
かつて、ハンセン病は「らい]と言う病名で呼ばれていましたが、「らい予防法廃止に関する法律」が制定された平成8年、ハンセン病の病原菌を発見したノルウェーの細菌学者、アルマウェル・ハンセン博士の名前を取って、公式にハンセン病と改称されました。この病名変更は、「らい」と言う病名にまつわる古くからの偏見と差別の歴史を切り捨てる事が目的でした。
ハンセン病は、抗酸菌である結核菌と同類の「らい菌」を病原菌とする慢性の感染症で、主として末梢神経が冒され、また皮膚およびその他の臓器も冒されます。らい菌の感染力は弱く、らい菌に対して抵抗力が弱まっている状態の人が、繰り返し菌に接触した場合に感染します。しかし、発病するのは感染した人の内のごく一部に過ぎないと言われています。
発病した人の中には、抵抗力によって自然に治る(自然治癒)人もいますが、治療薬を投与しないと治らない人もいます。現在では、数種類の治療薬(スルフォン剤は1943年に、リファンピシンは1965年代に)が開発されており、また1981年に世界保健機関(WHO)が提唱した多薬併用療法の普及によって、速やかに後遺症を残さず治るようになりました。
現在、我が国では、かってハンセン病に罹患した事のある5000名余りの人々が、13の国立療養所と2私立療養所で療養生活を送っています。 松丘保養園は、このハンセン病を対象とする国立療養所で、明治42年に創立され、平成11年に創立90周年を迎えました。他のハンセン病療養所と同じく、入園者の療養生活を守る事、社会復帰を希望する入園者のリハビリテーションを応援・援助する事、かってハンセン病に罹った事のある人が再び入所を希望した時は受け入れる事、ハンセン病に関する外来診療、などに取り組んでおります。 また、ハンセン病に対する社会啓発活動、海外協力も重要な仕事で、青森市、青森県だけはでなく、日本全国の皆さん、そして海外の方々ともコミュニケーションを取るように努めております。
本州の北の端にある保養園の入園者は、かって「北方らい」と呼称されました。しかしここ数年、新しい発生はありません。現在、保養園の入園者平均年齢は70余歳、社会に先駆けて超高齢化社会を迎え、医療、看護、介護は、日夜、試行錯誤を続けております。この様な中、21世紀に向けて、今後保養園をどのようにして経営すべきか、入所者・職員一同が暗中模索している所です。
青森市、青森県、そして東北、更には日本中の、ハンセン病や高齢化現象に興味のある皆さん、一度、保養園にお出でになりませんか。
お互いに勉強し合えば、得るものもあるのではないかとおもいます。
勿論、宿泊施設も整備してあります。