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どんなときに神経内科を受診しますかこのページを印刷する - どんなときに神経内科を受診しますか


 今年4月に当院に赴任し診療を開始 してから7カ月が経ちました。手もとのノートによると延べ343人、実数119人が神経内科を受診されています。症状(一部病名)別にみますとグラフ(右)のようになります。
 「めまい・ふらつき」が最も多く、原因としては立ち上がると血圧が下がる起立性低血圧や、脳の血管の動脈硬化による循環不全などでした。内耳性の激しいめまいでは緊急入院の上治療をおこないました。
 次に多かったのはしびれを訴えての受診です。手や足、顔面、舌など、部位は様々で原因としては末梢神経障害が主体でした。その中には神経伝導速度検査で手根管症候群(手首部分で神経が圧迫される)と診断された3名が含まれ、整形外科に紹介して治療(手術を含む)をしていただきました。2名はむずむず脚症候群の診断でした。むずむず脚症候群は夕方から夜にかけて足の不快感が強くなり、耐えがたくなるのが特徴です。
 3番目に多い「変性疾患」というのは神経細胞の働きが徐々に低下していく病気の一群です。その中ではパーキンソン病が最も多く、毎回の診療で症状に合わせた薬の調整をおこなっています。以前は当院で処方できるパーキンソン病の薬は限られていたのですが、大幅に改善してそのほとんどを処方できるようになりました。脊髄小脳変性症や多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症などの診療もしています。これらの病気は専門性が高く、特定疾患の申請や今後予測される状態に対し早めに対応していく必要があります。これまで通っていた病院が遠方で通院困難となり、当院で神経内科診療が可能であると知って紹介され受診されるケースもありました。
 手のふるえや筋肉のぴくつきといった不随意運動も全体の1割ほどを占めます。原因は本態性振戦や末梢神経障害、全身状態に関連するものであり、ストレスによると思わる方もいました。不安、疲れやすい、意欲が出ないなどの症状で受診され、神経内科的問題がみられない場合は当院精神科に紹介し受診していただきました。脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(急性期)では主として入院治療をおこないました。
 当院ではCTが迅速に行えMRIも当日中に可能な体制にあり、これらの疾患の診断に大きな助けとなっています。頭痛の方の約半数は片頭痛で、特効薬であるトリプタン製剤の処方などおこないました。てんかんは症状から疑い、脳波にて診断します。症状の出現具合を確認しながら薬の調整を行っています。突然顔の半分が動かなくなるベル麻痺の方も2人受診があり内服治療とリハビリ指導を行いました。
 こうしてみると神経内科受診のきっかけとなる症状は様々であることに改めに気付かされます。調べていくうちに他の科の病気が原因だったと分かる場合もありますが、上に挙げた病気や症状でお悩みの方は、一度神経内科を受診してみてはいかがでしょうか。一緒に考え、最善の方法を見つけていきたいと思っています。


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