非結核性抗酸菌症/非定型抗酸菌症


非結核性抗酸菌症とはなにか?

結核は, 昔から知られている強力な伝染病で, 今でもたくさんの人の生命を奪っています.
しかし, 結核菌の親戚のような菌で非結核性抗酸菌という菌があります.
今, 日本ではこの非結核性抗酸菌による感染症, 非結核性抗酸菌症もじつは密かに増加しています.
結核症は今日本で毎年約35000人発病していますが, 非結核性抗酸菌症は毎年約2000人ないし3000人が発病していると考えられています.

非結核性抗酸菌は, 結核菌とそっくりなので, 最初は「あなたは結核です.」と言われることがしばしばあります. しかし, 非結核性抗酸菌症は結核のようにどんどん進行することはあまりなく, 結核と違って他人へうつることはありません.
非結核性抗酸菌は結核と違って何十種類もの菌がありますが, 日本の非結核性抗酸菌症の7割くらいはMAC(Mycobacterium avium-intracellulare complex)と呼ばれる菌でしめられています.

では, このMACと呼ばれる菌でどんな病気が起きるのでしょうか?

大きく分けて二つのタイプがあります.
一つは, 昔結核にかかり, 肺に空洞などの壊れた部分がある人に起きるものです.
咳や痰がでて微熱もあり, 又結核が再発したのかと思ってよく調べると非結核性抗酸菌症だったというものです.
もう一つは, どうしてかまだ理由がわかっていませんが, 特別の病気もなかった中年過ぎの女性の方に多いタイプで, たいてい血痰で始まります. そのうち頑固な咳や痰が増加し微熱もでてきます. レントゲンを撮ってみてもわずかな影しかなく, 多くは慢性気管支炎とか気管支拡張症などの病名をつけられていますが, ふつうの薬ではちっとも良くなりません.

東京病院では,入院患者で見ると非結核性抗酸菌症の新しい患者さんは約10年前では年間約30人診ていましたが最近は年間90人と3倍以上に増え, 約700人の患者さんを診, 日本で有数の非結核性抗酸菌症を診て, 内科的外科的な治療や 多くの研究を行っている施設です.

では, 治療はどうするのでしょうか?

世界中で研究中ですが, これが最も困った問題なのです.
結核菌の親戚ですから結核に用いるのと同じ様な薬を多く使います.
しかし, 結核と異なって現在非結核性抗酸菌症に確実に効く薬はまだありません.
結核菌より病原性は弱い菌ですが, 結核よりはるかに頑固な菌なのです.
早い段階で発見されれば外科的に病気の部分を切除するのが最も効果的な場合もあります.
内科的には, 結核に使う薬を中心に3種類や4種類の他の色々な薬の組合せで何とか軽くすることに精一杯の努力をします.
どんな病気もそうですが, 早く発見すれば治療もよく効きます.

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最終更新日 2001/11/12

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