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国立病院機構 東京病院

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外来診療予約センター

Tel.042-491-2181

胸部血管内塞栓術(気管支動脈塞栓術)

 血痰・喀血は、①呼吸器疾患の存在を示唆する、②持続性血痰ならびに大量喀血は生命を脅かすことがある、という2つの意味で重要な徴候です。血痰・喀血をきたす疾患には、肺結核・肺非結核性抗酸菌症・肺アスペルギルス症のような呼吸器感染症、気管支拡張症ならびに肺癌などが含まれます。
一般的に血痰・喀血の原因疾患に対する治療(とりわけ薬物療法)が奏功するまでには時間を要し、持続性血痰ならびに大量喀血により生命を脅かされる場合もあります。また、精密検査を実施しても血痰・喀血の原因が特定されない特発性喀血症の場合もあります。
このように疾患特異的治療が奏功するまでの間の橋渡し的治療、出血制御のため病巣の外科的切除が困難な低肺機能患者ならびに特発性喀血症において、出血制御に威力を発揮するのが気管支動脈塞栓術(BAE)です。
局所麻酔下に股の付け根にある大腿動脈より血管内カテーテルを挿入し、肺内の病巣に血流を供給している気管支動脈に造影剤を注入し血管造影を行います。血管径や造影所見をもとに塞栓術が必要な血管か否か判断した上で、金属コイルにて塞栓術を実施します(図1・2)。血痰・喀血の原因の9割以上で、気管支動脈・肋間動脈・内胸動脈等の体循環系動脈が関与しており、気管支動脈以外の動脈の塞栓も行うため経皮的動脈塞栓術とも呼ばれています。
当科では、術前に64列MDCTを用いたCT-Angiography(図3)を実施しております。これにより標的とする血管の起始・走行を実際の血管造影前に把握することができ、塞栓術の時間短縮ならびに合併症回避により患者さんの負担を軽減につながっています。

図1 右気管支動脈塞栓術前

図1 右気管支動脈塞栓術前

図2 右気管支動脈塞栓術後

図2 右気管支動脈塞栓術後

図3 CT-Angiography

図3 CT-Angiography

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