強度変調放射線治療(IMRT)の開始このページを印刷する - 強度変調放射線治療(IMRT)の開始

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)の開始

 このたび、当センターでは従前より準備を進めて参りました腫瘍に対する新しい放射線治療(IMRT)を開始しました。放射線治療は、多量の放射線照射がもたらす細胞への障害付与を治療に応用するもので、腫瘍に放射線を照射してそれを死滅させることにより治療する方法であり、生体にメス等で傷をつけることなく、腫瘍の消滅を図ります。
 

 放射線治療では照射する線量を増やせばそれだけ治療効果は高くなりますが、同時に周辺の正常臓器にも過大な線量を与えることがあり、これにより副作用を招く可能性があります。IMRTは放射線が腫瘍に対して大きな効果を与える長所はそのままに、正常臓器への副作用を出来るだけ小さくするため考案された治療方法です。IMRTでは、照射精度を飛躍的に向上させるため、従来に比し照射方向を増やすとともに、照射ビームを更に細かく分割した上に、それぞれの照射形状とその時間までも高精度に制御することにより、臓器の形に合わせた精密でより理想的な照射ができるようになりました。これにより、放射線治療効果のさらなる向上と、従来には求めることが難しかった副作用の軽減が期待できます。当面は前立腺がんに対する治療を中心に行う予定ですが、特に放射線による副作用が問題となりやすい直腸における被ばく軽減が期待されています。
 

:直腸 :前立腺 

 











   前立腺を含む赤の実線の中が特に高線量になっていて、直腸部分はやや低線量になっています(左図)。
 

 右図の様なぎざぎざの枠を何種類も組み合わせて最適な照射範囲を作ります。
なお、この治療では綿密な治療計画の立案後、複雑な検証作業を経て治療の有効性と妥当性を考査しており、放射線治療専門医の診察により適応を確認した後、実際の治療開始までには約2週間程度の準備期間をいただいています。
今後は前立腺以外の臓器に対してもIMRTが実施できるように準備を進めて行きたいと考えています。