臨床研修

各科カリキュラム

 

静岡医療医センター 急性期部門(必須研修の部)

麻酔科・集中治療部初期臨床研修

 

当院麻酔科は臨床研修医制度設立の主旨にそって、全ての診療科に進まれる研修医を

対象とした教育を行います。

()  心肺蘇生に必要不可欠な知識と技術、

()  他科では修練しにくく内科では必須のくも膜下腔穿刺を患者様に苦痛無く、安

全、確実にできるようになることの2点を最低限の習得技術として保証します。

 

A) 研修期間
  必須科目の3ヶ月間(ICU、救急外来診療、細菌検査研修を含む)

    

B) 指導医:

麻酔科部長   小澤章子  日本麻酔科学会認定指導医

麻酔科医長   今津康宏  日本麻酔科学会認定指導医

 

C) 研修内容

・麻酔科・集中治療部

(1)急性期(急激な全身状態の変化を生じる可能性のある時期)における全身管理

のうち侵襲的モニタを含めた基本的観察、判断、対応能力を習得する。

(2)心肺蘇生の基本技術を取得する。

(3)一般診断能力の基本的観察項目のうち特に呼吸、循環動態について生体モニタ

が無い状態での判断能力を養成する。

(4)安全で患者様の苦痛を最小限にしたくも膜下腔穿刺技術を取得する。

・緩和ケア
 (1)WHO方式に応じた疼痛管理を行う。

・救急外来

(1)日常診療で遭遇する一般的な病態、疾病を診断し、治療する基本的能力を習得

する。

(2)各科の救急外来対応医の指導下に行う。

(3)細菌検査のグラム染色法および判定を習得する。

 

D)到達目標

1)全身状態の観察、評価・判断・対応

 (1)観察

①安定期(急激な変化が発生していない時期)

        基本呼吸観察項目(発語の状態、視診:型・数・異常の有無、聴診、触診)を正

確に観察、評価でき、表現できる

        基本循環動態観察項目(発語の状態、視診:頸静脈の状態・静脈系の異常な怒張と

収縮・頸動脈側頭動脈の拍動有無、触診)を正確に観察でき、表現できる

        水の状態(皮膚所見、舌所見、尿量、病歴など)を観察、評価でき、表現できる

②急性期

        呼吸状態について基本観察項目、人工呼吸器の生理的データ、呼気終末炭酸ガス

分圧、経皮酸素飽和度、血液ガスデータが正常範囲内にあるかを含め把握し、表

現できる

        循環動態について観血的動脈圧、肺動脈圧、中心静脈圧、指先脈波を正確に把握

し、正常範囲内にあるかどうかを含め表現できる

        尿量、尿比重および生化学、循環動態など腎機能に関するデータを正確に把握し、

正常範囲内にあるかどうかを含めて表現できる

 

 (2)判断

 ・呼吸状態に関する全てのデータから安定しているか、悪化するかどうか、気管挿管

および機械による呼吸補助が必要かどうかについて表現できる

・循環動態に関する全てのデータから安定しているか、悪化するかどうか、昇圧薬、

降圧薬、血管拡張薬の必要性について意見を述べることができる

・尿に関する全てのデータから正常範囲内か、腎不全があるか、腎不全があるとすれ

ば腎前性か、腎性か、腎後性かについて意見を述べることができる

 

 (3)対応

・心肺蘇生が必要な状態かどうか判断し、実施できる。
・特に、気道管理の方法を習得する。

    一人で安全で確実なマスク換気を行える。

マスク換気の長所短所、合併症を知り、安全に行うことができる。

マスク換気が有効かどうか、判断できる。

一人でマスク換気ができなかった場合の対処方法をとることができる。

    一人で安全で確実な気管挿管を行える。

     気管挿管の長所短所、合併症を知り、安全に行うことができる。

     気管挿管に要する時間を意識して行える。

気管挿管ができなかった場合の対処方法をとることができる。

 

2)くも膜下(腔)穿刺

(1)脊髄くも膜下穿刺の適応と禁忌、合併症を述べることができる。

(2)解剖

 ・基本的知識を有している

・単純腹部レントゲン写真、CT,MRIなどから正しい穿刺部位・アプローチの方法

を予測することができる。

(3)実施

・くも膜下穿刺を清潔操作下に、正しい体位で安全に苦痛なく穿刺できる。

(4)合併症への対応

   ・くも膜下穿刺の合併症を知り、診断と治療を行える

 

E)研修内容

(1)手術室での麻酔

手術前日のコンサルト:指導医が担当

術前評価、合併症の有無とコントロール状況、麻酔管理上の問題点、麻酔方法に

ついて説明し、当日のシミュレーションを行う。

術後回診:病棟、ICUの術後の状態を観察し、病態を把握し、必要な処置を行う。

      緊急手術の麻酔:限られた時間、情報から、麻酔管理上の問題点を把握し、

管理を行う。

(2)ICU回診:毎朝7:35から、麻酔科、救急・集中治療部の回診を行う。身体所

見から病態を把握し治療方針を検討する。

ICUカンファランス:毎朝8:15から、各診療科合同カンファランスを行ない、

病態の評価、治療方針を検討する。

(3)抄読会:月に1回、担当する。

(4)症例検討会

(5)院内救急対応:救急蘇生時には、積極的に参加する。

(6)研修項目―レクチャー、ミニレクチャー項目(当院臨床研修プログラムから麻酔科・

集中治療部で履修予定項目を抜粋)

 

麻酔科

日付

指導医

モーニングレクチャー

5)  呼吸管理

 

 

A)診察

A)-11)術前評価

 

 

B)検査

B)-b) 動脈血ガス分析の読み方

 

 

 

B)-h) 肺機能検査

 

 

C)手技

C)-①  気道確保、気管挿管

 

 

 

C)-② 人工呼吸、人工呼吸器の使い方

 

 

 

C)-④ 圧迫止血法

 

 

 

C)-⑥ 注射法

 

 

 

C)-⑦ 採血法

 

 

 

C)-⑧ 穿刺法(腰椎)

 

 

 

C)-⑨ 導尿法

 

 

 

C)-⑩ ドレーン・チューブ管理

 

 

 

C)-⑪ 胃管の挿入と管理

 

 

 

C)-⑫ 局所麻酔法

 

 

 

C)-⑬ 創部消毒とガーゼ交換、清潔と不潔

 

 

 

C)-⑱ 静脈路確保

 

 

 

C)-⑲ 観血的動脈ライン挿入

 

 

 

C)-⑳ 中心静脈路確保

 

 

D)治療

D)-う)輸液管理

 

 

 

D)-え)輸血について

 

 

 

D)-か)緩和医療

 

 

 

D)-き)災害医療

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

F)達成度評価―別紙