病院情報
職員募集
| ◆ | 1型糖尿病は、年余にわたる高血糖が全身の合併症を引き起こす点は2型糖尿病と同じですが、すい臓からインスリンを分泌する力がなくなるためインスリン注射が生命維持のために必須となることや 発病に際して生活習慣の関与する余地が少ないことなどが2型糖尿病とは決定的に異なります。 |
| ◆ | 治療の基本は上手にインスリンを用いることです。食事や間食の内容、運動量、そのときの血糖値、体調などにあわせてインスリン量を調整します。血糖自己測定を頻回におこなってこまめに血糖値を評価します。これらによって平均血糖レベルはかなり良好になりますが それでも2型糖尿病と比べると1型糖尿病の血糖変動は不安定さがめだちます(図1)。また夜間の低血糖や早朝朝食前高血糖など予測のむずかしい高血糖や低血糖が患者を困惑させます。このために1型糖尿病患者や療養指導担当者が血糖コントロールを困難と感じることがよくあり、また患者の日常生活における負担感も2型糖尿病に比べて大きいのが普通です。このようなことから1型糖尿病患者の療養指導は全体として特別の専門性とマンパワーが必要になってきます。 京都医療センターの1型糖尿病外来は2005年3月にスタートしました。医師、看護師、管理栄養士などによるチーム診療によって ①血糖変動と自己管理状況を一人ひとりていねいに検討すること、 ②患者の自己管理能力、特にインスリンを上手に用いる能力を育てることを重視し、 ③その結果として平均血糖レベル(HbA1cなど)だけでなく血糖日内変動を良好に保ち低血糖を減らす、 ④全体としてQOL(生活の質)を大きく改善すること、などを基本目標としています。 一人当たりの診療時間は30~60分、予約枠は1時間3名で火曜日は15名、金曜日は9名(午前のみ)の予約枠となっています。実際の診療では、受診者はまず糖尿病療養指導士(certified diabetes educator ;CDE)と面談し生活状況やSMBG(血糖自己測定)成績を検討します(図2)。 |
![]() |
|
| 図2 | |
| この際SMBGデータをコンピュータに取り込んでグラフ化するのが役に立ちます(図1)。 | |
![]() |
|
| ◆ | 夜間から早朝にかけての血糖変動に注目します。低血糖の頻度と程度、実際のインスリン注射量を確認し、持続皮下インスリン注射(continuous subcutaneous insulin infusion ; CSII 図3)の場合は基礎注入プログラムの評価や器械の不調の有無をチェックします。次いで主治医が加わって話し合い、血糖レベルと他の身体状況を評価し、自己管理上の改善点や目標設定などを行います。最後に必要に応じてCDEがインスリン注射やSMBGなどの手技、基本インスリンスケジュール、修正インスリンや補食方法、低血糖時の対処方法、炭水化物カウントや間食時の追加インスリンなどを確認します。食材選択指導、運動指導なども必要に応じて行います。一人ひとりのライフスタイルを生かす自己管理指導をとくに重視しています。 | ![]() |
毎回フルコースの療養指導はできませんが、少なくとも各季節に一度は自己管理状況の全般的な調整を行うことを目標にしています。最近導入されたCGMS(連続血糖モニターシステム)は血糖変動状況をさらに詳しく調べることを可能にし、患者と医療スタッフの注目を集めています。 |
||