腹腔鏡婦人科手術についてこのページを印刷する - 腹腔鏡婦人科手術について

2016年6月23日掲載

外科系診療部長 滝澤 基
 

 腹腔鏡手術とは、1cm程度の小さい切開創から内視鏡を挿入して腹腔内の様子をテレビ画面で観察しつつ、長い柄のついた手術器具を手元で操作し、その器具の先端で、組織を切開したり、縫合したりする手術手技です。従って、お腹を大きく開ける開腹手術より技術が要求されますし、時間もかかることが多いです。
 とある県の大学病院で不幸な転帰となった症例が続いたと報道されたことは記憶に新しいです。
 しかし、腹腔鏡手術は患者さまにとってとても有益な手術です。術後の痛みも比較的弱く、傷跡も目立ちにくいです。入院日数も減ります。
 大事なことは、適応をよく検討し、安全性を確保して手術を行うことと考えます。
 産婦人科で行われる腹腔鏡の手術は、子宮摘出や卵巣腫瘍の摘出、子宮外妊娠に対する手術などがありますが、大きな子宮筋腫などは開腹手術が選択されるべきと考えます。また、手術中の状況に応じて直ちに開腹手術に変更できる体制を整えて手術を行うことも重要と考えます。
 患者さまの状態に応じて腹腔鏡で観察しつつ、3cm 程度の小切開で手術を行う腹腔鏡補助の手術も行っています。これは小さい傷で、安全性も高い、と腹腔鏡手術と開腹手術の長所を併せ持った手術手技です。
 このような考えのもと、当院産婦人科では腹腔鏡による手術を重ねており、多くの患者さまにとても喜んでいただいております。