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名誉院長あいさつ



「明日の医療を担う研修医を育む」


名誉院長 佐柳 進


1.広い視野と人間性を涵養(平成17年3月記す)
2.最高度の専門医療を見て「総合診療」の重要性を知る(平成18年3月記す)
3.医療におけるミッション(任務)を知る(平成19年3月記す)
4.医療の未来にイメージを膨らます(平成20年3月記す)
5.医療人に心眼を伝授(平成22年9月記す)


広い視野と人間性を涵養
(平成17年3月記す)

 昨年春から、臨床研修医制度がスタートしました。当センターでは8人の臨床研修医を採用し、医師国家試験に合格した後一年間の研修を精力的に行って参りました。 医師になって最初の大切なこの研修は、患者さんへの全人的、総合的な医療技術を習得するために、特定の診療科に属することなく、広い視野と豊かな人間性を涵養する研修を行っています。
  8人の研修医は、この新しい医師像をそれぞれの胸に懸命に努力し、一年間で逞しく成長いたしました。


最高度の医療にも触れる
「国立がんセンター・国立国際医療センターを視察」


 一年間の研修の一区切りとして、世界的にも最先端の医療に直に触れ、視野をさらに広げる体験研修として、国立がんセンターと国立国際医療センターを視察いたしました。 おそらく研修教育の一環として、国立高度専門医療施設(いわゆるナショナルセンター)を訪問したのは、当センターが初めての試みでしょう。国立がんセンターでは野村和弘病院長、国立国際医療センターでは近藤達也病院長はじめ多くの高名な先生方から、研修医による視察としては全く破格の歓迎と丁寧な説明、最先端医療の案内をいただきました。 何時も元気溌刺豪放な8人の研修医が、この時ばかりは目を丸くして神妙に聞き入っていた光景は印象的でした。 きっとこの体験は、今後の医師人生の羅針盤として、深く彼らの脳裡に刻み込まれたことでしょう。


22名の臨床研修医をどうかよろしく


 新臨床研修医制度になって2年目の本年4月、当センターの臨床研修医は22名になりました。
それぞれが明日の医療を自らが担う気概をもって、幅広い診療能力の修得に文字通り日夜を分かたず励んでいます。
  厳しい医師としての修練ですので、どうかよろしくお願いします。



国立がんセンター 野村和弘病院長とともに


国立国際医療センター 近藤達也病院長とともに


最高度の専門医療を見て「総合診療」の重要性を知る
(平成18年3月記す)

 研修医のナショナルセンター視察は、わが国で唯一、関門医療センターの先進的な試みです。今年は東京と大阪それぞれ六名と七名、二つのグループに分かれて行いました。

 大阪グループは、2月13日に国立循環器病センター(大阪府吹田市)と大阪医療センターを視察しました。国立循環器病センターでは友池仁暢病院長はじめ日本を代表する先生方から、心温まる歓迎と丁重な施設案内を頂きました。当該センターは、わが国の心臓移植手術の半分、十余人の心臓移植を既に行っています。同日に複数の心臓移植を並行して行うことも可能な、わが国の循環器病診療の中核施設です。移植病棟では、心臓移植を待って補助人工心臓を装着された患者さんに直接会いました。研究所では、子牛に人工心臓の埋め込み手術が行われていました。研修医は、最先端の医療や研究を直に見て、未来の医療を全身で感じ取ったようでした。

 東京グループは、翌週の2月23日に国立成育医療センター(世田谷区)と国立国際医療センター(新宿区)を視察しました。国立成育医療センターでは、秦順一総長自らお迎え頂き恐縮いたしました。竣工間もない当該センターは、未来を担うお子様の心身ともに健全な成長を確かにするために新規に作られた施設です。子供を逞しく育てる父性の強い意志と、優しく胸に抱く母性の温もりが感じられる、とても明るくて楽しい施設でした。国立国際医療センターでは、本間泉国際協力局長の歓迎を受けました。単なる外交手段としての国際協力に終わることなく、真にその国民から求められる国際医療協力を実践する使命感に満ちたお話をお聞きし、一同深い感銘を受けました。

 世界で最先端の専門医療を行うナショナルセンターで、その道のトップが共通して言われることは、幅広く総合的な診療能力を持つことの必要性でした。私ども関門医療センターが研修医の教育方針として掲げる「幅広い総合診療能力の習得と、豊な人間性の涵養」について、改めてその重要性を再認識したナショナルセンター視察でした。

 

国立循環器病センターで、友池病院長を囲んで。


国立成育医療センターの玄関先で。


医療におけるミッション(任務)を知る
(平成19年3月記す)

 多忙な日々の診療・研修の合間を縫って、2月9日には7名の研修医が大阪にある国立循環器病センターと西日本の災害拠点病院である大阪医療センターを、2月22日には6名の研修医が東京にある国立がんセンターと災害医療センターを視察いたしました。
 それぞれの分野で日本を代表するナショナルセンターを視察して、「最高度の専門医療には幅広い総合的な診断能力の修得が重要」であることを再認識する取り組みは全国で唯一、関門医療センターが行っている先進的な研修医教育プログラムです。

 国立循環器病センターでは、わが国のこれまでの心臓移植症例39例のうち、20症例が行われております。
友池病院長はじめ多くの著名な医療スタッフからベッドサイド等で、日々の診療活動の様子や厳しい医療判断を教わりました。 昨年の視察以降この一年間にもさまざまな改革が進められており、世界でトップレベルの当施設も日々のスタッフの英知とたゆまぬ努力で支えられていることに感銘を受けました。

 国立がんセンターは、わが国の対がん十ヵ年総合戦略の中心施設です。 現在第三次計画進行中ですが、その主要課題の一つは国民への十分ながん情報の提供です。
ホームページアクセスは毎月270万回を数え、国立がんセンター全体をわが国の「がん情報センター」として捉え、国家的な大プロジェクトに応える姿勢に、研修医も大いに啓発されました。

 

災害医療派遣を体感する(災害医療センターで)

再生医学への挑戦(大阪医療センターで)

 災害医療センターと大阪医療センターは、東西日本の災害医療拠点です。
災害医療センター周辺には、飛行場はじめ、消防、警察、交通管制など災害時の日本の中枢機能が全て集中整備されています。 当施設からは、スマトラ大津波や中越地震など国内外で発生する災害に対して、DMAT(災害医療救助チーム)が緊急派遣されています。
 今回の視察で、国民から託された医療へのミッションを深く認識いたしました。



国立がんセンターで土屋病院長と


国立循環器病センターで友池病院長等と



医療の未来にイメージを膨らます
(平成20年3月記す)

4年目を迎えた 研修医のナショナルセンター視察


 研修医によるナショナルセンター等の視察は今年で4年目になります。
3月4日に国立成育医療センター(東京)、3月19日に国立循環器病センター(大阪)と医薬基盤研究所(大阪)を視察しました。

 

 国立成育医療センターは、未来を担う子供たちが健全に成育して、いずれ父親・母親となり再び次世代を健全に育むリプロダクション(再生産)に関するナショナルセンターです。
 病院の施設設備は、受付カウンターから待合い、診察室まで、全て子供の視線で、楽しく夢膨らむよう整備、運営されていました。
 加藤達夫総長との懇談の機会を得て、「最先端医療も、救急など地域医療の原点に始まる」とのお話を頂きました。


まるで子供の国(国立成育医療センター外来)

 国立循環器病センターは、心臓病、脳卒中など循環器病のナショナルセンターです。現在までに、わが国では51名が心臓移植を受け、うち22名が国立循環器病センターです。

 

実際に活躍する人工心臓を手に。
(国立循環器病センター研究所)

 人工補助心臓を付けて、体力の維持回復のために病棟廊下を歩かれている多数の患者さんに出会いました。極めて印象的な病棟光景でした。

 北村惣一郎総長、友池仁暢病院長から、「専門医療と総合医療は、未来医療の両輪」との、熱いエールを頂きました。

 医薬基盤研究所は、飛躍的に進む新薬開発技術で、わが国が世界に大きく貢献することを目的に、北大阪の丘陵に整備中の生命科学研究拠点群の中心施設です。
 新薬開発には長年月と膨大なコストを必要とすることを再認識しました。


タンパク質の立体構造解析
(医薬基盤研究所NMR800MHz装置)

 今回のナショナルセンター等の視察は健康で豊かな未来に向かって歩む医療を、各自イメージする有意義な視察になりました。



国立循環器病センター友池仁暢病院長と。
研修医2期生だった尾崎理賀医師もかけつけた。

国立成育医療センター加藤達夫総長と。


医療人に心眼を伝授
(平成22年9月記す)

~直木賞作家・古川薫先生による「居合い塾」開講へ~


 9月2日から、当センター研修ホールで研修医等を対象に「居合い塾」が開講しました。指南役をお勤め頂くのは、地元長府にお住まいの直木賞作家・古川薫先生(当センター顧問)です。医療行為は緻密な論理思考のもとに冷静で合理的判断を下すことが重要ですが、刻々と移り変わる時間経過の中で最適最良の行為を躊躇なく行う瞬間的判断も極めて重要です。“間”の感覚や、瞬時に以心伝心できるコミュニケーション能力など、医療人として未来に大きく羽ばたく心と眼を、一流の文化人から学びとる挑戦が始まりました。

 

医療人に心眼を伝授


 「居合い塾」で使用する刀剣は“模擬刀”で研磨され刃がなく危険はありませんが、重さ約1kg、長さ約90cmあり、技能の熟達なくしては思い通りに振ることができません。初日は、袴や帯の正しい付け方から始まり、居合いの基本動作である初発刀(しょはっとう)の伝授を受けました。初発刀とは、瞬時に刀を抜いて横に払い、間髪入れず頭上から振り下ろし、流れるように鞘に納める一連の演武です。


真剣を頭上から振り下ろす「斬り下げ」
(古川薫先生)

 古川薫先生は居合道5段です。“真剣”で演武され、無我の境地をご指南いただきました。当地は源平合戦や巌流島の決闘、明治維新の発祥の地です。地域に根付く歴史文化資産を逞しい医療人づくりに活かす取り組みです。



瞬時に刀を抜き横に振る「振り付け」
(佐藤穣統括部長)

研修医を指南する古川薫先生。「筋がいい!」との評価。



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