国立病院機構について

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理事長あいさつ

写真:理事長

 このたび国立病院機構理事長に就任いたしました楠岡です。

 国立病院機構は、平成16年4月に国の機関から独立行政法人に移行し、12年が経過しました。この間、国立病院機構とそれに所属する病院は大きな発展を遂げてきましたが、今、大きな曲がり角にさしかかりつつあります。これからの数年間は、新たな課題を解決しつつ、これまでの発展を維持していかねばなりません。非力ではありますが、そのために尽力して行きたいと考えています。

 国立病院機構は、これまでも、地域と皆さまの信頼のもと医療関係者や自治体とも連携を取りながら、医療を通じて地域の安全と安心に貢献をしてきました。これからの地域包括ケアシステムにおいても、それぞれの病院の特性に応じて医療や看護などを提供していく所存です。それぞれの地域の皆さんとのコミュニケーションを深め、協働して地域医療の質の向上に寄与していくことが、国立病院機構の第一の使命と考え、最も重視していきます。

 その上で、筋ジストロフィーなどの神経筋難病、重症心身障害、結核等の感染症等への医療、災害時などの危機管理の医療など、いわゆるセーフティーネット医療を担っていくことも重要な使命です。このような政策的に重要な分野の医療を担っていく病院では、一方で経営基盤の安定化を図り、患者サービスの向上をめざして行くことも求められています。とくに、大災害に対する医療チームの派遣などの支援体制の重要性は、東日本大震災においてもますます明らかとなりました。国立病院機構では東日本大震災時には延べ約1万人日の職員を被災地に派遣しました。その経験をもとに行政当局と協力し、迅速で適切な災害派遣の体制を組織化しています。

 国立病院機構の使命には、全国143病院のネットワークを生かし、医療の質の向上や臨床研究の推進に寄与することも含まれています。医療の質の向上のためには、それぞれの病院での自己評価や患者満足度調査により運営を改善すること、医療安全・感染対策などの業務を全国的なネットワークを駆使しながら進めていくことが重要であることは言うまでもありません。国立病院機構では、全病院のデータを集積し分析することにより、病院での医療の質を評価し、臨床評価指標として公表しています。この指標を見ていただくことにより、安心して国立病院機構に受診いただけることと思います。

 また、明日の医療を目指して、臨床現場に根ざした研究を推進することも国立病院機構の重要な使命です。国立病院機構の病院間ネットワークを生かした多施設共同臨床研究や大規模臨床研究など、これまで諸外国に比較してわが国が不得意としていた分野において研究を前進させることで大きな貢献ができるものと考えています。すでに、いくつかの先駆的研究が国際的に有名なジャーナルに発表されていますが、この勢いをこれからも保っていきたいと思います。そのためには国立病院機構内の臨床研究部門の人材を糾合し、先端的研究機関との協力を進めながら、現在の体制をさらに強化していく必要があります。

 医療の質を向上させ、維持するには、未来を担う医療人の育成は避けて通ることのできない責務です。優れた医師や看護師などの医療人の育成や、臨床研究に従事する研究スタッフの育成も国立病院機構の重要な使命であり、医師やコメディカルの卒前・卒後教育や生涯教育にも引き続き取り組んでいきます。

 以上のような必ずしも採算性の高いとは言えない事業を確実に実施しながら、健全で自立した経営を行うことが、社会から期待されている国立病院機構の姿ではないかと考えています。さまざまな経営上の改善や工夫により効率的な経営に努め、財政的基盤の更なる安定化を図ります。そして、その実績と社会からの信頼の上に立って、従来の独立行政法人の枠を越えた新しい領域にもチャレンジし、これからも国民と社会に貢献する国立病院機構をめざしてまいりたいと思います。

平成28年4月1日 理事長 楠岡 英雄

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登録日: 2012年4月2日 / 更新日: 2016年4月1日

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