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国立病院機構 東京病院

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外来診療予約センター

Tel.042-491-2181

喘息・アレルギー・リウマチセンター

対象疾患

1.アレルギー科

1)気管支喘息

 アレルギー科で扱う主要な疾患です。日本アレルギー学会作成の最新の喘息治療ガイドラインに基づいて治療をいたします。喘息は、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返すことが特徴ですが、気管支喘息という診断が難しい場合もあります。気管支喘息と紛らわしいものとしては、発作性の咳のみが症状の「咳喘息」や、のどのむずむず感や痒みによって咳が出る「アトピー咳」という病気があります。また、かぜをひいた後に空咳だけが1ヵ月も2ヵ月も長く続く患者さんもいます。目安として2週間以上、咳が続くようでしたら、喘息・アレルギー・リウマチセンター(アレルギー科)を受診してください。アレルギー科では、気道可逆性検査や気道過敏性検査、呼気中一酸化窒素(FeNO)測定などの検査により、気管支喘息であるのか、また、違う病気であるのか確定診断を行います。

気管支喘息の治療は、吸入ステロイド薬、または吸入ステロイド薬と長時間作用性気管支拡張薬の配合薬による吸入療法が主体となります。当センターでは、最新の喘息治療ガイドラインに沿った治療を行っていますが、治療に難渋する重症の患者さんに対しては、IgE、IL-5、IL-4/IL-13などに対する生物学的製剤の注射や、全く新しい治療法である気管支サーモプラスティを数多く行っています。

2)アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎

 風邪でもないのに、くしゃみ・鼻水が長期間続けて、あるいは、切れ切れに続く。このような場合にはアレルギー性鼻炎の可能性があります。また、鼻づまりや、「においがわからない」ことを症状とする場合もあります。アレルギー性鼻炎には慢性副鼻腔炎(蓄膿症)や鼻茸(はなたけ)を合併することがあり、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎と言われます。また、気管支喘息や他のアレルギー疾患に合併することが多いですので、このような方は、喘息・アレルギー・リウマチセンター(アレルギー科または耳鼻咽喉科)を受診してください。

3)花粉症

 毎年2月から4月にかけて目のかゆみと鼻水・くしゃみを症状とするスギ花粉症が有名ですが、ヒノキ花粉により5月の連休明けまで続くことも多く、また、最近ではカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなどのイネ科雑草の花粉症も増加しています。秋のブタクサ、ヨモギの花粉症も増えています。喘息・アレルギー・リウマチセンターのアレルギー科あるいは耳鼻咽喉科を受診してください。

4)アレルギー性結膜炎

 上記の花粉症を原因とする以外にもアレルギー性結膜炎の原因には種々のものがあります。花粉症で目の症状が特に強い場合、季節に関わらず眼科疾患が疑われる場合は、眼科を受診してください。

5)食物アレルギー

 食べ物によるアレルギー症状は、成人では小児より少数ですが、時には重症化することもあります。成人に多いものには、ソバ、エビ、カニなどがあります。花粉症の人が、リンゴや桃などの果物を食べると口の中が腫れることがあり、「口腔アレルギー症候群」と呼ばれています。食事の後運動することで症状が重篤化する「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という病気もあります。ただ、当院では食物負荷試験は行っておりません。

6)アナフィラキシー

 食事をしたり薬を飲んだ後、急速に(数分~数時間)、皮膚や粘膜の症状(じんましん、かゆみ、目や唇のはれ)があらわれ、さらに、呼吸器の症状(呼吸困難、ぜいぜい、のどが詰まった感じ)あるいは血圧の低下などの循環器の症状、腹痛や嘔吐、下痢などの消化器の症状、意識低下などの神経の症状が出現する場合をアナフィラキシーと言います。血圧が低下し、意識低下のみられる場合をアナフィラキシーショックと言います。アナフィラキシーの原因は、食物が多いですが、ハチ毒や薬剤などは致死的となることもあります。アレルギー科では種々の検査を行うとともに、緊急時に自己注射に用いる「エピペン®」の処方を行っています。

7)薬物アレルギー

 薬物によるアレルギーは、薬物の副作用と混同されることがしばしばです。皮膚における薬の副作用は薬疹(やくしん)の形をとることが多く、一過性の湿疹や蕁麻疹はアレルギー症状のこともあります。

8)喘息以外のアレルギー性肺疾患

 気管支喘息に関連する、あるいは症状が似ている疾患には、アレルギー性気管支肺アスペルギルス(真菌)症:ABPA(M)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(以前、チャーグ・ストラウス症候群と言われていた疾患)、過敏性肺炎、好酸球性肺炎などがあります。また、薬物アレルギーに肺浸潤を伴うものがあります。これらの疾患では呼吸器内科と共同して診療していきます。

9)アトピー性皮膚炎・蕁麻疹

 アレルギー性疾患での皮膚科の重要性は大きいものがあります。現在、皮膚科の医師不在のため、ご迷惑をお掛けしますが、適切なアレルギー検査を行った上で、必要に応じて専門性の高い皮膚科医師を紹介しています。喘息・アレルギー・リウマチセンター(アレルギー科)で対応可能な場合には症状に応じて可能な範囲で治療を行います。 

10)その他の疾患

 「自分がアレルギー体質か知りたい」、「今の自分の症状がアレルギーによるものかわからない」という患者さんは遠慮なく受診して下さい。ご希望に添えるように最善を尽くします。

2.リウマチ科

 リウマチ科の対象疾患(一部)を列挙します。
関節リウマチ/リウマチ性多発筋痛症/全身性エリテマトーデス/多発性筋炎/皮膚筋炎/強皮症/混合性結合組織病/シェーグレン症候群/ベーチェット病/結節性多発動脈炎/顕微鏡的多発血管炎/多発血管炎性肉芽腫症/好酸球性多発血管炎性肉芽腫症/大動脈炎症候群/側頭動脈炎/巨細胞性血管炎/乾癬性関節炎/強直性脊椎炎/掌蹠膿疱症性骨関節症/RS3PE症候群/成人発症型スチル病/反応性関節炎/再発性多発軟骨炎/IgG4関連疾患、他
以上、対象疾患を挙げさせていただきましたが、リウマチ膠原病に関する共通の現象(症状や検査結果)について述べるならば、以下のようになります。


1)原因不明の全身症状が続いている。例:発熱・関節の腫れ/痛み/こわばり・腰背部痛・皮膚の発疹・筋肉痛/筋力低下・皮膚硬化・レイノー現象(寒冷刺激などで指先が真っ白になる)、等。
2)検査所見としては、1)の症状に加えて、血液検査で自己抗体が陽性・炎症反応(CRPとか血沈とか)上昇・免疫グロブリン(自己防御に必要なタンパク質)の異常増加・その他臓器障害(肺/腎臓/胃・腸/神経/眼/鼻/耳)もあり得ます。

上記1)、2)が気になる方・先に受診なさった医療施設で「リウマチ膠原病」の疑いありと判断された方におかれましては、当科受診をおすすめいたします。

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