年 6月12日(水)

申請者 消化器科医長 石田 博保
課 題

吸入用一酸化窒素ガスの保険適応外の臨床使用

研究の概要

75歳以上で手術切除が不可能な転移がある大腸がん、もしくは大腸がんの手術後に切除不可能な再発を認めた方が対象となります。この場合に抗がん剤治療(化学療法)を行うことで、緩和治療(がんを直接治療せずにがんによる症状を抑える治療)のみを行う場合よりも延命の期間が延長することが証明されています。また、がんの増殖を抑えることができれば、がんが引き起こす痛みなどの症状を結果的に抑えることが出来ます。                                    化学療法の中心は、フルオロウラシル(5-FU)系のお薬で、5-FU系のお薬を中心に、いくつかのお薬を組み合わせて使うのが一般的で、FOLFOX(フォルフォックス)とよばれる5-FUの注射とレボホリナートカルシウム、オキサリプラチンの3剤併用療法やFOLFIRI(フォルフィリ)とよばれる5-FUの注射とレボホリナートカルシウム、イリノテカン塩酸塩水和物注の3剤併用療法に分子標的薬のベバシズマブを併用する治療法が標準的な治療法のひとつですが、副作用が強く出現してしまう可能性があります。このような強力な治療の実施が難しい患者さんには、5-FU系のお薬にベバシズマブ(アバスチン)を併用する治療法が推奨される治療法の一つです。ベバシズマブは5FU系のお薬と組み合わせて使うことで、がんの進行を遅らせ、延命効果があると報告されています。5-FUは注射剤の他に、これを飲み薬にしたテガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ)、テガフール・ギメラシル・オテラシル配合剤(TS-1:ティーエスワン)、カペシタビン錠(ゼローダ)といったお薬もあります。                                        年齢や合併症を考慮して、毒性の少ないことが期待される5-FU系のお薬とベバシズマブの2剤併用療法が推奨される治療法の一つと考えられます。今回の臨床試験では、飲み薬のティーエスワンの隔日投与法と点滴のベバシズマブを組み合わせた新しい治療法について効果と安全性を検討します。一般的にティーエスワンで治療する場合、4週間飲んで頂き、2週間内服をお休みするスケジュールを1サイクルとして繰り返す方法で治療が行われますが、このスケジュールだと患者さんに辛い食欲不振、下痢、疲労等の副作用がしばしば報告されます。そこで、最近、このお薬の効果を落とすこと無く副作用を軽減する治療法が検討され、月・水・金・日曜日に服用する隔日投与法がその可能性のある治療法として考案されました。今回の試験は、ティーエスワンとベバシズマブという市販の抗がん剤2剤を組み合わせた新しい治療法について、安全性と有効性を確認することを目的に行われます。

判定 承認 本審査は、全員一致で承認された。

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