ご挨拶・活動紹介

ご挨拶・活動紹介

今年度より「スモンに関する調査研究班」の主任研究者を務めることになりました。永い歴史のある班会議のリーダーという責任ある立場であり身の引き締まる思いです。スモン(亜急性脊髄視束神経症; SMON:Subacute myelo-optico-neuropathy)は、1960年代に日本で多発した腹部症状・下肢のシビレ・感覚障害、歩行障害、視力障害を主徴とする難治性神経疾患であり、のちに整腸剤キノホルムが原因であることが判明しました。「薬害」という言葉が使われる発端となった疾患です。キノホルム製剤の発売中止から約半世紀となりますが、いまだに多くの患者様が後遺症に苦しんでいらっしゃいます。当班の使命は、何よりもまず恒久対策としてのスモン検診を充実させて、患者様のQOLを維持・向上させることであると考えております。現在、患者数は約1200人と推定され、平均年齢は80歳を超えています。医療と福祉・介護の両面からのアプローチと対策がますます重要になると考えております。また、20歳未満で発症された「若年スモン」患者様への対策も大きな課題であると認識しています。

最近スモンのことを知らない医療従事者が多くなったとの指摘があり、風化が危惧されております。当班は、スモンワークショップや市民公開講座「スモンの集い」を毎年開催すること、本ホームページを充実させることを通じて情報発信を継続していきます。キノホルムの神経毒性に関する基礎研究も引き続き行ってまいります。今年度からは、スモンバイオバンクも計画しており、より研究を発展させることができると考えています。

以上の方針で当班の運営を進めていきたいと考えております。何卒よろしくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。

スモンに関する調査研究班研究代表者
独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院長
久留 聡

スモンに関する調査研究班
研究代表者:独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院長 久留 聡
〒513-8501 三重県鈴鹿市加佐登3丁目2番1号
TEL:059-378-1321

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