第2回健康講座
○ 講 師: 国立療養所青野原病院呼吸器科医長 中垣 嘉信 ○ 演 題: 『気になる肺の病気』 ○ 日 時: 平成11年11月14日(木) 14:00~15:30 ○ 場 所: 病院内理学療法室・訓練棟内
痰・咳の役割
- 気管、気管支の内面にある線毛によって、痰といっしょにほこりやウィルス、細菌を体の外に運び出す。
- 感染を防ぐためにはこまめに痰を出すことが大切。
- 冷気、乾燥した空気や喫煙は線毛のはたらきを弱めてしまうので、風邪や肺炎などの感染症の予防には、部屋の空気を暖め、加湿器などで適度な湿度を保ち、禁煙を心がけることである。
肺結核
- 肺結核患者の咳、くしゃみによって飛び出た結核菌の飛まつを吸入することによって感染する。ただし菌を吸入したすべてが発病するとは限らず、発病するかどうかは感染者の免疫力に関わっている。
- 結核発病の危険性の高い群には免疫力の低い高齢者や消耗性疾患(糖尿病など)の患者、抗がん剤や免疫抑制剤を用いている人があげられる。
- 早期に発見し治療をはじめること。6~12ヶ月の治療でほとんどの人が完治する。しかし服薬が不規則であったり、中途で治療を中止すると耐性菌の出現を見たり、再発、再燃をおこしやすくなり、完治が非常に困難となる。
肺ガン
- 「ガン」とは無秩序、無制限に増殖し、転移をおこす。
- 手術、抗がん剤、放射線を組み合わせて治療を行うが、進行したガンは治りにくい。
- 早い時期に見つけ、治療をはじめることが肝心である。そのためには喀痰検査(細胞診)レントゲン検査、気管支内視鏡を積極的にうけること。
- ガンの原因は複雑である。タバコ、食生活など生活習慣の乱ればかりでなく、生育歴や心の問題までも関与していると考えられる。まさに広い意味でガンは「生活習慣病」である。
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