京都医療センター

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内視鏡硝子体手術

先進医療診療部長 眼科科長 喜多 美穂里

眼科も内視鏡手術!
外科や泌尿器科、婦人科などでは内視鏡手術が盛んに行われています。本院は、眼科専用の内視鏡を使った小切開硝子体手術を専門とする数少ない施設として、国内外から注目を浴びています。
硝子体(しょうしたい)手術とは?

硝子体手術とは、眼の中から直接アプローチして眼内の異常を治す手術です。網膜剥離や糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑上膜、加齢黄斑変性などの網膜の病気、そして外傷や白内障手術の合併症などにも、この手術を行います。






内視鏡を使うときは、手術顕微鏡から目を離して、専用のモニターを見ます。

内視鏡硝子体手術の利点

内視鏡硝子体手術の良いところをいくつか挙げてみます。

*その1

他の部分の状態に関係なく眼内が見える!
通常の硝子体手術では、角膜・瞳孔をとおして眼内を観察するため、外傷などで角膜混濁があったり、瞳孔が小さいと、手術操作が困難になります。しかし、内視鏡は、照明とカメラが一体となったもので、眼内を照らしながら、眼内から直接病変を見るので、これを使えば、眼の他の部分の状態に関係なく、眼内の観察、手術操作が可能です。

*その2

痛みなく眼内周辺部まで見える!
瞳孔を通して手術顕微鏡を使って見える範囲には限界があり、網膜剥離などで最周辺部の操作が必要な時は、眼球を外から圧迫して、可視範囲に入れる必要があります。しかし内視鏡を使うと、直接眼内から見るため、周辺部の観察時に眼球圧迫をする必要はなく、術中の疼痛や術後の炎症も軽いため、視力の回復も早くなる可能性があります。

*その3

近づいて病変拡大!丁寧に見て再手術を減らす!
他科の内視鏡と同じく、病変に近づくことで、拡大してみることが可能です。内視鏡を使って周辺まで丁寧に眼内を観察することで、周辺部にある小さな病変や医原性裂孔による再手術を減らすことができます。

ハイブリッド小切開手術!
本院では、手術顕微鏡に取り付けた広角観察システムと、眼内内視鏡を一緒に使って眼の中を見る「ハイブリッド小切開手術」をすべての硝子体手術に取り入れています。それぞれの方法の良いところを活かして、眼に優しい手術でquality of visionを高めることめざします。
巨大裂孔病病用ムービー


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