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病理診断科

がんの診断には欠かせない「病理診断」


病理診断とは

病理診断とは、患者さまの体から採取された組織や細胞から顕微鏡用のガラス標本を作り、この標本を顕微鏡で観察する診断のことを言います。

そしてこの病理診断を専門とする医師が病理医です。
日本病理学会では「病理専門医」の認定を毎年行っており、現在2,100名あまりの医師が「病理専門医」として認定されています。病理診断の中には(1)組織診断、(2)細胞診断(細胞診)、(3)病理解剖があります。

病理診断は患者さまが適切な治療を受けるために必要なもので、最終診断として大きな役割を果たし、特にがんの診断に病理診断は欠かせません。

病理診断科は、病院の根幹を支える中央診療部門であり、病院に病理医がいることは、より質の高い医療を提供することにつながります。

当院には2名の常勤病理医(いずれも日本病理学会認定病理専門医、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医)が勤務しており、日常の診断にあたっています。

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特色

1.組織診断
組織診断には、大きく分けて「生検(せいけん)」「手術材料の診断」「術中迅速診断」があります。

「生検」とは治療方針を決めるために、胃・大腸や肺の内視鏡検査で採取された組織や、皮膚などの病変部から採取された組織を標本にし、病変の評価や確定を行う診断です。

「手術材料の診断」は手術で摘出された臓器について、病理医が肉眼で病変の部位、大きさ、性状、広がりを確認し、診断に必要な部分を切り出し、標本にします。どのような病変がどのくらい進行しているか、手術でとりきれたのか、がんの悪性度や転移の有無を評価します。

「術中迅速診断」は、術中がんの病巣がとりきれたかどうかを確認したい場合やリンパ節などに転移が疑われる場合に、組織から凍結標本を作製し、15~20分程度で行う診断です。病理医からの報告により手術医は、手術方針の変更や追加切除の必要があるかどうかを判断します。

また近年、乳がん、肺がん、大腸がん、胃がん、悪性リンパ腫に対する分子標的治療薬の適用判定に組織診断標本が用いられることが多くなり、当院でもその判定のための免疫染色や遺伝子検査を行っています。

当院では、がんやその疑いのある症例が多くを占めますが、当院がリウマチ・アレルギー疾患の高度専門医療施設であることから、慢性関節リウマチ、鼻アレルギー、喘息やアレルギー性肉芽腫性血管炎 (チャーグ・ストラウス症候群)の症例が多いのも特徴です。


2.細胞診断(細胞診)
細胞診断とは、子宮や気管支の粘膜をこすりとった細胞、尿や 痰(たん)、腹水( 腹腔内にたまった水)、胸水( 胸腔内にたまった水)、乳腺や甲状腺の病変(しこり)から針で吸引した細胞( 穿刺吸引細胞診)を標本にし、がん細胞の有無や病変の推定を行う診断です。
また、手術の途中で腹腔内にがん細胞が転移していないかどうかを判断するための術中迅速細胞診も行っています。

細胞診断は、子宮がん検診のようにスクリーニング検査(正常なものと異常のあるものとのふるいわけ)に用いられることが多く、最終診断にはしばしば組織診断が必要になりますが、細胞診断でしか得られない情報や術後経過の観察に用いられることもあり、組織診断と同様、がん診療においては重要な位置を占めています。


3.病理解剖
病理解剖は、ご遺族から承諾をいただき、亡くなられた患者さまのご遺体を解剖させていただくもので、死因は何か・生前の診断は正しかったのか・病気の進行度・治療の効果などを判断します。

ご遺体は解剖後に清拭(せいしき)されてご遺族のもとにお返しします。解剖には治療にあたった主治医が立ち会い、肉眼診断は解剖を行った病理医から主治医に報告され、主治医からご遺族に説明いたします。

その後、顕微鏡所見も含めた最終診断を行います。病理解剖の結果は、地域医療連携医も交えた臨床病理検討会(CPC)で検討され、今後の治療ならびに医学の進歩に大きく貢献します。

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スタッフ紹介

病理診断科部長
病理診断科医長
齋 藤 生 朗 日本専門医機構 日本専門医機構認定病理専門医
日本病理学会 病理専門医・研修指導医
日本臨床細胞学会 細胞診専門医
日本臨床検査医学会 臨床検査管理医
病理診断科医長 堀 田 綾 子 日本専門医機構 日本専門医機構認定病理専門医
日本病理学会 病理専門医・研修指導医
日本臨床細胞学会 細胞診専門医
日本臨床検査医学会 臨床検査管理医
病理診断科医師 本 多 将 吾 日本専門医機構 病理専門医

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