院長のご挨拶このページを印刷する - 院長のご挨拶

2017年4月1日掲載

院長写真
院長 村上 優
 榊原病院に赴任をして3度目の冬を過ごしました。里山と形容するのがふさわしい穏やかな自然に囲まれ、日本の風土は四季の移り変わりを反映して静かさ、豊かさ、優しさ、親しさ、時には激しさや感動を与えてくれると思います。やまとに連なる榊原でみていると、「やまとは国のまほろば」はこのような自然の溢れた世界ではと思うようになりました。その治療環境は都市部の便利さと異なる癒やしを与えてくれます。
 さて榊原病院は大きく変化をしました。精神科医師は三重大学からも派遣をえて7名となり、各領域で経験豊富な看護師が全国より集まり、心理療法士(5名)・作業療法士(5名)・精神保健福祉士(4名)と多職種が整い診療体制が充実しました。榊原病院の医療が津中勢伊賀地区ばかしでなく三重県、さらに我が国の精神科医療の発展に寄与できることを願っています。少し診療内容を紹介します。
 第1に一般の精神疾患の診断、評価、治療、リハビリテーションを担当しています。通院、アウトリーチ活動(訪問看護)、デイケアなどを重ねて在宅での医療支援が充実してきました。また急性期入院治療や一時期の休憩入院も積極的に行っています。
 第2に各種の専門医療です。治療抵抗性統合失調症に対する薬物療法でクロザピンの導入を積極的に図っています。これは国の難治性精神疾患地域連携事業として三重県での普及にも一役買っています。アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存治療に力を注いでいます。認知症の診断や治療では、不眠や幻覚妄想、徘徊や不穏などの問題行動を有する周辺症状BPSDを積極的に介入しています。児童青年期では発達障害をはじめとする情緒行動障害の相談や治療を行っています。その一環として強度行動障害といわれている重度知的障害や発達障害への短期入院も行っています。また一般的ではありませんが司法精神医学分野で活動も高い水準で行われ、我が国の医療観察法医療や精神鑑定を牽引しています。
 これらの臨床活動が軌道に乗る中で共に研鑽を求めて全国からも専門スタッフが集まるようになりました。そのことが榊原病院の雰囲気を一変させています。これまで榊原病院を支えてくれていたスタッフに加えて新しい息吹が湧いています。多くの職種や専門分野での臨床研究も盛んになりました。国立病院機構の施設として研修や教育の場となる使命も持っており、高水準の精神科医療を目指し役割を果たします。
 初めに描いた夢を実現できるように榊原病院の職員が心を一つにして明日の精神科医療を目指したいと願っています。