国立病院総合医学会





最新医療

ロボット(ダ・ヴィンチ)支援手術          診療部長 泌尿器科科長 奥野 博

 
左から Surgeon Console・Patient Console・Vision Cart

今日さまざまな領域の外科手術手技において、従来の開腹手術は内視鏡を用いる低侵襲手術へと変換されつつあります。内視鏡を用いる低侵襲手術の利点は、より早い術後の回復および経口摂取、より短い入院期間、術後疼痛の軽減、美容上の美しさ、そして医療費用の削減などが挙げられます。
ダ・ヴィンチ(da Vinci S surgical system)は米国で開発された手術支援ロボットです。欧米を中心にすでに医療機器として認可され、1997年より臨床応用され、日本でも2009年11月に国内薬事承認(適応可能な各領域;一般消化器外科・胸部外科(心臓外科を除く)・泌尿器科・婦人科)されました。尚、関係学会のガイドラインに則った所定のトレーニングの受講が必要です。そして2012年4月「前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RALP; Robotics Assisted Laparoscopic Prostatectomy)」が保険適応になりました。
当院では2014年8月20日に京都府下で5施設目、京都市内では4施設目として第1例目のRALPが安全に確実に施行されました。患者様の術後の経過も良好です。
ダ・ヴィンチは、外科医が操作するsurgeon console、これと連動して手術操作を行うpatient console(ロボット部)、腹腔内観察のための3Dカメラ、モニター、コンピューター制御システムからなるvision cart の3つの部分から構成されます。外科医はsurgeon consoleに座り、操作レバーを用いて3本のアームを持つロボット部を動かし手術を進行します。コンピューター制御システムにより従来の内視鏡手術より複雑かつ細やかな手術操作が可能となり、加えて三次元画像から得られる正確な画像情報により安全かつ負担の少ない手術が行えます。
欧米においては、前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術の90%以上が、ダ・ヴィンチサージカルシステムを用いたロボット支援手術で行われており、世界的には標準的な手術方法となりつつあります。

実際のロボット支援手術(RALP)の風景
 
 
よって従来の手術より更に安全で正確で緻密な手術が可能となり手術成績のさらなる向上と拡大が期待されます。今後も患者様の安全と安心で良質な医療の実践を目指して症例を増やしていく予定です。どうかご支援ご指導何卒お願い申し上げます。
 
surgeon consoleを操作する著者