国立病院総合医学会





呼吸器科

診療のモットー

  1. 幅広い疾患に対して高度で専門的な医療を提供します。
  2. 十分な情報を提供し、患者さんの意見を尊重し診療を行います。
  3. 地域の医療機関と連携し、地域に根ざした医療機関を目指します。

当科の特色

呼吸器は疾患の種類、罹患数が多く、生命に直接関わる疾患も多い分野です。喘息、慢性閉塞性肺疾患は中でも特に有病率が高い疾患ですが、これらの疾患では終生にわたって治療を続けていく必要性があります。当科では診断、治療導入やリハビリテーションなどの専門病院でないとできない診療を中心に、患者さんの負担を出来るだけ少なくするように地域の医療機関と連携して診療を行なっています。また、疾患増悪時には、救急部とともにすぐに対応するようにしています。

癌死の中で最も多いのは肺癌ですが、当院はがん拠点病院であり、最新のエビデンスやガイドラインに基づいた適切な治療を行なっています。悪性腫瘍の治療は外科治療・放射線治療・化学療法の三本柱がありますが、さらに現在では緩和医療の重要性も叫ばれています。当院での肺癌診療は、呼吸器内科・外科はもとより放射線科、化学療法部、緩和ケア部と緊密な協力関係を保ちながら進めていますので、診断・治療から緩和ケアまで、患者さんに安心して治療を受けていただけます。また、肺癌については新たな治療への取り組みも重要ですが、京都胸部腫瘍研究グループ、関西臨床腫瘍研究会、西日本がん研究機構、日本・多国間臨床研究機構などの臨床研究に参加すると共に、当院独自の臨床研究も行っております。

手術治療は呼吸器疾患において重要な治療介入ですが、呼吸器外科では肺癌をはじめとする胸部の腫瘍(肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍)や気胸を代表とする嚢胞性肺疾患に対して、より負担の少ない胸腔鏡下手術を積極的に行っています。 膿胸などの炎症性疾患に対しても積極的な外科治療(局所麻酔下胸腔鏡を含む)を行っています。気道狭窄に対するステント留置やレーザー焼灼術などの気管支鏡下手術や、漏斗胸に対する矯正術(Nuss法)も行っています。

上に挙げた疾患以外にも呼吸器には感染症、急性・慢性の呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群、間質性肺疾患など重要な疾患が多数あります。それらの疾患をもつ患者さんに対しても常に最良の治療を提供できるように日々研鑽しながら診療に当たっています。

診療内容

心大血管を除く胸部の疾患を対象としています。特に肺癌・縦隔腫瘍を始めとした腫瘍性疾患や気胸・胸膜炎・肺炎などの良性疾患を取り扱います。
 

  • ●肺癌・縦隔腫瘍

    肺癌が疑われる患者さんが外来に来られた場合、まず胸部レントゲン・CTなどの検査を行います。そして、肺癌の疑いが強い場合には通常の気管支鏡や、最近では超音波気管支鏡(EBUS-GS、EBUS-TBNA)を用いての診断を行います。気管支鏡での診断が困難な場合はCTガイド下生検も行い、胸水貯留や胸膜病変に対してはセミフレキシブル胸腔鏡を用いた局所麻酔下での胸腔鏡検査も積極的に行っております。
    肺癌の確定診断が得られれば、病気の進行度(これを病期と言います)を判断します。CT、MRI、放射線同位元素を用いたシンチグラフィー等の検査を行います。病期が早期であれば、外科的治療の対象となります。病期が進行している場合、種々の理由から外科的治療が困難な場合、放射線治療、抗癌剤治療、あるいはその両者を併用する治療法が選択されます。

  • ●呼吸器感染症

    • 肺炎
      高齢者の肺炎は着実に増加傾向にあります。高齢者の肺炎では、全身の生理機能や抵抗力の低下、併存する他の疾患などにより、治療に難渋することがあります。当院の総合内科や救命救急部とも協力しながら治療を行います。
    • 肺結核
      結核は決して昔の病気ではありません。排菌のない場合は外来治療を行っていますが、結核病棟を持たない当院では入院治療はできませんので、国立病院機構南京都病院などの医療機関を紹介させていただいています。
  • 間質性肺炎
    肺炎の名称は付いていますが、感染による一般的な肺炎とは異なり、多くは原因不明、または膠原病に伴って発症します。診断には胸部CT、気管支鏡検査、場合によっては胸腔鏡下肺生検・開胸肺生検などの外科的方法が必要となる場合があります。治療としてはステロイド治療を行うことが多いですが、経過は決して満足できるものではありません。

  • ●気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患など

    • 気管支喘息
      ほとんどの患者さんは外来治療が可能ですが、日本では欧米諸国に比べて吸入ステロイド治療の普及が遅れており、入院治療が必要になる場合があります。私たちは喘息死ゼロを目指して、患者さんの教育や吸入ステロイド治療の普及に力を入れています。
    • 慢性閉塞性肺疾患
      肺気腫、慢性気管支炎を一つにまとめた病名で、一番の原因は喫煙です。喫煙を継続すれば、呼吸機能の低下をきたし、死に直結する場合があります。一番の治療は禁煙です。その上で、気管支拡張剤やステロイドの吸入治療、呼吸リハビリテーションなどを行います。このような治療にもかかわらず病気が進行し、日常生活を送る上でも支障が出るほどに呼吸機能が障害された場合、在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法などを行います。
  • 気胸
    気胸は、何らかの原因で、肺に穴があいて肺がしぼんでしまう病気です。咳、胸痛、呼吸困難が主な症状です。気胸になった場合、トロッカーと呼ばれる管を胸腔内に挿入し、穴が修復されるのを待つ内科的治療をまず行います。この治療で治ることも多いですが、何度も繰り返している場合やなかなか治らない場合、外科的治療法を行います。
  • 睡眠時無呼吸症候群
    睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上ある場合を睡眠時無呼吸症候群といい、心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすいといわれています。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、マウスピースを用いた治療やCPAPと呼ばれる機械的人工呼吸を用いた治療を行うことがあります。
  • 呼吸不全
    肺炎など様々な原因により、自分自身の力で呼吸機能を維持できなくなった場合を呼吸不全と呼んでいます。呼吸不全に陥った場合、より負担の少ない方法としてNIPPVと呼ばれるマスクを用いた換気方法、そしてそれでも呼吸機能が維持できない場合、気管挿管を行った上で人工呼吸器を用いた換気方法があります。当院では人工呼吸を行っている患者さんのより適切な人工呼吸方法を検討する呼吸療法サポートチーム(RST)がありますが、当科が救命救急部・集中治療部・臨床工学部・リハビリテーション科とも協力しながら中心的な役割を担っています。

呼吸器内科の外来月曜から金曜まで毎日新患外来を含めて4外来を行なっています。
呼吸器外科の外来月・火・木・金曜日に外来を行っています。  
睡眠時無呼吸症候群の専門外来毎週水曜日です。

緊急以外の外科手術水・金曜日です。
気管支鏡検査、局所麻酔下胸腔鏡検査、CTガイド下生検検査は原則として1泊の入院で、それぞれ月・火・木火・木曜日に行っています。

初診外来は待ち時間が長くなることがありますから、できるだけかかりつけ医から地域連携室を介して予約を取っていただくことをお勧めしています。 

スタッフ紹介


呼吸器内科医長
みお ただし
三尾 直士
◆出身大学
京都大学(昭和59年卒)
◆専門分野・得意疾患
肺癌・間質性肺炎
◆認定・専門医等
呼吸器専門医、近畿支部評議員
日本がん治療認定医機構暫定教育医
日本内科学会認定内科医、指導医
日本医師会認定産業医
アメリカ胸部疾患学会(ATS)
アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)

京都大学医学博士
京都大学臨床教授


呼吸器外科医長
さわい さとる
澤井 聡
◆出身大学
滋賀医科大学
◆専門分野・得意疾患
呼吸器外科一般
◆認定・専門医等
日本呼吸器外科学会 専門医・指導医・評議員
呼吸器外科専門医
日本外科学会 専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医

滋賀医科大学 医学博士 

呼吸器内科医師
なかたに こういち
中谷 光一
◆出身大学
金沢医科大学(S62年卒)
◆専門分野・得意疾患
肺癌・睡眠時無呼吸症候群・呼吸器内科一般
◆認定・専門医等
日本内科学会 認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医

呼吸器外科医師
もといし まこと
元石 充
◆出身大学
滋賀医科大学
◆専門分野・得意疾患
呼吸器外科一般
◆認定・専門医等
日本外科学会専門医
呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

呼吸器内科医師
おかむら みさと
岡村 美里
◆出身大学
島根大学
◆専門分野・得意疾患
肺癌 呼吸器内科一般
◆認定・専門医等
日本内科学会 認定内科医


呼吸器内科医師
ふじた こうへい
藤田 浩平
◆出身大学
岡山大学
◆専門分野・得意疾患
呼吸器感染症・肺癌・呼吸器内科一般
◆認定・専門医等
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本感染症学会 感染症専門医

京都大学医学博士

呼吸器内科医師
かない おさむ
金井 修
◆出身大学
京都大学
◆専門分野・得意疾患
HIV感染症、睡眠時無呼吸症候群、呼吸器内科一般
◆認定・専門医等
日本内科学会 認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本エイズ学会 認定医
エイズ拠点病院 施設代表
京都市HIV感染症対策専門委員会 委員
◆所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本エイズ学会
日本感染症学会
日本睡眠学会

呼吸器外科医師
はやし かずき
林 一喜
◆出身大学
滋賀医科大学
◆専門分野・得意疾患
呼吸器外科一般
◆認定・専門医等


呼吸器外科医師
ほりもと かんな
堀本 かんな
◆出身大学
群馬大学
◆専門分野・得意疾患
呼吸器外科一般
◆認定・専門医等


※外来日は外来担当表をご覧ください。

臨床研究について患者さまへのお知らせ

原発性肺癌非手術症例における術後せん妄についての検討(後ろ向き研究)
非小細胞肺癌切除症例における予後因子の検討・予後因子としての糖尿病の既往及び術前HbA1cに関する後ろ向き研究
気腫合併肺線維症(CPFE)合併が肺癌の病態に与える影響に関する後ろ向き研究
肺MAC症のレトロスペクティブ研究