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 アレルギー膠原病科で扱う主な疾患について

  1. 関節リウマチ

  2. 全身性エリテマトーデス

  3. 皮膚筋炎・多発性筋炎

  4. 強皮症

  5. 混合性結合組織病

  6. シェーグレン症候群

  7. 血管炎症候群(結節性動脈周囲炎)

  8. 好酸球増多症候群

  9. ベーチェット病

  10. 成人発症スティル病

  11. リウマチ性多発筋痛症


1.関節リウマチ
生活障害病の代表となる疾患です。いろいろ関節の痛みから始まり、関節の破壊、機能障害を起こしていきます。従来からの保温、安静、保持療法も大事ですが、出来るだけ早期に抗リウマチ薬を服用していただくことが重要です。抗リウマチ薬にもいろいろあり、あわないと副作用がでる薬の代表です。一方、早期に抗リウマチ薬を服用していただくと関節リウマチが治っていく患者様もいます。患者様一人一人にあった抗リウマチ薬を見つけるお手伝いをしています。また、最近生物製剤といわれる薬剤が開発されつつあります。(具体的にはレミケード---市販中、エンブレル---近日発売予定)これらの薬は従来の薬物とは格段に異なる効果があります。とはいえ、やはり副作用の問題や費用の問題もあり、すべての患者様に有効とはいえないとはいえません。患者様の病気の強さ、体力、ご希望、生活環境などに対応して治療法を決めていくことが必要と思われます。


2.全身性エリテマトーデス
膠原病の代表となる疾患です。若い女性の方に多い疾患で、発熱、皮膚の赤い斑点、関節の痛み等の症状に加えて、内臓の障害を伴うことが多くあります。むくみ、タンパク尿などの腎臓病変、胸に水がたまり、呼吸が苦しくなる肺病変、貧血や出血症状などの血液病変さらには、麻痺や意識障害を呈する脳神経病変などいろいろな症状を呈することがあります。この病気に一番有効なのはステロイド剤です。病気を抑え、内臓障害を起こさないようにし、一方ステロイド剤の副作用を予防するにはその使用法や、他の薬剤(たとえばいろいろな免疫抑制剤)の併用などいろいろな工夫が必要です。担当医の以前勤務していた病院で初診より診療したこの疾患患者様の5年生存率96%、10年生存率で88%はでした。満足できる結果ではありませんがさらによい治療を目指していきたいと考えています。


3.皮膚筋炎、多発性筋炎
筋肉の炎症により、筋肉痛や筋力低下を呈する疾患です。同時に顔に赤い斑点が生じたり、手足の関節のところの皮膚に発疹がでるものが皮膚筋炎です。さらに肺に特殊な肺炎(間質性肺炎)を生じることもあり、この肺炎の治療はまだ確立したものはありません。 筋肉の炎症にはステロイド剤が有効ですが、ステロイド剤の副作用や安静臥床による筋力低下をいかに防ぐかが問題になります。しかし、この疾患のため、寝たきりになった患者様でも早期に根気よく治療すると歩けるようになります。


4.強皮症
全身の皮膚が硬くなる疾患で、手指を冷やすと指の色が青色に変わったり、白くなったりするレイノー症状を呈します。さらに、肺が硬くなる肺線維症や、食道、胃腸が硬くなる変化もみられます。これらの症状は通常急激に進行することはまれですが、急速に進行したり、腎臓病変や、心臓病変など全身の症状を呈することがあり油断を許さない疾患です。


5.混合性結合組織病
これまで説明した、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎/多発性筋炎、強皮症の3疾患の特徴をあわせて呈する病気です。幸いにして3疾患を合併したほどには病気としての強さはそれほどありません。ステロイド剤の有効性は高いのですが、肺の中の血管の圧力が高くなる肺高血圧や腎病変を呈することもあります。特にこの肺高血圧の有効な治療は確立いておらず、問題です。


6.シェーグレン症候群
この疾患は涙を出す涙腺、唾液を出す唾液腺の炎症の結果、涙や唾液が減ってくる疾患です。そのため、目の表面があれたり、口の中が乾燥し虫歯が多くなることがあります。目の乾燥には涙の代わりになる目薬(ヒアレイン、特に防腐剤の入っていないもの)が有効ですが涙の出口を小さな栓でふさぐ涙点プラグが有効なことがあります。また口の中の乾燥には最近有効な薬がでてきました。この疾患も膠原病の一つでいろいろな全身症状を呈することがあります。その頻度は約20%くらいといわれ、腎障害、肺障害、皮膚、関節病変などがあり、この点にも注意が必要です。また、この病気を持った患者様は他の人にはわからないだるさ、微熱感などを感じる方もいらっしゃいます。


7.血管炎症候群(結節性動脈周囲炎)
全身の血管に炎症が生じる疾患で、病変のある血管のある部位により多彩な症状を示す難病の代表的な病気です。皮膚の血管であれば紫斑や皮膚潰瘍、神経であれば末梢神経障害、腎臓に起こると腎血尿やタンパク尿、腎不全などが起こります。肺に生じると肺出血や呼吸不全が生じるなど多彩です。その他、心臓、脳、等々全身どこの以上が起こっても不思議はないといえる病気です。以前は診断がつかない原因不明の発熱として死亡後解剖で診断がつくようなことも多くありました。最近では、一部では、ANCAという抗体が陽性になることが発見され、免疫複合体の検査や血管内皮障害のマーカーとしてTAT,D-Dimer等を測定すると診断のヒントとなることがあります。しかし、診断には血管の炎症を証明しなければならず、まだまだ診断の難しい疾患です。その治療もまだ確立していません。ステロイド剤に加えて、免疫抑制剤、抗凝固剤、時には血漿交換などの治療を組み合わせて対応します。最近、エンドキサンという薬剤を点滴で大量に投与すると改善することが見つかってきました。


8.好酸球増多症候群
好酸球という細胞は本来体の中の異物(寄生虫など)をやっつけるもっとも強力な細胞です。その強力な細胞がコントロールを失って増加し、自分の身体自体を傷害する病気が好酸球増多症候群です。心臓、肺の障害や神経の障害を起こしてきます。この病気の親戚に当たる病気では喘息のある患者様に起こる血管炎を起こすタイプもあります。血液の中の好酸球と言う細胞は全白血球の通常8%以下ですがこの病気では50%以上に増加することがあります。珍しい疾患ですが治療が遅れると心臓の筋肉の障害や神経の障害の後遺症がでます。一般にステロイド剤が有効です。


9.ベーチェット病
お口の中に痛い潰瘍を繰り返し、外陰部にも潰瘍をおこし、さらに目の異常を呈し、視力障害、飛蚊症を起こす疾患です。また、皮膚に痛い赤い斑点が生じたり、毛穴がはれてくるような変化がみられ、関節の痛みも生じます。特に、問題なのが、目の病変で失明してしまう患者様もいます。また、一部の患者様では脳、神経の障害や腸の潰瘍、血管の炎症を起こします。この病気の治療も難しい点が多く、眼科的な治療に加えて、ステロイド剤や免疫抑制剤(特にシクロスポリンが有効です。)、コルヒチン、消炎鎮痛剤などを病気の強さ、時期などを参考に組み合わせることが必要です。


10.成人発症スティル病
珍しい疾患ですが、40度にもなるような高熱を繰り返す病気です。身体の炎症を示す反応は高いのですが、他の膠原病のような特異的な血液反応がでないので診断がつきにくい病気です。特異的ではありませんがフェリチンという物質が正常の100倍以上に増えることがあります。胸に水がたまったり、肝臓の障害を示すこともあります。さらに発熱時には手足にピンク色の淡い斑点が生じることがあり、これが診断のヒントになります。しかし、この斑点は熱が下がると消えてしまい、医師が確認できないこともあります。治療にはステロイド剤が有効ですが、単独では効かないこともあります。また、治療を始めた直後に血液が固まりにくくなる凝固異常を示すことがあり要注意です。


11.リウマチ性多発筋痛症
高齢者に起こる病気です。急に熱がでて、体中が痛くなり寝たきりになったりする病気です。抗生剤などを服用、点滴しても改善せず、衰弱することもあります。いろいろな検査によって、他の病気を否定することが必要です。この病気であれば比較的少量のステロイド剤が特効薬として効きます。

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