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病院長退任のご挨拶


   国立病院機構鈴鹿病院名誉院長 小長谷 正明

 平成14年4月1日に、任命権者厚生労働大臣坂口力と書かれた「国立療養所鈴鹿病院長に任ずる」の辞令をいただき、病院に戻ると、サクラの木々の向こうに、古びてくすんだ病棟が幾つも並んでいました。「縄文時代みたいな建物で、21世紀の医療かよ」とつい小声でつぶやきましたが、僕がこの病院にしてやれることは、古色蒼然たる施設と体制の近代化だ、幸い、経営面では黒字の優良病院であると、思い直しました。病院長としての最初の管理診療会議、次のように抱負を述べたことを覚えています。
「いつか、この病院を小さくてもキラリと光るものにしたい。」と。
 早速手がけたことは、結核病床の一般病床(神経難病)への転換であり、それ以降、下に書き連ねるように、徐々に課題懸案を15年間にわたってこなしてきました。

鈴鹿病院名誉院長 小長谷 正明
名誉院長 小長谷 正明

平成15年10月、結核病床の廃止、一般病床(神経難病)への転換。
平成16年4月、独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院へ移行。
平成17年10月、全国筋ジストロフィー施設長協議会会長(小長谷)
平成18年10月、筋ジス病床への障害者自立支援法適応(療養介護事業)
平成20年4月、スモンに関する調査研究班、主任研究者(小長谷)
平成22年3月、中央病棟開棟(4個病棟240床、機能訓練、療育部門の近代化)
平成24年12月、外来診療棟開棟、(1個病棟36床、外来・診療部門、手術室,管理部門の近代化)、MRI運用開始
平成26年1月、創立70周年記念式典
平成26年3月、電子カルテ運用開始
平成27年7月、神経難病病床増床、計290床に(神経難病50、筋ジス120、重心120)
平成28年10月、第三回筋ジストロフィー医療研究会主宰
平成29年3月、エネルギー棟改築スタート(これにて鈴鹿病院全施設の近代化完成予定)



 リストにしてしまうと、ほんの数行ですが、それぞれの事業には多くの準備や折衝がありました。心労が多くて大変でした。はるばる来ぬる病院長職と感慨に更ける同時に、すべての施設整備を借入金なしで済ませ、次世代に負債を残さなかったことを誇りに感じています。
 しかし、15年の間には、深刻なトラブルがいくつか襲って来もしました。病院を守り、発展の阻害にならないように、私も先頭に立って対応に努力しましたが、不幸な結果に終わったこともあり、忸怩たる思いもします。
 この間の医療環境の変化や医学の進歩はめざましく、今後を考えるとめ眩く思いがします。真に21世紀の難病医療(含む筋ジス、重心)の場になるには、医師や看護師をはじめとする良質な医療従事者と職員の充実が必要です。残念ながら、私にはこれらに答えるための時間が十分残されていないような気が致し、若くて志の高い後進に託すことにいたしました。
 なお、私は国立病院機構理事長より名誉院長の称号を頂きましたが、神経難病診療やスモン調査研究班の仕事など、今後も鈴鹿病院に止まって、発展に尽くすつもりでおります。
 私の病院長としての15年の年月を一緒に歩いてくださった、各ドクターと、7人の歴代事務(部)長、6人の総看護師長・看護部長をはじめとする数多くの職員のサポートに感謝いたします。

   平成29年4月1日



 
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