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目的・理念

 当院の臨床研究センターは、診療部門と密接な連携のもとに、精神・神経筋及び呼吸器・小児精神疾患に係る臨床活動を通じて提起される諸問題を究明し、その成果を臨床面に還元することを目的としています。
 基本コンセプトは、(全員診療、全員リサーチ)です。全医師はもちろんのこと、医師以外の職種、すなわち、看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、心理療法士、作業療法士、理学療法士、栄養士、児童指導員、保育士、精神保健福祉士、事務職員などといったすべての職員が、探究心・向上心をもって業務に取り組み、その結果がリサーチに発展していきます。病院職員全員が主導的・相補的にリサーチに取り組むことが、当院の医療レベル・患者サービスの向上、さらには病院運営基盤の安定につながると考えています。臨床研究の成果は患者さんに還元すべきものであるという認識の下、リサーチを介して社会貢献を目指したいと考えています。

組織図

 

 

研究・調査へのお願い

 北陸病院東病棟は医療観察法による指定入院医療機関として、対象者の皆様の治療にあたっています。この治療内容をよりよいものにしていくため、全国の指定入院医療機関で調査や研究が行われており、当病棟も協力しています。

 調査や研究については個人情報を保護することはもちろん、発表についても個人を特定できない配慮を行いますのでご協力いただきますようお願いします。個別性が高い調査や研究については個人的に相談いたします。

 いずれの場合も納得のいかない場合は調査・研究への参加を撤回することができます。詳しくは病棟医長までご相談ください。

 

平成30年4月

北陸病院医療観察法病棟

当院で行われている臨床研究について

1.高栄養主食導入の評価
研究実施責任者:東野明澄、太嶋友里
倫理委員会承認番号:R04-13
研究期間:2021年3月-2022年6月
研究の概要:当院では長期入院となる患者が多く、嚥下機能の低下に伴い栄養補助食品の需要が高まり、患者食糧費の上昇にも繋がっている。栄養補助食品を追加することで食事量が増え、患者負担が増加する様子も時折見受けられた。栄養補助食品の適正利用を今一度検討したところ、味を損なわず栄養価を高めることができる高栄養主食として、エンジョイプロテインFeZ(以下:プロテインパウダー)、日清MCTオイル(以下:MCTオイル)を主食へ添加し、患者に提供することとした。約一年間高栄養主食を導入したため、2群間(添加前と1ヶ月添加後・3ヶ月添加後)の体重・BMI・血液検査データ(TP・Alb・Hb)についての比較を行い、有用性の評価と今後について報告する。


2.精神疾患における感情制御障害のメカニズム
研究実施責任者:橋本隆紀
倫理委員会承認番号:R04-12
研究期間:2023年1月-2027年12月
研究の概要:本研究では、統合失調症、双極性感情障害(双極性障害)、大うつ病(うつ病)の患者において、怒りや不安などの陰性感情制御の特性および処理速度、注意、視覚学習、作業記憶、言語学習、実行機能、社会認知など認知機能の各ドメインにおける能力を、臨床尺度およびコンピュータを用いた検査により定量化し、感情制御と関係のある認知機能ドメインを同定する。

 研究計画書(←ここをクリック)


3.統合失調症の認知機能検査BACS-Jに関する研究
研究実施責任者:芹山尚子
倫理委員会承認番号:R04-14
研究期間:2023年2月‐2025年3月
研究の概要:本研究では、統合失調症の患者データの特徴を再検討することを目的とし、2017年9月~2022年6月までの間に当院にて統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版およびウエクスラー成人知能検査を受けた方を対象として、診療録を元に後方視的にデータを収集する。収集されたBACS-Jと患者の個人背景や他の認知機能検査の数値との比較を行い、今後の患者の認知機能障害の評価や支援立案に役立つ情報を得る。

 臨床研究の実施に関する情報公開(←ここをクリック)