国立病院機構は、我が国最大の病院ネットワークであるとともに、共通の理念に基づいて医療サービスを行なう法人でもあります。

 患者さんや市民の皆さんが安心して医療をお受け頂くため、厳しい目で自己評価を行ないつつ、たゆまぬ医療の質向上に向けた努力を続けることが我々職員の使命です。

 病院機能を評価する上で、財務の観点、経営的な観点からの評価指標はいくつもあり、病院機能の改善に向けた根拠として運用されています。

 しかしながら、患者さんや市民の皆さんにとって最も肝心な医療そのものの質については、定量的な評価がなされることはまだ非常に少ないというのが現状です。

 患者の皆さま一人一人に提供される医療のプロセスや、提供された医療によってどれだけの健康に関する利益が生まれたかをもって医療を評価し、病院間で良質でばらつきの少ない医療の均てん化に向けた方略が、今後は是非とも必要です。また、そのような試みは、一法人として全国に病院ネットワークを持つ国立病院機構だからこそ可能なことなのです。


 医療の内容や成績そのものを測定し比較するということは、非常に難しい部分がたくさんあります。例えば、治療の成績は、そもそもの患者さんの重症度に大きく影響を受けますから、治療の成績がよくない施設は技術に問題があるということには一概には言えません。

 そのため、医療の内容や成績を測定し、形にすること自体に抵抗を感じる方も少なくないと思います。また、指標上の成績をよくするために、患者さんを選別するようなことがおこり得る問題は、欧米でも指摘されているところであり、そのようなことは決してあってはならないことです。

 しかしながら、現在の我々が行なっている医療を可視化し、病院横断的・時間縦断的な比較を行なうことで、我々自身が形成的な自己評価のもとに患者さんへのケアの質を考え、改善に向けていくことは、極めて重要な取り組みです。

 本臨床評価指標は、独立行政法人化以降、研究及び検討を重ねた成果をもとに、2007年度からその運用を開始しました。

 今後さらに指標自体の吟味と改正も繰り返しつつ、この臨床評価指標が、国立病院機構が提供する医療の向上を実現し、ひいては我が国の医療の質向上に寄与することを強く願っています。


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