産婦人科のご案内

[診療スタッフ]
    西田正人院長、新井ゆう子部長、高野克己医長、市川良太医師、小曽根浩一医師、
    富永都子医師、柴田衣里医師、市川喜仁医師
[外来担当医師]平成22年7月1日現在
 
初診 AM 高野 小曽根 新井 市川良太 西田
初診 PM 富永
婦人科1 富永 西田 小曽根 市川喜仁 新井
婦人科2 市川良太 新井
高野
産   科 新井 市川良太 富永 高野 小曽根
特殊外来 家族性腫瘍 腺筋症 女性専門外来

腫瘍外来
 〔産婦人科外来受付〕
 
初診
月曜から金曜の午前8時30分から11時

再診 予約制ですので、前々日(月曜日の場合は前週木曜日、火曜日の場合は前週金曜日)までに 外来受付または電話で予約をして下さい。
予約変更の電話は、平日の午後2時から3時の間にお願いいたします。


     電話番号:029-822-5050(代表)

 
* 妊娠12週以降の産科初診は産科外来で診察いたします。

子宮腺筋症外来予約予約制ですので、平日の午後2時から4時に電話で受け付けています。
遠方の方には宿泊先の案内もしております。


      予約電話番号:029-826-7559  専用

女性専門外来:完全予約制ですので、水曜から金曜の12時から14時に電話で受け付けています。

      予約電話番号:029-826-6187  専用

家族性腫瘍外来:完全予約制ですので、平日の13時から16時に電話で受け付けています。

      予約電話番号:029-826-7559
  専用


 
〔産科案内〕

[当院の診療の特色]
 診療スタッフは西田院長、新井部長、高野医長、市川良太医師、小曽根医師、富永医師の6名です。西田、新井、高野は細胞診指導医でいずれも婦人科腫瘍の専門家、西田、新井、市川喜仁は日本婦人科腫瘍学会専門医です。新井は茨城地域がんセンター婦人科医長として豊富な臨床経験を有しています。高野は婦人科腫瘍の専門家ですが、その卓越した手術技量を生かして、現在西田と共に子宮腺筋症核出術式の開発に取り組んでいます。市川良太は産婦人科だけではなく、救急医療の専門家でもあります。小曽根はチーフレジデントを終え、産科・婦人科の症例を幅広く担当しています。柴田、市川喜仁は非常勤ですが、それぞれ女性専門外来、家族性腫瘍外来を担当しています。この他に、2名の研修医が産婦人科研修を行っています。
[診療実績]
 
平成21年度の手術件数は725件。悪性腫瘍関連では広汎子宮全摘術24例、準広汎子宮全摘術28例、卵巣癌手術33例、子宮頸癌の初期病変に対して行われる円錐切除は68例でした。広汎子宮全摘術では膀胱神経温存術式により術後の排尿機能障害を最小限に抑えており、扁平上皮癌ではI b 期以内であれば卵巣を温存し、症例によっては有茎性に卵巣を放射線照射野外へ移植して卵巣機能の温存に努めています。通常は子宮を摘出する頚癌症例に対しても、化学療法を併用して子宮を温存する治療法を試みています。卵巣癌根治術は傍大動脈リンパ節を含む広汎な切除術式を採用しており、若年者の胚細胞性腫瘍では、化学療法を主体として、子宮・卵巣を温存する治療法を行っています。悪性腫瘍に対しては手術療法だけでなく、化学療法、放射線療法を組み合わせた治療を施行しており、化学療法は発生臓器と組織型別にもっとも感受性ある抗癌剤を選択しています。進行した癌に対しては手術前に化学療法を施行する術前化学療法を積極的に行い予後改善に努めています。
 主として子宮筋腫を対象に行われる単純子宮全摘術は109例、子宮筋腫核出術は77例、良性腫瘍や内膜症に対して行われる付属器切除、卵巣嚢腫核出術は77例、性器脱に対する手術は7例で、いずれも予後良好です。
 一方、西田院長が生殖外科領域(妊娠する能力を温存して子宮筋腫・子宮腺筋症や癌の手術をしたり、不妊症例を手術により妊娠させたりする外科)の手術に関しても、わが国の第一人者であることから、子宮腺筋症核出術137例、子宮奇形形成術5例、内視鏡下での子宮筋腫や内膜ポリープ切除(TCR)26例、腹腔鏡下手術は34例に行われています。
 子宮奇形に対しては奇形の種類によって厳密に術式を対応させており、すべて開腹術で行っています。これは腹腔鏡手術や子宮鏡手術に比べ術後妊娠率が高いこと、また術後妊娠時に子宮破裂などの危険が少ないためです。西田院長がこれまでに手がけた子宮奇形形成術は中隔子宮93例、双角子宮15例、単角子宮13例など130例余りで、その術後妊娠率は患者さんが原発不妊であっても習慣流産であっても、他に不妊原因がなければ約90%、生児獲得率は約75%です。
 当院では体外受精・胚移植などの配偶子操作による不妊治療はおこなっていませんが、それ以外の、人工授精を含めたすべての検査・治療に対応しています。
 周産期領域では昨年の分娩数は244例で、帝王切開が58例でした。合併症のない妊婦さんはもちろんのこと、総合病院の特徴を生かし子宮筋腫などの婦人科疾患合併症、体外受精後の貴重児、内科・外科疾患等の合併症のある妊婦さんの管理を他科の医師の協力を得て積極的に行っています。

周産期領域で最も重要視しているのはなんと言っても安全なお産≠ナす。当院は24時間、365日、常に医師と助産師が分娩対応できる体制を整えており、6名の常勤医と15名の助産師に加え、近隣で開業されているベテランの産婦人科医にも当直業務に加わっていただき、安心、安全な周産期医療を実践しています。

 
[子宮腺筋症の外来を開設しました]
 子宮腺筋症に関する問い合わせと保存的手術の依頼が多いことから、平成17年5月から子宮腺筋症の専門外来を開設しました。また平成17年10月、当院から申請された「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」が厚生労働省の定める「先進医療:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/index.html の初の対象として採択され、当院での実施が認可されました。

 ここで子宮腺筋症について説明しておきます。

1.子宮腺筋症とは
 子宮の内面を覆っている子宮内膜という組織は卵巣から分泌される女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の作用を受けて、増殖、剥脱を繰り返しています。この剥がれたときが月経です。子宮の内面にだけこの子宮内膜があれば何の問題もありませんが、この子宮内膜が別の場所にできることがあります。最も多いのは卵巣で、卵巣の中に子宮内膜組織ができると、この部位で月経と同じ現象がおこり、血液はそこに貯まっていくことになります。古い血液が徐々に貯まるために卵巣は腫れ、周囲の子宮、腹膜、直腸などと癒着し、月経痛の原因となります。この様な病気を子宮内膜症(以下内膜症と略)といいます。この時に貯まった古い血液はチョコレート色をしているのでこの卵巣の腫れはチョコレート嚢胞と呼ばれます。
 内膜症の原因はよく判っていませんが、月経血が卵管を通じて腹腔内に逆流し、その中に含まれていた子宮内膜が卵巣にくっついて増殖するという説と、卵巣の組織の一部が何らかの影響で子宮内膜に変わってしまうという説があります。この様に子宮の内面以外の場所にできた子宮内膜を異所性の子宮内膜と呼びますが、実はこの異所性の子宮内膜が子宮の筋肉の中にできることもあります。これが子宮腺筋症(以下腺筋症と略)で
す。 以前は子宮以外にできる子宮内膜症を外性子宮内膜症、子宮にできる子宮内膜症を内性子宮内膜症と呼んでいました。しかし、この2つの疾患はでき方が全く違い、また治療法や薬物に対する反応も異なるため、同一の疾患名は適当でないとされ、内性子宮内膜症は子宮腺筋症と病名が変わりました。従って、子宮腺筋症という病名は歴史が浅いので一般には馴染みがありませんが、病気そのものは昔からある病気で、決して珍しい病気ではありません。
 腺筋症の発生の仕方は内膜症と違って、正常の子宮内膜が何らかの原因で子宮の筋肉のなかに深く潜り込んで行くためとされています。この深さが子宮筋の厚みの
80%を越えると強い月経痛を起こすことになります。通常、子宮は全体的に大きくなり、月経量も増えます。


2.子宮腺筋症の症状
 腺筋症による痛みは激烈で、例えば痛みを十段階に分けて、0は痛みの無い状態、10はこれ以上の痛みは想像できないほど強い痛みとして患者さんに「あなたの月経痛の強さはどの程度になりますか」と訊くと、ほとんどの方が「10」と答えます。また、月経痛は十代からあるようなものではなく、三十歳を過ぎた頃、例えば「子供を産んで2年経った夏の月経から痛みが始まった」というように、突然発症するのが特徴です。
 腺筋症が重症になると、痛みは下腹痛だけではなく足に放散したり肛門痛として感じるようになることもあります。また過多月経も1回の月経で強い貧血を来すほど強くなることもあります。 一方、腺筋症は妊孕性(妊娠する能力)にとって非常に不利に働き、妊娠しにくく、また妊娠しても流産しやすいという特徴があります。女性ホルモンの刺激で病状は進行するため、治療しなければ閉経まで増大し続け、症状は悪化します。


3.子宮腺筋症の分類
 子宮腺筋症には幾つかの分類があります。一般的には腺筋症はび慢性の形(周囲組織に入り込んで行き、境界が不明瞭な状態)をとりますが、結節性といって子宮筋腫のように一部に腺筋症の塊を作る場合もあります。また、この結節の中央部に丁度卵巣にできるチョコレート嚢胞のように古い血液を貯留することもあります。このようなタイプを嚢胞性腺筋症と呼んでいます。び慢性腺筋症に比べ結節性腺筋症は病巣が小さいので診断が難しく、見逃されることがあります。しかし、月経痛などの症状はび慢性腺筋症と同じく強いため、強い月経痛を訴えて産婦人科の診察を受けても異常ないと言われることもあり、医師にとっては注意を要する病態です。

 子宮腺筋症の局在による分類もあります。子宮の前壁や後壁など、子宮の一部分にできるのは部分性、それに対し子宮全体が腺筋症で置き換えられてしまっているようなものは全周性と呼ばれています。 これらは単に分類として意味があるだけではなく、当院での腺筋症核出術に際しては、分類に対応させて術式を選択しているので、治療法との関連からも腺筋症の分類は重要となります。

4.子宮腺筋症の治療法
 腺筋症の治療法には手術による治療法(手術療法)と薬による治療法(薬物療法)が考えられます。薬物療法は月経痛に対する鎮痛剤の服用以外ではホルモン療法が主となります。子宮内膜症の場合にはホルモン療法の効果は期待できますが、腺筋症の場合にはダナゾール療法が比較的小さい腺筋症に対して有効である以外はことごとく無効です。従って、リュープリンやスプレキュアといった血中の女性ホルモンを低下させる治療法は、投与中には無月経となるため月経痛は中断しますが、治療が終了すれば月経痛も再開します。またピルも治療薬として使用されることがありますが、腺筋症を治癒させることはありません。
 現在尚、子宮腺筋症に対する標準的手術療法はあくまでも子宮の摘出術とされています。元々腺筋症は経産婦に多く発生する疾患ですから、発症時には既に生児を得ていることが多く、生命維持器官でない子宮の摘出術は受け容れられやすかったのです。しかしながら腺筋症は全く妊娠の既往が無い女性にも発生することがあり、更に我が国における女性の晩婚化と腺筋症そのものの増加によって、妊孕性(にんようせい:妊娠できる能力)の温存を希望する女性の腺筋症治療は無視できないものになっています。この様な社会的背景と、前述のように薬物療法がほとんど無効なため、当院では5年前から腺筋症核出術(子宮を残して病巣部分だけ切除する術式)を研究・開発してきました。


5.子宮腺筋症核出術
 ある病変を核出するという術式は、核出すべき病巣が正常組織と明瞭に識別され、しかも機械的に分離可能な場合に成立するのですが、腺筋症の場合にはこの両方の条件が当てはまりません。即ち、@腺筋症は肉眼的に正常子宮筋との区別がつけ難く、手術時にその局在がはっきり識別できない。A腺筋症組織は正常子宮筋の中に複雑に入り込んでおり、境界が不明瞭で、正常の子宮筋と機械的に分離できないからです。この様に腺筋症の核出術は子宮筋腫の核出術のように、目で見て、メスとハサミを用いて核出するという従来の概念をそのまま当てはめることができず、術式そのものに病巣の識別から切除機器まで新たな概念の導入が必要となっています。

 以下に、この2点に関する当院での新しい術式を紹介します。

 *腺筋症の識別
 核出に際してまず大切なのは腺筋症部分の正確な把握です。腺筋症の診断は患者の主訴と理学的所見、それに経腟超音波像、CA125値などからなされ、その主たる局在はMRI像で知ることができます。しかし、手術操作にあたって正常筋層と腺筋症部分の境界を肉眼的に正確に識別することは困難です。我々は腺筋症の硬さに注目しました。腺筋症組織は正常子宮筋に比べて硬いので、触診によって腺筋症の局在を知ることができます。特に、術中に核出範囲を決める場合には、触診で硬い部分があれば腺筋症が残存し、なければ正常筋層であるとほぼ正確に判断できることが判りました。また、手術経験を重ねるに従い、高周波切除器による切除面の色調によっても腺筋症か正常の子宮筋かの区別ができるようになりました。この様に触診と経験に基づいた視診とによって、腺筋症部分の識別とその局在を正確に知るという問題は解決しました。

腺筋症を核出するための器具
 次はその複雑な分布に臨機応変に対応できる切除器具の開発です。

当初、腺筋症を一塊にして筋腫のように核出していましたが、基本的にはこの様な操作では正確に腺筋症と正常筋層の境界部に分け入ることはできません。そこで、我々はオネストメディカル社製高周波切除器(下平式高周波手術器MGI-202)に接続して使用する、新たに試作されたリング導子(特殊導子先タイプT)を用いました。リング導子の利点は、切除と凝固が同時に行えること、また、その大きさを変えることによって、大きくも、小さくもどのような形状にも対応して切除操作が可能な点です。この機器を利用することによって、腺筋症と正常筋層の境界部を指で探りながら腺筋症部分を繊細に核出できるようになりました。

6.術式の種類
   当院では現在3種類の術式を腺筋症の種類によって使い分けています。

 結節性腺筋症に対しては、病巣部分を中心に周囲の腺筋症を切除し、欠損した子宮筋を縫合閉鎖する方法(これを我々は古典的術式と呼んでいます)を行います。
 び慢性で部分性の腺筋症に対しては、腺筋症病巣を確実に切除した後、子宮形成術によって子宮を正常の形に近づけるように作り直す方法(これを我々はType I術式と呼んでいます)を行います。
 全周性の腺筋症の場合には、全ての病巣を切除することは不可能ですので、子宮を非対称性に縦断し、その切断面から両側の腺筋症病巣を切除した後、再び子宮を縫合して単一化する方法(これを我々はType II術式と呼んでいます)を行います。

7.腺筋症核出術の実績
 当院で実施された腺筋症核出術は553例で、部分性424例、全周性129例です。うち先進医療として実施されたのは505例でした(平成22年331日現在)。先進医療として実施された症例の年齢は18歳から50歳に分布して平均37.5歳、手術時間は53分から305分に分布して平均138分、出血量は1gから2951gに分布して平均430g、腺筋症の切除重量は2.8gから1300gに分布して平均168gでした。12例に輸血をしています。重大な合併症はありませんでした。その月経痛の改善度を、月経痛の強さを0から10の段階で表して比較すると、術後に月経が再来し術前・後の比較が可能な406例では、術前の平均月経痛9.2が術後には平均1.7と改善されました。また、全例で過多月経も改善されました。術後の妊娠例は40です。再発率は術後2年以上経過した265例中26例(9.8%)でした。


当院で治療を受けられた患者さんから貴重な体験談が寄せられましたので掲載させて頂きます。

  体験記 1  腺筋症核出術を受けて

  体験記 2  土浦体験記

  体験記 3  第2の故郷「土浦」

  体験記 4  生まれ変われた私  ーあきらめないで良かったー

 
腺筋症の核出術は、妊孕性温存を希望する若年女性を対象とした発展途上にある手術です。今後も術後の症状の改善度、妊娠率、或いは再発率等に関する長期的予後を見ながら術式を改善してゆきたいと考えています。










































































 子宮腺筋症はご自分で診断できる病気ではなく、月経痛や過多月経という症状から専門の産婦人科医によって診断される疾患です。従って、診断医の紹介状を必ずお持ち下さい。確定診断ではなく、子宮腺筋症の疑いがあるという紹介状でも勿論構いません。 
[産婦人科の病棟]
 病院の耐震工事に伴って仮設病棟にあった産婦人科病棟が約1年ぶりに西2病棟に戻ってきました。それを契機に西2病棟は分娩室を増設し、新生児室を拡充しました。また病棟も改修し、壁を塗り替えて明るくなりました。婦人科の手術件数が増えているため、手術を受けられる方は西2病棟と東2の女性病棟に分散して入院していただいています。
 夫立ち会い分娩については、夫の母親学級受講を条件に希望者を対象に行っています。

病棟面会時間
 平日は午後3時から午後8時。
 土日・祝日は午後1時から午後8時です。
 尚、新生児室の面会時間は午後3時から午後8時までです。
 (但し、授乳時間や診察時間中は面会はできません)