放射線科医長 斉藤 明男
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| 当院で行っている放射線治療 頭頚部腫瘍について |
放射線科医長 斉藤明男
頭頚部癌とは口腔内、喉頭、咽頭腔、上顎洞内に発生した癌の総称で、放射線治療が第一に選択されることが多い癌です。その理由は物を飲み込んだり、味覚を感じたり、言葉を話したりするところなので手術をしないで機能を保存し、quality
of life と社会復帰を目指すということから考えても患者様にとっても受け入れられ易い治療です。また、ほとんどの癌が放射線との相性が良い扁平上皮癌で、出来ており、早期のものは90%の治癒率を期待できます。
口腔癌
このものの代表選手は舌癌です。これは外から放射線をかけても治りずらく、当院では137Cs(セシュウム)という放射線物質が密封された針を7日間、組織内に刺入し治療しています。この治療法は局所にたくさんの線量を入れことが出来、高い治癒率が得られます。しかし、大きさが4cmを超えるものは手術でないと根治は難しいです。舌癌のほか口腔底癌、頬粘膜癌もこの治療法で治療しています。
喉頭癌
この癌は音声機能を保存するために放射線治療が第一選択されます。またほとんどが声帯から発生するので早期に異常がわかり早期に見つかる癌です。リンパ節転移も少なく照射される大きさも6cm×6cmと小さな領域を照射するだけです。声帯の動きが十分保たれている場合は80%以上の治癒率が得られます。声帯以外から発生したものはやや成績が劣ります。癌が浸潤して声帯の動きの悪くなったものは手術をしなければ治らないことがあります。
咽頭癌
咽頭癌は解剖学的に上、中、下に分かれておりまして各々で放射線感受性が異なりまた腫瘍の進展様式にも違いがありそれらを加味して放射線治療を行っています。リンパ節転移が非常に多くそれらをカバーするために照射される面積も大きくなります。上咽頭癌は鼻の奥で頭蓋底に近いところから発生する癌ですが癌を作っている組織が放射線の感受性が良く、他の二者よりは治癒しやすい特性を持っています。中咽頭癌は扁桃、舌根、口蓋弓からでてくる癌で中には上咽頭癌と同様の放射線感受性を持つものがあります。下咽頭癌は咽頭癌の中では一番厄介な癌です。発見されたときにやや進行していることが多く、リンパ節転移も多く、飲み込みが変になったり、首にしこりが出来た時にはすぐ耳鼻科を受診した方がいいと思います。
その他
その他として上顎癌、唾液腺癌、甲状腺癌がありますが上顎癌は最近ほとんど少なくなったがんで手術と放射線を両者もちいて治療します。唾液腺癌、甲状腺癌は癌の組織が腺癌という癌で放射線との相性がいまいち劣り、主に手術が選択されます。