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腫瘍内科

腫瘍内科の特徴

 皆さまにとって腫瘍内科という名称は馴染みのないものかもしれません。その名前の通り、腫瘍(特にがん)にたいして内科的治療を中心として対応する診療科ということになります。日本では、ごく一部の大学を除いて、つい最近までこのような腫瘍(がん)治療を中心に行う内科学の講座がなかったため、一般には馴染みのない存在になっていますが、米国では以前よりMedical Oncology(腫瘍内科学)という講座が内科学に設置されていました(私がかつて研究員として勤務していたコロンビア大学にも1990年台には既に設置されて、治療薬の研究や実際にがん医療を行っていました)。20世紀後半より勃興してきた分子生物学(生命現象を分子レベルの研究によって解明する)によって、腫瘍(がん)の原因が遺伝子の異常によるものであること、遺伝子異常によって誘導される細胞内での増殖シグナルの増幅によって正常細胞が腫瘍化した結果が「がん」であることが明らかにされました。その結果、がん化の直接の原因となる増殖シグナルをターゲットとした分子標的薬の開発が進み、臨床上の成功につながりました。さらに最近では、腫瘍化した細胞(蓄積した遺伝子変異の結果、生体内では異物と認識されるはずです)が、生体内で異物除去を担当する免疫による監視機構をいかにして逸脱していくのか(「がん」がどのようにして免疫による攻撃を逃れていくのか)、その分子機構も解明されてきており、それによって免疫チェックポイント阻害薬が開発され(がん細胞の免疫逃避機構の解明により画期的な治療薬の開発を行ったことで、本庶博士に2018年のノーベル医学生理学賞が授与されました)、がん薬物療法は大きな変貌を遂げつつあります。これらの医療を担当する腫瘍内科ががん医療の中心的存在となりつつあります。
 これまで腫瘍の発生臓器によって治療方針が決定されてきましたが(つまり、胃がんであれば胃がんの治療方法、大腸がんであれば大腸がんの治療方法、といった臓器別での治療方法の開発)、分子レベルによって個別化された治療法(個々の遺伝子異常に基づいた治療方法の選択;例えば、胃がんでも乳がんに多いHER2遺伝子増幅のがんであれば、乳がんと共通に抗HER2抗体薬による治療法が選択される。また、白血病のひとつの慢性骨髄性白血病の治療薬のイマチニブが発がんの分子機構が共通または極めて類似することから消化管腫瘍であるGISTの特効薬となった。)への方針転換にもつながりました。このように、臓器別ではなく分子レベルの評価に基づいた治療方法の個別化が腫瘍内科の特徴であると言えます。

対象疾患

消化器系の固形腫瘍など、悪性固形腫瘍(がんなど)が対象となりますが、原則的には、
1.腫瘍の診断に困っている
2.どの診療科に紹介するのかわからないような腫瘍性疾患
を当科へご紹介下さい。院内のキャンサーボードなどを通して、適切な診療科への紹介も含めて当科で対応いたします。

対象とならない疾患

白血病やリンパ腫などの血液系の疾患や小児がんは対象としておりません。

紹介方法

国立病院機構相模原病院に連絡の上、対象とならない疾患ではないことをご確認下さい。
紹介状をご準備いただき、患者さまにお渡しし、予約センターに電話して、予約を取って下さい。
<セカンドオピニオンについてはこちらをご覧下さい>
 セカンドオピニオン外来
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