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ご挨拶
「現代はこころの時代である」と言われています。物質文明が繁栄を極め、その矛盾が様々な場面に露わになり、大量生産・大量消費の陰に霞んでいた「精神の復活」が声高に叫ばれています。時あたかも「キレる若者」、「17歳少年の犯罪」、「児童虐待」、「PTSD」等々、私たちがこれまでに経験したことがなかった現象が次々と現れています。今に生きる私たちは、自身のこころの健康をどのように維持・増進していけばよいのかという難しい問題を抱えています。
いったい、こころの健康とはどのようなことでしょうか。この質問に答えることは実は大変難しいことです。健康を示す検査値のような客観的指標はありません。どんな人生を生きるかはひとりひとりの価値観により大きく異なります。しかし、自分の思い描く人生のプログラムの遂行を妨げるような事態に私たちは往々にして出会います。それは環境の要因であることもあれば、自分自身の内部の要因であることもしばしばです。自分自身の内なる要因のひとつが「こころの病気」です。私たち精神科医の仕事は、「こころの病気」を治療するということを通して、みなさんの「こころの健康」の増進のお手伝いをすることです。
東尾張病院は、2001年5月に新しい病棟が完成し、運用を開始しました。また従来の病棟の増改築工事も、利用者のみなさんのご協力のもと、無事完了いたしました。当院では、新しい療養環境のもとで、次のような治療方針に基づいて、診療を行っています。
1)精神科救急医療に重点を置いた精神疾患の急性期治療
2)濃密な治療環境を必要とする状態にある患者様の治療
3)身体疾患を合併し、一般病棟では治療が困難な状態にある精神疾患の患者様の治療
4)社会復帰を目標としたリハビリテーション治療の充実
5)思春期・青年期に特有の精神疾患の治療
このうち、急性期の治療に関しては、当院が今最も重点を置いている分野であり、新しい病棟で、クリニカルパスに基づいて短期集中的な治療を行い、3ケ月以内の退院を目指しています。
精神疾患のなかには長い期間にわたって治療を続けなければならないものがあります。しかし、いうまでもなく入院治療はできるだけ短期間であるべきです。治療の期間が長ければそれだけますます、日常の生活の場で、日々の生活を営みながら治療を続けることが大切です。そのために、われわれは、2000年11月からデイナイトケアを始め、単身生活者を中心に多くの方が利用されています。また、日常生活の困難の援助と助言を目的とした精神科訪問看護を実施し、患者様だけでなくご家族の皆様のご相談にものっています。
私たち東尾張病院の職員一同は、それぞれの立場で、皆様のニーズに常に気を配り、良質な医療サービスを提供することを使命として、日々研鑽に勤めております。皆様のご利用をお待ちしております。
院長 舟橋 龍秀 |