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花粉症研究室


花粉観測の歴史と花粉採集法

 国立病院機構相模原病院では、1965年から病棟の屋上で52年間にわたり花粉飛散数の計測を継続しており、貴重なデーターが蓄積されています。

 当院の周囲1キロメートル以内には大きな建物は見当たらず、屋上からの見晴らしはとてもよく、
花粉採集に適している場所です。花粉はダーラムサンプラー(重力法)を用いて年間通じて採集し、
スギ・ヒノキ科花粉やイネ科、ブタクサなどの花粉を同定計測しています。

 ダーラムサンプラーで計測した花粉飛散数のデーターは、一部ホームページで公開しています。
下のグラフは1965年から2017年までのスギ・ヒノキ科花粉の各年毎総飛散数の年次推移を示しています。スギ花粉は増加、ヒノキ科花粉は増加傾向が見られています。


スギ・ヒノキ科 年次推移(~2017年)
ダーラムサンプラー(重力法)
ワセリンを塗布したスライドガラスを24時間靜置し、
自然落下した花粉を染色後、同定して計測する方法である。
1平方センチメートルあたりの花粉数(コ/cm2)で表す。

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相模原市における主な花粉の飛散期間

 相模原市はいわゆる首都圏内にあり、都市化の波は近隣の植物分布 を著しく変えてきました。 病棟屋上の観測地点から望む周辺は草木の緑が激減し、近在の群生林も少なくなってきています。 しかしなお所々に森林が守られ、山の緑も残されています。 花粉飛散の年次変動では、そのような環境の移り変わりが大きく影響しています。

 観測地点における花粉症の原因となる主な花粉の飛散期間を下のグラフに示します。

 わが国で花粉症といえばスギ・ヒノキ花粉症の患者さんが大多数を占めますが、観測地点で最も飛散数が多いのはスギ花粉で2月中旬より本格的に飛散を開始して3月中に最大飛散日があり4月の中旬には終息に向かいます。ヒノキ花粉はスギ花粉より約1ヶ月遅れます。またその他の花粉による花粉症も重要であり、その代表がカバノキ科の花粉で、飛散数は少ないのですがスギ・ヒノキ科の花粉と同時期に飛散しています。相模原地区ではカバノキ科の花粉の多くはハンノキで、特に公園や街路樹としてよく見かけます。カバノキ科の特徴は、新鮮な果物、特にりんごやなし、キウイやメロン、パイナップルなど口腔アレルギーと深い関係があり、食べた後に口の周りや目の周りがかゆくなり、重症なかたは呼吸が苦しくなり、アナフィラキシーといわれる症状が起こります。

 一方、草本花粉(草系の花粉)は宅地化などによる草原の減少により飛散数も減少傾向にありますが 、イネ科は種類が多く5月ごろから10月頃まで飛散が続きます。また8月から9月にかけてはブタクサやヨモギも飛散しています。

 スギ、ヒノキ花粉の飛散数は年度によって大きく変動しますので、また今後どのような花粉が飛散するのか観察していく必要があります。

相模原市における主な花粉の飛散期間
相模原市における主な花粉の飛散期間
(国立病院機構相模原病院病棟屋上の観測地点における)
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最新情報

 スギ・ヒノキ花粉の飛散がほぼ終了しました。今年のスギ花粉飛散開始日は1月9日でとても早く、最大飛散日は3月13日、最大飛散数は1,123個/cm2でした。ヒノキ科の花粉飛散開始日は3月11日、最大飛散数は3,767個/cm2でした。
 相模原病院では1965年より観測を継続していますが、今年の4月30日までの累積花粉飛散総数はスギ花粉15,444個/cm2、ヒノキ科花粉19,173個/cm2と昨年に比べスギ花粉は2.6倍、ヒノキ科花粉は8.4倍と多く、平年平均(過去30年間の平均)と比べてもスギ花粉は3.3倍、ヒノキ科花粉は13.7倍ととても多く飛散しました。特にヒノキ科花粉は観測史上最も多い飛散年となりました。
 今年の治療で効果があった方と、あまり効果がなかった方といると思いますが、来年からの治療方針を決定する上で非常に重要な情報となります。治療を受けた方は、今年いつからいつまでどのような症状があり、どのような治療を受けたかを記録し、来年の治療のために情報を伝えて下さい。またスギ花粉症の治療のひとつに免疫療法と呼ばれる唯一根治を目指す治療法がありますが、経口免疫療法と呼ばれており、スギ花粉治療エキスを舌下に2分間含ませることで、今までの注射と替わる治療法が開始になりました。この治療は認定を受けた専門の先生によって受けることができます。
 これから初夏にかけて数は少ないのですがイネ科の花粉が飛散します。イネ科花粉症の患者さまはこれからも注意が必要です。イネ科の代表的な草本はカモガヤ、スズメノテッポウ、ハルガヤなどでとくに河原やあぜちに多く生育しています。これから河原でバーベキューなどの機会が多くなる季節ですが、この時期に症状のある方は注意が必要です。また特に眼の症状や、咳などの呼吸器の症状を起こしやすく、症状のひどい方は専門医を受診して下さい。

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花粉症の原因となる主な花粉

 国立病院機構相模原病院周辺に飛散するアレルギーの原因となる花粉をご紹介します。

【国立病院機構相模原病院周辺に飛散する花粉情報】

スギ
スギの花粉
大きさは直径約30μm
イネ科
イネの花粉
大きさは直径約20~40μm
ブタクサ
ブタクサの花粉
大きさは直径約20μm
ヨモギ
ヨモギの花粉
大きさは直径約25μm


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