国立療養所菊池恵楓園


 National Sanatorium Kikuchi Keifuen

ご 挨 拶


園長 酒本 喜與志

 当園は、明治42年4月1日に九州七県連合立「九州癩療養所」として現在の地に開設されました。 昭和16年には国立に移管され、国立療養所菊池恵楓園と改称し、平成21年には創立100周年を迎えました。 これまでハンセン病患者の救護あるいは収容の役目を担い様々な歴史が刻まれていますが、現在は入所を続けておられる方々の医療・福祉を中心に業務を行い、生活の支援や社会との交流の場として運営されています。

 入所者の殆どの方がハンセン病は治癒しており、一部の方は後遺症としての身体障害が強く、或いは高齢に伴う病気のため入院生活をしておりますが、多くは通常と変わりない生活を送っている人達や、不自由者棟で看護(介護)を受けながら生活している方達です。

 最近はハンセン病への理解も進み、園内で行われる盆踊り大会やゲートボール大会、カラオケ大会そして文化祭などには地域の人達も参加して楽しく交流がなされています。 当園の前園長は「らい予防法」廃止に先がけて啓発活動に取り組み、講演や新聞の寄稿などを通じて啓発活動を精力的に実践し、元患者の人権回復ならびに人間回復に努力して来ました。

 平成8年「らい予防法」は廃止され隔離はなくなりましたが、まだまだ社会の偏見や差別が完全に解消されたとは言い難く、家族との関係も複雑で社会復帰を難しくしていることも事実です。私達は最後の一人まで面倒をみるとの約束のもと将来を見据えながらお世話を続けていますが、恵楓園と地域の皆様との暖かい交流を通して地域ごとの社会復帰をめざしています。

 さらに、平成21年4月1日から「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行され、ハンセン病施設が入所者外来にも利用できるようになり、療養所の地域開放が図られるようになりました。

 園内に社会交流会館(歴史資料館)も出来ました。展示資料などを参考にしてこれまでのハンセン病を取り巻く様々な歴史を知り、ハンセン病そのものを正しく理解してもらえることと、偏見のない共生を考える場になってくれることを期待しています。