第6回健康講座このページを印刷する - 第6回健康講座

第6回健康講座

○ 講 師: 国立療養所青野原病院内科医長 義富 辰夫/管理栄養士 藤尾 信仁
○ 演 題: 『最近の糖尿病治療の現状と問題点』
○ 日 時: 平成12年9月21日(木) 14:00~15:30
○ 場 所: 病院内理学療法室・訓練棟内

日本での糖尿病の有病率は40歳以上の成人の10%に達し糖尿病の患者さんは500-600万人になると推定されていますが、実際には病院や医院と関わりをもって治療を続けておられる患者さんは一部で多数の人は無治療で放置された状態にあります。

他の病気に比べ途中で治療を断念し病院に来なくなる患者さんが多いというのも糖尿病の特徴であると言えます。原因として病初期には自覚症状が乏しいことと、やはり食事療法、運動療法という自分の生活を犠牲にした(そう考えている人が多い)治療を実践しなければならないことなどが考えられます。

他の病気には自分自身の治癒力で治ってしまう(例えば胃潰瘍や軽い肺炎など)ことも期待できる病気もありますが糖尿病では自然に治るということがありませんので放置しておくと間違いなく病状は進行します。治療せずに経過すると数年から10年前後で網膜症や腎症などの合併症が発症し、一旦合併症が発症するとある病期以降はいくら食事療法を頑張って実践して血糖のコントロールが良好となっても合併症自体は進行性でいずれ失明や透析療法にいたるといわれています。

食事療法、運動療法がキチンと守れる患者さんが通院治療を続けて治療の恩恵を受けるのはもちろんですが食事療法を守れない、診察に行くたびに主治医から叱られるような患者さんにとっても病院との関係を絶たずに通院を継続して、その人なりの治療法を見つけることが非常に大事なことだと考えます。
今回の健康講座では糖尿病の治療についての話を中心に特に血糖のコントロールが不十分で病院に来るのが苦痛だと感じている患者さんに少しでも苦痛が和らぐ内容の話ができればと思っています。