症状と対応:アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)

患者様や一般の方々へ

急性期の早期発見と早期対応のポイント

早期発見のポイント
  1. 喘息の患者さんが、解熱鎮痛薬を服用しておおよそ1時間以内に、鼻水や鼻づまり、激しい咳、息苦しさなどが出現した場合は、解熱鎮痛薬過敏症の可能性が高いと考えます。
  2. 過去にこのようなことがあった患者さんは、特に注意が必要です。
  3. 多くの原因薬は、飲み薬や坐薬ですが、時に貼り薬や塗り薬も原因になります。
  4. 使用薬剤別の症状発現のタイミングと過敏症状の持続時間(表)
      服用から過敏症状が
    ではじめる時間
    発作持続時間 症状の重症度
    のみ薬 多くは1時間以内 半日から1日 重い
    坐薬 多くは30分以内 半日 きわめて重い(激烈)
    貼り薬や塗り薬 数時間後から 半日以上 比較的ゆっくりで軽い
    注射薬 多くは30分以内 半日 きわめて重い(激烈)
早期対応のポイント
  1. 副作用を自覚してから、息苦しさが急速に悪化しやすいため、原則的に救急車を呼ぶ。
  2. 普段の喘息症状が重い方は、過敏症状も強く出やすく危険なため、疑った場合は、ただちに救急車を呼ぶ。
  3. 過敏症状のピークは、自覚症状出現から、2−3時間後にくるため、はじめは軽くても油断しない。
  4. 救急車が到着するまでに、気管支拡張薬の吸入や発作時の頓用薬があれば、使用する。
  5. 救急車や医療機関には、「喘息がもともとあって、解熱鎮痛薬を何時何分頃服用し、息苦しくなった」などの内容を伝える。

すでに診断がついている患者さんの日常対応策

  1. 薬剤アレルギーカード(患者カード)を主治医に作成してもらい、いつも携帯し、必ず医療機関や薬局で提示する。
  2. 自己判断での薬剤使用は危険です。主治医や専門医に前もって相談する。
  3. ピリンアレルギーやアスピリンアレルギーとは異なり、ほとんど全ての解熱鎮痛薬で発作がおきることを理解する。
  4. 飲み薬だけでなく、坐薬や貼り薬、塗り薬でもおきることを理解する。
  5. この過敏体質は、原則的に一生続くため、ぜんそくがよくなっていても油断して使用しない。
  6. 解熱鎮痛薬以外の薬である抗生物質などは安全に使用できることを理解する。あらゆる薬を拒否するのは、誤りである(具体的な対応策は主治医と相談する)