国立病院総合医学会





新専門医制度による来年度からの専門研修開始にあたって!

 

全国の研修医の皆さんへ
謹啓 盛夏の候、研修医の皆さんは、お元気でプライマリ・ケア研修に励んでいることと存じます。さて、様々の報道にありますように、1年延期されていた新専門医制度による専門研修がいよいよ平成30年度から開始されることとなります。皆さんは、今、自らの将来をしっかりと見据え、国民から信頼される専門医へと成長すべく、どの進路を歩むべきか、そしてどこで研修するのか、改めて熟考されていることでしょう。そこで、私から、自身の経験に基づいて私見を述べさせていただき、さらに、当院(国立病院機構京都医療センター)で専門研修を行う意義についてお話しいたします。


専門研修を始める上で大切なことは?
医師の道を歩み始めたからには、自分のもつ能力を最大限に発揮させ、最高のレベルに到達したいと望んでおられると思います。それを実現するためには、最も大切なこの時期、どこで、どのような専門研修を行うかが決定的に重要です。私自身のこれまで歩んできた道を振り返ってみたとき、専門医としてのしっかりとした実力を身につけ、医師としての人間性を磨く上で非常に重要なことは、「多様な複数の研修施設で腕をみがく」、そして、「多くの素晴らしい指導者に巡り会う」ことです。その意味で、知識・技能・経験が集積している大学病院の存在は無視できませんが、臨床の第一線でコモン・デイジーズを含め、多くの患者を受け入れている総合病院の役割も非常に重要です。いずれにしても、当院を含めて、種類の異なる複数の施設で経験を積むことを強くお薦めします。


京都医療センターの特長は?   専門研修
まずは当院をご紹介します。国立病院機構京都医療センターは、病床数600、医師総数215、全ての診療科があり、実力のある診療科長とスタッフを擁し、地域と密着しながら、高度に総合的かつ専門的な医療を展開している、いわゆる高度急性期医療を担う総合病院です。その医療レベルについては、私自身、自信とプライドをもっています。医療関係者は「自分の家族を誰に診てもらうか?」でその実力を問います。実際、私自身あるいは私の家族や親戚の者が病気となれば、必ず当院の専門医にかかっています。ということで、高度の診療能力を有する、私たちの京都医療センターを、ぜひ一度見に来ていただきたいと思います。
当院が基幹施設として名乗りをあげている基本領域は、総合診療科、内科(すべてのサブ領域含む)、外科(すべてのサブ領域含む)、整形外科、産婦人科、泌尿器科、麻酔科、救急科です。それ以外の基本領域は京大病院の連携施設として機能します。いずれの基本領域診療科においても、見学や診療科長との面談を、いつでもお受けしますので、下記のアドレスにご連絡ください。ただちに日程調整を行います。


新たな専門医、総合診療専門医の将来像は?
ここでは、新たな領域である「総合診療専門医」を目指す研修について説明いたします。まずは「総合診療専門医」のイメージですが、キーワードは「地域」であり、地域を守る総合医です。自分が責任を負って診る地域を常に意識しながら、どのような患者に対してもプライマリ・ケアとして初期・救急診療をきちんと行うことができ、他の専門医への転送・搬送も適切に行うことができる医師となります。今後、わが国の都市と地方が劇的に変化し、家庭が大きく変貌していくなかで、「家庭医」としての役割に加えて、地域全体をみる「社会医」として、大きな役割が期待されています。最終的にある特定の地域において成熟した総合診療専門医として分化・成長するためには、最初にしっかりとした基礎作り・地盤形成を行っておく必要があります。この地盤形成のパートを、私たち京都医療センターに任せていただきたいのです。


総合診療専門医をいかに育てるのか?
私たちがどのように総合診療専門医を育てようとしているか?なぜそれが可能なのか?それは、非常に高度に洗練された「総合内科」と「救命救急センター」の両方を有しているからです。この条件がそろっている施設は全国を見回しても非常に少ないのです。当院では、この2つの部門が日頃から密に連携し、毎日、救急車で搬送される重症の救急患者に対処し、またウオークインで来院する一見軽症の救急患者を非常に多く診ているところにあります。そして、2つの部門が共同して毎朝の症例カンファレンスを行い、毎月1回は典型的症例から学ぶ教育セミナーを開催しています。したがって、1年間の研修で相当の実力がつくこととなります。3年間の専門研修の後は、どこへ行くべきか?もう特定の地域に入る方もいらっしゃるでしょう。一方、これを入り口として、さらに高度の知識と経験をもつ総合内科医(ドクターG)、本格的な救命救急医、集中治療医へと進まれる方もいらっしゃるでしょう。それで良いのではないでしょうか? でも最初の基礎作りについては、当院に来られることを強くお薦めします。


各診療科で専門医を獲得した後の次のステップは?
複数の研修施設を回って腕を磨き、専門医の資格が与えられた後のことも視野に入れておきましょう。一定のレベルに達した後、次の段階として、研究生活に入ることもぜひ考えておいて下さい。研究生活は、皆さんを一回り大きくし、かつ深い洞察力を与えてくれると思います。そして、その後は、貴方を含めて、全ての方が、否応なく「指導医」として活躍する時期がやってきます。そのような近未来を見据えながら、この時期に、自分の将来像を明確に意識し、まずは「自らの基本領域をしっかりと定め」、そして「研修場所を選ぶ」ことが大切です。いろいろ見て回る時期はもう終わりました。どうぞ決断してください。また、内科と外科のサブスペシャルティについても、今の時点でしっかりと目標を定めた上で専門研修に入るべきと思います。
当院では、各々の領域において、実力ある専門医へと成長できるコースをしっかり準備いたしております。当院にご相談・ご見学に来られることを心からお待ちいたしております。
連絡先は、kensyu-jimu@kyotolan.hosp.go.jpです。

皆さまが、来年度から真に実のある専門研修に入られることを祈念いたしております。  謹白



平成29年7月吉日
独立行政法人国立病院機構 京都医療センター院長
小西 郁生