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切除不能の悪性胆道閉塞に対する内視鏡的ステント治療消化器科 医長 阿比留 正剛 膵癌、胆管癌、胆嚢癌などの膵胆道系悪性腫瘍に対する最も信頼性の高い治療法は外科的切除術であるが、隣接臓器への浸潤や肝転移等で切除不能な場合も多く、我々はそのような悪性胆道閉塞症例に対して以前から積極的に胆道ステント留置術を施行している。 胆道へのアプローチ法としては、経皮経肝的ルート(PTCD)と経乳頭的(内視鏡的)ルートの二通りの手段があるが、(1)ドレナージ手技に関連した合併症が少ない、(2)胆管拡張の程度や腹水の有無に影響されずに施行可能である、(3)入院期間が短い、などの利点を重視して、経乳頭的なアプローチを第一選択としている。 実際の治療手順としては、まずUS、MDCT、MRCP等の画像検査で胆道狭窄の程度、範囲の詳細を把握し、次にERCPを実施する。ここで造影用カニューレを選択的に総胆管へ挿入できるか、さらに胆管狭窄部にガイドワイヤーを通過させることができるかどうかがこの治療手技の成否のポイントとなる。 ERCPから引き続き一期的にステント術を行うことも可能であるが、我々は原則的にまず内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)を行い黄痘、胆管炎の改善を図り、数日後にメタリックステント(Expandable metallic stent:EMS)を留置している。 EMSは持続的な拡張力を有しており、胆管壁を押し広げて開存を維持する。メッシュ構造であるため、ステントの側面に合流する胆管枝のドレナージも妨げないが、欠点としては抜去不能であることと、メッシュ間隙から内腔への腫瘍増殖による胆管再開塞が拳げられる。 このようなEMS閉塞例に対しては、我々はまず経乳頭的にEMSの追加挿入(stent-in-stent)を試みるが、それが困難な場合は、プラスチックステントの挿入や経皮経肝的アプローチによるEMS留置、さらには放射線治療を併用することもある。 最近では、covered-EMSやより強い拡張力を有するEMSが開発され、更なる治療成績の向上が期待されるところであるが、重要なことは、一つの治療手技や最新の治療用デバイスに固執することなく、胆管の閉塞状況や患者の身体状況に応じた臨機応変なアプローチ法を選択、あるいは組み合わせることである。徹密な治療デザインが患者のQOLL、ひいては生命予後の改善に直結すると言っても過言ではないからである。 |