専門用語説明
ヘルニア
いわゆる脱腸と呼ばれるもので,腹壁の一部に袋状のものができ,そこに腸が出入りする状態です。子供だけでなく,あらゆる年齢層に見られます。根治するには手術しかありません(脱腸帯では治りません)。
下肢静脈癌
ふくらはぎや太ももの静脈がコブのように膨らんだもの。軽いものは症状がありませんが,ひどくなると色素沈着や潰瘍を起こします。治療は,静脈瘤を外科的に切除するほかに,硬化剤を詰めてつぶしてしまう方法もあります。
胆石
一口に胆石といっても,胆嚢の中のみに石ができる場合,胆管の中のみに石ができる場合,両方に石ができる場合,があります。それぞれ治療法が異なりますので,ご注意ください。詳しくは,当科のスタッフにおたずね下さい。
乳腺疾患
乳癌,乳腺炎,乳腺症,線維腺腫などが含まれます。乳腺の病気は基本的に外科で扱います。当科ではいつでも乳腺疾患を診療していますが,特に木曜日の午前中には乳腺外来を設け,乳腺疾患をまとめて診ています。
腸閉塞
腸が,癒着や癌などにより詰まってしまう状態です。閉塞部位より上流の腸液が停滞するため,腸が拡張して腹痛を起こし,ひどくなれば嘔吐します。また,排便や排ガスが停止します。腹部手術後の癒着によるものが最も多く見られます。
癌
癌とは,上皮(皮膚や消化管粘膜など,体と外界の接点になる部分)から発生する悪性腫瘍をいいます。ごく早期の癌は,手術だけで完全に治癒できますが,進行すればするほど,手術だけでは治癒できなくなります。ほとんどの癌は,かなり進行するまで何も症状がありませんので,逆に言うと,症状が出はじめたら,かなりの進行癌と考えた方が良い場合が多いのです。日頃から,健診などで積極的に自分の体の状態をチェックしておきましょう。
腹腔鏡
腹部に1cm前後の小切開をおき,その穴からビデオカメラ付きの筒を入れ,腹腔内を観察するもの。ほかに数カ所穴をあけ,鉗子(かんし)と呼ばれる道具を入れて,腹腔鏡で見ながら手術をします。大きく切開しないため,術後の痛みが少なく,回復も早く,入院期間が短縮されます。
ポリペクトミー,EMR
内視鏡で病変部を見ながら,細いワイヤーを用い,ポリープや早期癌を電気で焼き切る方法。EMRはEndoscopic Mucosal Resection(内視鏡的粘膜切除)の略。胃や腸の中から操作するだけなので,体に与える影響は最も少なくてすみますが,胃腸壁深くまで病変が及ぶものや,胃腸壁の外に病変が疑われるものは取れないため,適応は良性疾患や早期癌の一部のみに限られます。
総胆管結石
胆管にできた石は,胆管に詰まって胆管炎を引き起こし,腹痛・発熱・黄疸などの症状を来すため,発見されたら何らかの処置が必要です(胆嚢の石は,全く症状が出ないこともあります)。幸い,胆管の石のほとんどは内視鏡を使って取り出すことができるので,かつてのように開腹手術を行うことは少なくなりました。(次項"EST"参照)
EST
十二指腸にある,胆管の出口まで内視鏡をすすめ,内視鏡で見ながら胆管の出口を電気メスで切開し,広げるもの(Endoscopic Sphincterotomyの略)。出口を広げ,様々なワイヤーを胆管の中に入れ,胆管の石を引っかけて,十二指腸に落とします。また,胆汁の排出が容易になるので,細かい石は自然に排出されます。
自己検診
自分で自分の胸を触り,しこりの有無を調べること。日頃から触れておくことで,自分の乳腺の状態を知っておくことが大切です。通常乳癌は,”小石のような”あるいは”ビー玉のような”硬さのしこりとして触れます。ただし,しこりを触れない乳癌や,血液の混じった乳頭分泌だけがみられる乳癌もありますので,定期的な検診は必ず受けましょう。
生検
問題となる病変の一部を直接採取すること。病変そのものを調べることができるので,良性・悪性の鑑別には最も適しています。しかし,採取する組織が少ないと,他に隠れている悪性細胞を見落とす可能性が高くなります。
化学療法
抗癌剤を使って癌の治療をすること。一般に効果の強い抗癌剤は,同時に副作用(悪心,嘔吐,発熱,脱毛,下痢など)が強いため,これまでは入院した上での治療が必要でしたが,新しい抗癌剤の開発や,抗癌剤の使い方の工夫により,外来でも効果的な化学療法が可能となってきました。
高カロリー輸液
手や足の血管(末梢血管)から点滴をする場合,血管が細いため,あまり濃い点滴はできません(濃い点滴をすると血管炎を起こし,点滴が漏れてしまいます)。より太い血管,つまり心臓に近い血管(中心静脈といいます)では,かなり濃い点滴でも血管炎を起こさないため,十分なカロリー補給が可能です。全く食事がとれなくても,この高カロリー輸液だけで栄養状態を維持できます。
QOL
Quality Of Lifeの略。直訳すれば,人生あるいは生活の質,という意味。癌の手術の場合,癌を完全に取り去ることが治療の上では重要視されますが,それには必ず何らかの機能障害が伴います。例えば,胃癌の手術をして,癌は治ったかもしれないが食事が全くとれず,毎日外来で点滴をせざるを得ないような場合,その患者さんの生活の質が向上したかどうかは判断が難しいところです。これは極端な例ですが,患者さんの個人個人の生活背景も考慮し,QOLを向上させることが治療の上で求められています。


