1.研究目的
 
本研究では、国立病院機構の組織力、ネットワークを生かし全国の国立病院機構の多施設共同研究として冠動脈インターベンション療法や冠動脈バイパス術施行例の診療情報を幅広く集積し、薬物溶出性ステントの導入が齎す影響を検討することを目的とする。本検討によって本ステント使用可能な時代での冠動脈疾患治療の妥当な戦略と方針が明らかになり、本邦での冠動脈疾患治療指針作成の基礎とすることができる。

2.研究仮説
 本邦へのDES導入によって、冠動脈インターベンション治療の初期・中長期成績が向上することが考えられる。症例の集積によるデータベースを解析し、その成績を他治療症例と比較検討することでDES 時代の冠動脈治療の適切な標準的な診療方針を確立する。

3.対象患者(選択基準、除外基準)
 選択基準
①研究に参加する国立病院機構の施設で当該期間に実施された冠動脈インターベンション例と冠動脈バイパス術例
②20歳以上
 除外基準
①急性心筋梗塞患者に対し血栓溶解療法のみ施行した例
②研究に同意が得られない場合や同意の能力を欠き、被験者とすることが不適と研究者が判断できるとき
③その他、参加が不適と研究者が判断する場合

4.評価項目、観察・検査項目およびスケジュール

4-1.初期登録データ
・エントリー日
・施設名
・施設内番号、性別、年齢
・治療実施日
・冠動脈造影所見:1枝 、2枝 、3枝 、左主幹部病変
・治療内容:バルーン拡張術・ベアメタルステント治療・治療・冠動脈バイパス術
・治療病変: 部位と狭窄度(インターベンション治療の場合、治療前%および治療後%)
・症例あたりのステント本数
・初期成績: 成功 ・ 不成功(合併症 あり ・ なし )
・初期治療に伴う合併症: 死亡 ・ 非致死性心筋梗塞 ・ 急性閉塞 ・ その他
・薬剤: 抗血小板薬の種類・ 抗凝固薬の有無
・冠危険因子:高脂血症、糖尿病、高血圧、喫煙歴、その他

4-2.退院時
・転帰(生存、死亡)
・退院日時
・退院時NYHA分類
・重大心血管合併症:非致死性心筋梗塞、亜急性閉塞、その他、およびその日時
・退院時薬剤:抗血小板薬の種類、抗凝固薬の有無、スタチンの有無
・診療報酬総点数(DPCでは出来高ベース)

4-3.追跡データ(1年未満において)
・転帰(生存、死亡)
・再狭窄(血管造影ないし冠動脈CTで確認)
・再治療の有無(再冠動脈インターベンション・再冠動脈バイパス術・冠動脈バイパス術へ移行)、その日時
・追跡時薬剤:抗血小板薬の種類、抗凝固薬の有無、スタチンの有無
・再入院になった場合は診療報酬総点数(DPCでは出来高ベース)

4-4.1年以降年未満
・転帰(生存、死亡)
・退院後重大心血管合併症の有無(非致死性心筋梗塞、晩期血栓症、その他)、その日時
・再狭窄(血管造影ないし冠動脈CTで確認)
・再治療の有無(再冠動脈インターベンション・再冠動脈バイパス術・冠動脈バイパス術へ移行)その日時
・追跡時薬剤:抗血小板薬の種類、抗凝固薬の有無、スタチンの有無
・再入院になった場合は診療報酬総点数(DPCでは出来高ベース)

4-5.スケジュール
登録期間は2007年10月1日より2009年3月31日とし、
追跡調査期間は2008年10月1日より2012年3月31日までとする。

5.目標症例数
 
参加施設からの全症例登録を原則としており、目標症例数の設定はしない。
過去の循環器病政策医療ネットワークの実績から年間約3,000例の登録が見込まれる。


6.研究期間
 登録期間は2007年10月1日より2009年3月31日予定
 追跡調査期間は2008年10月1日より2012年3月31日予定

7.研究責任者
 
独立行政法人国立病院機構九州医療センター
 副院長 冷牟田 浩司

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