ごあいさつ


 指宿病院の次のステージ

 指宿病院の再生計画が始まって5年が経過しました。当初存続の危機にあったと思いますが、順調に再生し、指宿の地に役立つ病院として蘇ってきたと思います。職員の努力、住民の方々のご支援の賜物で心より感謝いたします。

 さて、平成24年度より次の5カ年計画に入りますが大きなテーマは
  1)病院の建替えとさらに質の高い医療の提供
  2)若い医師やコメディカルが集まる教育研修病院 を目指す事です。

 そのために少しずつですが、各分野の指導医が集まってきてくれました。医師確保が難しい現在、当院の医師数が増えてきていることはありがたいことです。まだまだ、険しい道のりは続きますが、目標を達成して行こうと思います。そのスタートラインに立ち、気持ちも新たにしています。

1) 病院の建替えとさらに質の高い医療の提供
 当院の施設も35年を経過し、決して機能的な病院とは言えません。救急病院として確立されつつあるのは職員の働きによるところが大きいようです。病院併設型ヘリポート、64列MDCT、拡大内視鏡システム、新腹腔鏡システム、新透視システム、さらには今年度ハイケアユニット(HCU)、血管造影システムなど診療に必要なものは可能な限り揃えてきましたが、建物本体が、一世代前の療養所型の施設で救急を行うにはかなり苦労しながら行っているのが現状です。
 そのためには実績を重ね、早期の病院の建て替えを実現したいと思います。いかなる救急にも対応できる施設ができれば、指宿の医療もかなり充実し、住民の健康を守れると考えています。病院建て替えは、住民の皆さまの声も大事で是非後押ししてもらいたいと思っております。

2) 若い医師を始めコメディカルが集まる教育研修病院を目指す
 現在管理型研修病院である鹿児島大学、鹿児島医療センター、九州医療センター(福岡)から研修医を受けています。研修医のほとんどは当院で良い研修が受けられたと言ってくれています。医師不足や地域医療の崩壊と言われていますが、このような時であればこそ若い先生を教育し、地域中核病院としての指宿の姿を示したいと考えています。
 日本の医学会は臓器別や医局の細分化で専門医育成のみに力を入れていますが、実際の臨床では複数の病気を患っている人が多く、専門以外は診ないというわけには行きません。また、大病院のように専門医をすべて揃える事は不可能に近いと思います。
 まずは患者さんをみて、当院で対応できるのかどうかを即座に判断する臨床的な勘を養うことも必要な技術です。臨床的な勘を養うためには経験も必要ですが、勘を養う姿勢を若い先生に教える必要があると考えています。
 教育のできる病院、若い人が集まる病院になることは指宿病院が末永く活力を保ちながら発展するための必要不可欠なテーマです。現指宿病院の医療を若い先生に見せるだけでも勉強になると思っています。医師について述べましたが、若いコメディカルにも同じ事が言えるでしょう。

 これからも指宿病院は住民の健康を守るために頑張ります。指宿市や鹿児島県などの自治体や指宿市医師会、そして住民の皆さんと一緒になって理想的な健康を守るシステムを作り、もっともっと住みやすい指宿にしたいものです。


   平成24年4月 
  独立行政法人  国立病院機構指宿病院長  田中康博